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感想・レビュー・書評
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世界の著名な政治家なども愛読したギボンの歴史的名著「ローマ帝国衰亡史」の抄訳本。その割に、文字数が多くて読破するにはかなり大変である。王政、共和政、帝政と変遷してゆくローマ史における皇帝の血塗られた歴史物語は、天皇制に馴染んだ日本人には想像し難いものがある。戦争に明け暮れた時代、周辺国や蛮族との領土問題もコーカソイドならではの攻撃性が見てとれる。登場人物も非常に多く、カタカナ名ばかりで理解が難しいところがあるかもしれないが読破すればそれなりにローマ史の知識は得られるはずだ。
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ローマ史に触れたのは塩野七海氏の「ローマ人の物語」に触れて以来だが、件の作品もローマの終わりの始まりで中断していたのはあれだけ隆盛を極めたローマ帝国が亡びていく過程を個人的な受け入れ難かったのだと思う。年を経て本書にじっくりと向き合うにあたり地理や侵入部族の歴史も紐解きながらの読書になり、なかなかページを読み進めない中で高校の教科書ではわからなかった何故(動機・理由)がわかったことが数多くあり収穫が多かった。特にあれだけ効率的かつ機能的に設計されていた属州統治(安全保障を含む)がありながら東西のローマ帝国に分かれていった事情など改めて本書から教わることが多く学びになった。二世紀以上も前にこの書を記したギボンの卓越した調査、筆力には敬服しかない。
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訳者が「ローマ帝国衰亡史」の原著から脱線や余談を取捨選択し、編集してくれたおかげで自分のような浅学な者にもローマ帝国史を通読できた。自分のローマに関する知識は塩野七生氏の「ローマ人の物語」しかなかったが、それとはかなり異なる視点を持てるようになった。
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新約のローマ帝国衰亡史であるが、完全版ではない。
ところどころ原著の和訳があり、その間は訳者が補完する、という形式。
なので、通史をある程度理解しておかないと難しいところがあるかもしれない。 -
原著『ローマ帝国衰亡史』の中から各時代の代表的な章を選び、翻訳、再編集して一冊にまとめた一冊になります。
ほとんどの章の終わりに編訳者による解説がついていますし、各皇帝による波乱万丈の治世、蛮族の侵略や宗教問題などもわかりやすく描写されていると思います。