Brand New Boy (English Edition) [Kindle]

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  • ダンの学校にやってきた転校生ジョージは、ふつうの子と様子がちがう。話をきいているのかどうかわからないし、決まり切った受け答えしかしないのに、複雑な暗算を一瞬でやってのけるし、サッカーもめちゃくちゃうまい(でもパスはしないでひとりでゴールしちゃう)。しかもつきそいの人が片時もそばをはなれず、何もかもノートに記録している。
    ひょっとしてジョージって……?

    という出だしで、案の定ジョージはロボットなんだけど(笑)、その付添の会社の人たちがけっこうひどい。はじめロボットであることを明かさなかったのは、どれだけ人間らしく見えるか、子どもたちの反応を見るため。つぎにジョージをつれてきたときには、ロボットであることを明かしたうえで、バラバラに分解した状態から目の前で組みたててみせる(!)

    ダンたちはそんな会社にたいして反感をいだき、なんと、親友のマックスが、箱詰めにされたジョージをこっそり盗み出す。ダンとマックス、そしてほかにふたりのクラスメートは、こっそりとジョージを組みたてて、ほんとうの友だちのように遊んだり、身のまわりのものの名前を教えたりする。

    ……ロボットの出てくる物語だけど、SFでもファンタジーでもなく、日常をえがいた児童書であるところがユニーク。デイヴィッド・アーモンドの筆致というか、語りはやはりさすがで、大して何もおこらない物語なのに、子どもたちの遊びのきらきらした描写でぐんぐん話をひっぱっていく。ロボットのジョージがからむことで、ふだんの何気ない日常がこんなに輝いて見えるんだという、そのすばらしさがすべて。とことん子どもたちの味方をしてくれるお母さんもいい。

    結末もヘンだし(笑)お話としての起伏には乏しいんだけど、ふしぎと心にひびく作品でした。

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