グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇 [DVD]

監督 : 成島 出 
出演 : 大泉 洋  小池栄子  水川あさみ  橋本 愛  緒川たまき 
  • Happinet
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4907953280342

感想・レビュー・書評

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  • 戦後復興期の日本。文芸誌の編集長・田島周二は十人以上の愛人がいたが、一念発起して彼女らと別れることに。ニセの妻を仕立てて、女たちを訪れるが。

    太宰治の未完の遺作「グッドバイ」。うーん、どうせやるならもっとどんでん返しがほしかった。再婚した妻や彼を捨てた女たちをあっと言わせるような…それでこそ溜飲が下がるというもの。どこが「喜劇」なのかわからない。

  • 2020年 日本 103分
    監督:成島出
    原作:ケラリーノ・サンドロヴィッチ(太宰治『グッド・バイ』より)
    出演:大泉洋/小池栄子/緒川たまき/橋本愛/水川あさみ/木村多江/濱田岳/松重豊
    http://good-bye-movie.jp/

    終戦から復興期の昭和の日本。文芸誌編集長の田島(大泉洋)は、疎開している妻子がおり、迎えに行きたい、娘に会いたいと思いながらも、妻子不在中につくった十数人にも及ぶ愛人との関係清算に困っていた。作家の漆山(松重豊)に相談すると、絶世の美女をみつけて妻のふりをしてもらい、愛人を諦めさせろとアドバイス。真に受けた田島は、逞しく闇市に仕入れをして生きるキヌ子(小池栄子)が実は美人であることを知り、彼女にニセの妻になってくれるよう頼むが…。

    ベースになっているのは太宰治の『グッド・バイ』しかしこの映画の原作は太宰ではなく、太宰を原案にしたケラの舞台用戯曲。前半は戦後の風景、昭和レトロな女性陣のファッションなどがそれなりに楽しい普通のドラマ風に展開するけれど、途中からはあきらかに舞台的なトンデモ展開で、後半の好き嫌いがはっきり分かれそう。かく言う私も、嫌いではないものの少々戸惑ったし、映画としてはちょっと評価しづらいと感じた。

    妻に成りすましたキヌ子を連れてまず田島が訪れたのは花屋の未亡人・青木保子(緒川たまき)。無理やり金を渡して別れるが、のちに彼女は自殺未遂を繰り返すことに。お次は挿絵画家の水原ケイ子(橋本愛)。モガ風の装いの橋本愛ちゃんがとにかく可愛い!しかしここでは、彼女の兄(皆川猿時)の登場と、実は彼らの下宿の二階に越してきた保子が投身自殺を図ったりして、こじれにこじれる。

    さらにここで、疎開先の本物の妻から別れの電報。すっかり胃痛のまま、田島はキヌ子に付き添われて、第三の愛人・女医の大櫛加代(水川あさみ)のもとへ駆け込むも、加代のもとにもなんと本物の妻から「田島をよろしく」とノシつける手紙が届いており…。このへんまではドタバタ喜劇でそれなりに楽しかった。結局田島は、愛人たちにむこうから「グッドバイ」を告げられる。

    田島がここまでしたのも愛する妻子のためだったのだけど、なんと妻(木村多江)は漆山とすっかり出来ており、幼い娘も父である田島より漆山に懐いている。失意の田島。しかし田島はいつのまにかキヌ子と惹かれあっていた。しかしキヌ子がけんか騒ぎを起こしたりして仲違い、田島が妙な占い師(戸田恵子)と遭遇したあたりで風向きが怪しくなってくる。ここからはケラのオリジナル展開。

    占い師が行ってはいけないと言った方角に向かった田島は、なんと暴漢に襲われてしまう。翌朝、田島の所持品と遺体が発見され…。あっという間に時が流れ、田島を偲ぶ会に妻と愛人たち、そしてキヌ子が集っている。キヌ子だけが、田島を今も愛し続けていたが、田島の墓を建てたりしたことで借金がかさみ、田島の部下でずっとキヌ子に憧れていた清川(濱田岳)と結婚することに。

    その頃、実は生きていた田島。暴漢に襲われたあと、別の悪人たちに拉致られ、記憶喪失で採掘場で働かされていた。遺体は別人だったらしい。記憶を取り戻した田島は、キヌ子に会うため戻ってくるが、キヌ子は清川との結婚式の準備中。しかし田島をみつけたキヌ子は彼を追いかけ…。ラストはハッピーエンド。

    愛人と妻たちの女優陣は豪華で良かった。その中でもやっぱり小池栄子が一番いい!わざとダミ声で、捨て子で学もなく、戦後の混乱を逞しく生き抜く図太い女性を演じているけれど、実は美人の設定がはまる。大泉洋は、イマイチ良いところを発揮できていない気がした。ああ見えて(失敬)女性にモテる役は似合うと思うのだけど、演出のせいかイマイチ魅力がない。面白くなくはないけど…やっぱ舞台で見た方が面白そうだなと思った。

  • WOWOWで録画して観ました。大泉洋さん×小池栄子ちゃん。もう期待しか、なかった。ムフムフ。最高でした。草むらの丘で田村(大泉洋)を追いかけるキヌ子(小池栄子)、ラストシーンもお見事でした。拍手。

  • 遊びながら観た‥、すみません。
    大泉洋と小池栄子だし、笑えて観た。
    色恋のそういうトキメキがないとこが、
    このふたり〜この年代ならではの着地感。
    切なさはないけど、それを期待して観てないところ、よくわかってらっしゃる。
    笑8割、求めてるんです。

    小池栄子のキヌ子は好きですね〜。
    普段は泥まみれで男たちに負けず働いて、
    お休みはオシャレして出掛ける。
    顔を洗ったら、美人でスタイルもいいとこが
    カッコよくて、可愛くて、抱きしめたくなる。
    ぶん殴られそうだけど。

  • 太宰治さん未完作品と知らずに観ました。
    時代背景やグッドバイの一言など、ベースになる部分がしっかりしていて原作がありそうだなぁ…と思い観賞後に知り納得。
    個人的には大泉洋さんも小池栄子さんも好きな役者さんなので楽しく観ることができました。
    副題の"嘘からはじまる人生喜劇"という言葉、良かったと思います。

  • 「私的には」

    小池栄子
    彼女を最初に見た時の印象は、胸ではなく菩薩のような顔だった
    本当に真剣に、この人は転生した菩薩ではなかろうかと思ったものです
    もしかしたらと今も思っているのは私だけだろうか
    こんな事を真剣に人に話したら
    「お前、どうかしてるんじゃないの」
    と言われそうなので今の今まで誰にも言えずずっと黙っていましたが『許されざる者』やこの『グッドバイ』を見てどうにも我慢できなくなり打ち明けてしまいました。
    とくに「目」あのキリリとはっきりした目、見つめられたら今までの罪を全て白状してしまいそうで少し怖いくらい
    いまだに私と同じ人間だとは思えないのが本心です

    と、ここまで書いて頭のおかしな人と思われるのではないかと躊躇してしまいましたがせっかくなのでね
    ちなみに小池栄子さんの熱狂的なファンでもなければ信者でもありません
    ほぼ無宗教なのでそこらへんも大丈夫
    強いて言えばああいう方が身近におられるとかなり困ります、どうしても身構えてしまいそうで緊張してしまいますからね。
    ともあれ小池栄子さんのこれまで以上のご活躍を期待します。

  • 戦後の混乱から復興へ向かう昭和のニッポン。闇稼業で小金を稼いでいた文芸誌編集長の田島周二(大泉洋)は、優柔不断なくせに、なぜか女にはめっぽうモテる。気づけば何人もの愛人を抱え、ほとほと困っていた。そろそろまっとうに生きようと、愛人たちと別れる決心をしたものの、別れを切り出すのは至難の業。一計を案じた田島は、金にがめつく大食いの担ぎ屋・キヌ子(小池栄子)に「嘘(にせ)の妻を演じてくれ」と頼み込む。そう、キヌ子は泥だらけの顔を洗えば誰もが振り返る女だったのだ! 男は女と別れるため、女は金のため―。こうして、水と油のような二人による“嘘(にせ)夫婦"の企みが始まった。
    太宰治の最後の小説が、初の映画化。
    優柔不断で、女にモテる文芸誌編集者の田島周二。
    大食いで金に汚くて怪力の担ぎ屋キヌ子。
    そろそろ妻子を呼んで落ち着いた暮らしをするため、田島はキヌ子に妻のふりをして愛人と別れるのに協力して欲しいと頼む。
    強面の兄貴を恐れて別れ話を切り出せなかったり、別れ話をした愛人が自殺未遂し他の愛人が住むアパートに住んでいたり、田島の妻から田島の愛人に「旦那をよろしく」と手紙が届いていたり、田島の計画が上手くいかず、田島とキヌ子は奇妙な縁で繋がっていく男女の痴話喧嘩のおかしみを、大泉洋と小池栄子のテンポの良い掛け合い、優柔不断で変に意地っ張りな男とかよわく見えて逞しい女の対照的な関係、水川あさみや橋本愛や緒川たまきなど田島の愛人を演じる女優や田島の妻を演じる木村多江の多彩な魅力、和製ラブコメディ映画の佳作。

  • Netflixにて。大河が始まるタイミングで観てみました。

  • 太宰治の未完小説を独自の視点で描いた映画。太宰愛読者は彼の小説の主人公は太宰治本人とイメージを重ねてしまう傾向があると思う。そう思って観ると非常にガッカリしてしまうのではないだろうか。未完で独自の視点なので仕方ないといえば仕方ないのかもしれない。

    太宰好きは楽しめないだろう。太宰を全く知らない人が見ても そんなには楽しめないだろう。

    あと、小池さんって演技の出来る女優さんと思っていたけど、わざに大根ぽく演じたのかな。

  • 君はあれだなぁ、馬鹿だなぁ。
    田島、お前そのなんだ、馬鹿だなぁ。

    儚げな日本橋の花屋の未亡人 緒川たまき
    若き女性挿絵画家 橋本愛
    クールな内科女医 水川あさみ
    数々の愛人をつくる雑誌編集長 田島。

    疎開中の娘と妻 木村多江を呼び戻すため、
    金で雇った永井キヌ子に正妻役を演じさせ、
    愛人たちにグッドバイを云うつもりが、
    素行がばれ逆に愛人たちからグッドバイを言われ
    更には妻にもばれて捨てられます。

    俺はお前が思ってるような人間じゃないんだよ!
    脇目も振らずに仕事に打ち込んでくれてるお前は本当に凄い。
    素晴らしい。
    でも女はもっと素晴らしいっっ。
    俺には女の素晴らしい処以外目に入んないんだよぉっ!

    いづ迎えに来るかと思えば
    女ば作って遊んでばかりで酷すぎますっ。
    真面目な人だって言うから一緒になったのに、
    話が違うんじゃありませんか。
    真面目に働いたよ。
    君と幸子の為に一生懸命仕送りしてきたんじゃないか!
    お金じゃないんです。
    金じゃない?金じゃないなら何だ!
    言わないば、判らないんですか?

    幸子には会わせない。
    いやぁね、静江がそう言うんだよ。
    お前と会わせるとお金で紙飛行機折るような子になるって。
    お前さんは、お金で何でも解決が出来ると思ってるって言うんだよ。静江がだよ。ハッハッハッ。

    幸子だけが生きる望みだった
    幸子は戦争を知らずに育った
    そんな娘が側にいれば
    僕だって立派に生きれると思ったんだ
    誰が側にいようがあんたはダメよ。
    元々自分なんかありゃしないんだから。
    全部戦争のせいさ!
    戦争に負けて世の中何やら変わって、
    僕だって何やら変わってしまった
    君だってそうだろ!
    あたしは元からこうだわ。
    誰かがいなきゃダメなんだよ!僕はっっ!
    ねぇ?一人でいるのも悪くないわよ。案外気楽で。
    一人はやだ。もう死にたい。
    でも一人で死ぬのは恐ろしい...
    永井さん...一緒に死んでくれませんか?
    あたしを殺す気?
    幾ら出せば一緒に死んでくれるんだ!
    誰が死ぬか!
    なぁ!幾ら!
    どうかしてんじゃないの?
    死んだら幾ら金あったって使えないじゃない!
    金なんかいらない!
    金なんかいらない。ほら全部くれてやるよ。
    こんな紙切れがそんな大事かい!
    グッドバイ。
    本当に要らないの?!田島!田島!
    あんたケチじゃなかったの!
    死んだって何にもなりゃしないわよっ!

    一緒にいて一番楽チンな女だぁ
    なーんの気兼ねもいらない女だねぇ
    お兄さんの事、どこの誰より愛してる女だ
    彼女も、自分でどう~してこんな男に
    惹かれるのか、と思ってる。
    だいたい本当だ。でーもその気がないんじゃね。
    全くない訳じゃないんです。
    冷静に見れば決して恐ろしいだけの女じゃない
    強がってはいるけど、うぶな処もありましてね。
    腹も立つけど、頼りになる。
    何より!愉快なところが際立つ女です。
    今すぐ会いに行くんだね。だいたいうまくいくから。

    あの時死ぬのはやめたんだ。
    君のところに戻ろうとした。
    2年も掛かってしまったが。
    ぐずね。遅いのよ。
    もっと早くに戻るんだった。
    どうか、清川くんと幸せに。
    (頭突き)
    私を好きなの?嫌いなの?どっち?!
    好きだぁ!
    私もよ!
    後で後悔するんじゃないのかい?
    するもんですか!
    君はあれだなぁ、馬鹿だなぁ!

    太宰治の未完作「グッドバイ」を元に、
    ケラが舞台化した作品を映画化した作品。

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