- Amazon.co.jp ・電子書籍 (113ページ)
感想・レビュー・書評
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いろんなビジネスのマネタイズを抽象化して十数個にまとめている。言われてみれば当たり前だけど理解に落とし込むのが難しいビジネスの本質を学べる良著だと思う。
twitter発の本であり発売後の流れを注視していたが、本そのもののマーケティングも上手だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
どうやって金儲けするかにひたすらフォーカスされている。何気ないところに売り手の思惑があるのが面白い。ところどころ詐欺にさえ思ってしまうようなビジネスの構造。自分が消費者となった際、いかにして相手の術中にはまったのか観察する癖をつけたい。
この本自体も140ページで1500円という点を踏まえると、一見コスパが悪く思えるが、東大出身の著者、タイトル・表紙のキャッチーさなど、本を売る工夫がところどころなされていそう。特に表紙でかなりブランド感を出しているところが気になる。
MEMO:SaaSが高い株式価値の評価を受けやすい理由
1.サブスクのため収益を予測でき、LTV>CACが成立することで投資を呼び込める
2.1:nの構造が確立していて、損益分岐点を超えた分だけ利益になる
3.業務プロセスに組み込まれ、解約しづらい -
単純なノウハウ本ではなく、社会の実際のビジネスを例に挙げながら、その収益モデルの本質を解説している本です。読んでいて大変多くの気づきがあったし、収益が出るビジネス、出ないビジネスの違いもわかりました。これは何回も読みたい一冊です。
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他人の財布を狙う、の章は大変納得した。
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ビジネスの本質を読み解く、体系的に記載があり分かりやすい。
オーディブルで聴けるので何度も聴いて勉強します! -
サクッと読めて(聴けて)本質的。 オーディブルで1.5時間
世間の金儲け本があてにならないから自分で書くことにしたとのこと。著者のすごいところは本質を掴み、具体と抽象を使い分けることができる地頭だろうなと思う。紙面から十分に伝わる。
自営業をしているわけではないので断定はできないが、この本で紹介する金儲けのレシピはいずれも的確で汎用性が高いと思う。自分のビジネスを考えるときには隣に置いておいて損しない一冊。
(日曜大工的にやっている小商が労力のわりに儲かってしまうことに罪悪感を抱いていたんだけど,そんな必要は全くないんだな)
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儲かるビジネスを知る前に、儲からないビジネスを学ぶ
・初期投資がかかりすぎる
例:店舗ビジネス、初期投資がかかる。
・事業ドメインに詳しくない
コーヒー好きがこうじて自宅のガレージでコーヒー開業
消費者は消費のプロだが売りのプロではない
→消費者から買い取るビジネスモデル ガリバー、ブックオフ
レシピ1 客から買い取る
もの、労働力
合法的解雇のための条件→
人員整理
解雇回避努力
被解雇者選定の妥当性
解雇手続きの妥当性
レシピ2 客に作業を押し付ける
IKEA→組み立て作業を客に押し付ける
焼肉屋→店は肉を切ってタレにつけるだけ
調理コストを客に転化
セルフガソリンスタンド
成功する飲食店の法則→
家で作りにくい
仕入れで優位性がある
酒が頼まれやすい
"枯れた技術の水平思考"
セルフで焼く焼肉→セルフ○○(寿司、天ぷら)
枯れた技術は安価で安定している。
レシピ3 まとめると高くなるもの、きら分けると高くなる
森ビル→土地を集める スケールメリット
肉や魚→切り身は高くなる スモールメリット
レシピ4 1対N構造をつくる。
東進→講師1人、生徒N人
インターネットの本質的な意味は1対Nの普及
レシピ5 両方から金をもらう
ビズリーチ→求職者からもお金をもらう
広告
顧客セグメントが読めてるほうがよい→タクシー広告
レシピ6 合法的に麻薬を売る
タバコや酒→中毒性のある嗜好品
死ぬほど儲かる→国家が絞る
国家が利益を吸い上げない麻薬は...?
→砂糖、小麦、脂肪→白い粉3セット
新興の寿司屋の米は甘い→砂糖を混ぜている→気付かれないところに粉をぶち込む。
中毒性のある食品を文脈を添えて売る
レシピ7 確率をいじる
宝くじ、パチンコ
ビックリマンチョコ、遊戯王、ソシャゲ、FX
プロスペクト理論
儲けたい気持ちより損したくない気持ちの方が大きい
→損したくない気持ちに漬け込む
レシピ8 空気を売る
水商売→ 銀座のクラブでは水が1本2000円
ジュリアナ東京→空間を売る
無形商材→金融商品、コンサル
"有形商材っぽく売る" →コンサルの人月表示
"購入後のストーリーを想像させる" →
"課題解決として提案する"→老後2000万問題
高価・安価×有形・無形のマトリクス
レシピ9 意思決定に介入する
過去の大塚家具→プレミアム感
非合理な意思決定をさせる
レシピ10 仕入れで儲ける
普通に仕入れて高く売る
安く仕入れて普通に売る
後者の方がいい→前者は競合から儲けの仕組みを秘匿しにくい。後者の方が競争優位性を維持できる。
どうやって安く仕入れる?
大量に仕入れる→資金力が必要
癒着を作る→個人店の寿司屋 大量には買わないけど賢い買い手だと売り手がわかっている。
レシピ11 他人の金を狙う
接待→経費が落とせる→自分が払わない→財布の紐が緩い
結婚式・葬式→親族や参加者のご祝儀、香典
レシピ12 高いものはいいものだ
高級時計→高いからこそ意味がある。奢侈材。
ウェブレン→顕示的消費の概念
高級と認知されているものを買うことで自分の豊かさを提示
高いものはいいものだ→認知的不協和をビジネスに活用
1時間1万円の占い師→外れてもあってている部分を探す。
代替医療→正当な医療は保険で安くなっている、代替医療は高い→プラシーボ効果
レシピ13 勝手に権威になる
変な資格、ブランドを作る
漢検→当初は民間資格
野菜ソムリエ→女性向けの謎の資格、
勝手に格付けする
→食べログ
→帝国データバンク
レシピ14 信者ビジネス
アップルの宗教的魔力
→購入者が宣伝者になる
宗教の基本構造
→教祖・経典・教会
スタバのブラックエプロン
→最低賃金で喜んで働く人のロイヤリティを刺激
従業員も信者にする
レシピ15 究極のレシピ
金持ちのなり方を売ること
セブンイレブンのフランチャイズシステム
情報商材との差→本当に儲かるかどうか。情報商材は儲からない→持続しない。
本当のレシピ
圧倒的に儲かるビジネスを作るには自分だけの秘伝のレシピを作ること。この本のレシピを転用・悪用してビジネスを作って欲しい -
参考になったのは、「仕入れで儲ける」の章。
「俺の」の成功と「いきなりステーキ」の失速の差は、表面的な「高単価でも高回転させれば元がとれる」という戦略ではなく、その裏に隠れている「料理の高品質を支えるシェフは、三つ星レストラン等で丁稚的に働いている安月給の人間を雇う」という差別化要素だったというくだり。「料理人の仕入れ」の「差」で儲ける仕組みを作っているということ。
なるほど。仕入れで差別化要因を作る。確かに、なかなか真似し辛いし、そもそも、その要素(この例だと料理人の仕入れ)を見つけにくい。