吉本興業史 (角川新書) [Kindle]

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  • 吉本興業の組織を論じた書籍である。著者は吉本興業で広報を担当した。書名からは吉本興業の歴史を論じるように見えるが、闇営業問題で批判されたブラック企業体質を明らかにすることを重視している。
    本書は芸人を大事にする家族主義的経営だった吉本興業が何故、ブラック企業と批判されるようになったのかという問題意識に立っている。しかし、そもそもこの問題設定がずれていると感じる。ブラック企業は家族主義的経営の延長線上にあると考えれば疑問ではなくなる。
    家族主義的経営はステークホルダーを個人と扱わず、共同体の一員としてしか見ない。それ故に共同体の秩序を乱す存在と認識されたら、パワハラ体質をむき出しにして排撃する。家族主義的経営が崩壊したからブラック企業になったのではなく、家族主義的経営だからブラック企業になった。昭和の価値観では許容されていたかもしれないが、ダイバーシティの21世紀ではブラックになる。

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著者プロフィール

1959年大阪市生まれ。同志社大学法学部法律学科卒業、同大学院総合政策科学研究科修士課程修了。吉本興業株式会社入社後、宣伝広報室を設立し、「よしもとNSC」の立ち上げ、月刊誌『マンスリーよしもと』初代編集長を務める。「吉本興業年史編纂室」「コンプライアンス・リスク管理委員」などを担当、よしもとクリエイティブ・エージェンシー専務取締役などを経て2015年7月退社。吉本興業での実務経験を元に謝罪・広報マスターとして危機管理やコミュニケーション指導、講演、全国の刑務所での釈放前教育を行っている。

「2023年 『それでは釈放前教育を始めます! 10年100回通い詰めた全国刑務所ワチャワチャ訪問記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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