日本版 民間防衛 (青林堂ビジュアル) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 本書は日本が置かれている安全保障環境や、国内外からの脅威・影響力などを、
    日本国民にとって理解しやすいリスクとして整理しながら紹介されている。
    日本国民を取り巻くリスクを可視化している書籍としては面白い。
    一方で、具体的な民間防衛として、身を守ったり、危機に対する国民の行動のような
    記載は多くないので、別の書籍を参照したほうがよい。

    章の構成として、第2章の「戦争」よりも先に第1章に「テロとスパイ工作編」が構成されている。
    有名なスイス政府編の「民間防衛」は外国からの侵略という戦争のストーリーの中で、
    国民が如何に各種攻撃から身を守り、復旧し、耐えて、反抗に備えるかを説いているのに比較して、現代日本ならではの章構成にしていると言える。

    また、第3章「自然災害」、第4章「移民侵略」、第5章「インテリジェンス」
    という章構成からも分かるように、
    現代日本を取り巻くリスクというものは、
    単純な外国からの直接侵略のみではなく、
    むしろそれ以外の間接侵略、自然災害などの環境的要因、影響力工作などを念頭に置かねばならない。
    また、日本国民が民間防衛を意識する場合、
    実際に戦争が発生して、避難、復旧などをするよりも、
    事前の抑止的な民間防衛とでもいうべき行動を粘り強くとる必要がある。

    移民侵略へのモニタリング、
    政治家や著名人への影響力工作への注意関心、
    など。

    そして、テロ、自然災害、などのリスクが顕在化した場合は、
    正しい情報を把握・理解しながら、混乱を抑制し、
    外国が直接侵略を行う隙を見せないこと。

    そうして、一つ一つのフェーズにおいて、
    粘り強くやるべきことをやる。

    そうしたことを考えさせられる一冊である。

  • 「戦争は日本を放棄していない」

    以下の事を知りたい、わからないという人に一読しておいてもらいたい本。
    ・ミサイル落下時など緊急時の対処法
    ・近隣諸外国の驚異
    ・国内の驚異(なぜ日本共産党を支持してはいけないのか)

    まだ読めていませんが、後半には自然災害に対する対処法なども載っているようです。
    政府が無料で配布しているマニュアル等では、具体的な国名や政党名を出して地政学を啓蒙することはあまりありませんので、まとめて一冊で学べる本書は買う価値アリです。

    他の地政学の本を読んだことがありますが、物によっては極端に偏った見方ややたらと不安を煽るものもあります。
    本書はあくまで事実(統計データや過去の事件)ベースに、民間人が気にしていないところで何が起きているかを解説しているのでおすすめです。

    日本だけ核シェルター普及率が諸外国とは桁が3つも4つも違って低いというのは衝撃的。
    核シェルター普及やスパイ防止法の制定を迅速に行わないといけないことがよくわかる。

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著者プロフィール

拓殖大学大学院地方政治行政研究科特任教授・防災教育研究センター長。
昭和43年熊本県菊池市生まれ。防衛大学校材料物性工学科卒、日本大学大学院総合社会情報研究科修士課程修了(国際情報修士)。
防衛庁陸上自衛隊、元首相秘書、日本政策研究センター研究員、栃木市首席政策監(防災・危機管理担当兼務)などを経て現職。
一般財団法人防災教育推進協会常務理事・事務局長、ニューレジリエンスフォーラム事務局長、共同PR総合研究所客員研究員、政策研究フォーラム理事。
著書に『だれが日本の領土を守るのか?』(たちばな出版)、『日本の命運 歴史に学ぶ40の危機管理』(育鵬社)、『戦国の城と59人の姫たち』(並木書房)、共著に『日本版 民間防衛』(青林堂)などがある。

「2022年 『リスク大国日本 国防 感染症 災害』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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