人気NO.1予備校講師が実践! 「また会いたい」と思われる話し方 [Kindle]
- 朝日新聞出版 (2020年11月20日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (255ページ)
感想・レビュー・書評
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コミュニケーション力を高めるために大事なことを学べる本です。
どんなに流暢に話しても、言葉を尽くして話しても、相手にとって、興味・関心のない話だと、聞き流されてしまいます。
相手との関係性を考えた上で、相手が興味・関心のある話をすることを心がけることで、相手が話を聞いてくれるようになります。
話を聞いてくれれば、口コミなどで興味・関心を持っている人とつながる機会も多くなるようです。
トークのスキルは磨いているのに相手の反応がいまいちだったという経験をお持ちの方、相手に言いたいことをうまく伝えるのが苦手だという意識がある方などが読むと、その原因と解決のヒントが得られる1冊ではないでしょうか。
【特に覚えておきたいと感じた内容の覚え書き】
「コミュニケーションは、自分のことだけ、相手のことだけ考えるものではなく、両者の間に存在する『関係性』を同時に考えないと成立しない。相手が自分のことをどう認知しているか、自分と相手の間にできあがっている関係性を把握しながら話さないと、相手の心を動かすことはできない。」
「『聞き手』のニーズに興味・関心を持つ。話し手の価値観を押し付けてしまうと、『この人はわかってくれない』という第一印象が形成される。直接的と間接的の2つのリサーチを使う。」
「コミュニティを作ってファンを広げる。1人の聞き手の背後には、その人がつながっているたくさんの人がいる。聞き手のやる気を高める、コミュニティを盛り上げる、仲間を勇気づける、という3つの戦術を使い、優れた評判と口コミをデザインすることで、ファンが集まるコミュニティをつくりあげる。」
→自分が話すべきことにどうしてもフォーカスしてしまいがちです。相手が興味のない話だと、いくら話しても内容を覚えてもらえません。相手の関心事に常にこちらが興味・関心を持っておくことは本当に大事だと再認識します。
【もう少し詳しい内容の覚え書き】
・人間関係の構築にデジタルが入ることは止められないが、大切なのは、人付き合いを極限まで効率化して生まれた時間で自分は何をしたいのか、という問いの答えではないか。
・人類が書くことでコミュニケーションをとり始めたのは、話すコミュニケーションが生まれるよりずっと後。そういう意味では、「書く」よりも「話す」コミュニケーションのほうが原始的かもしれない。だからこそ、人と人とのコミュニケーションの本質がそこにはある。人と人との距離を近づけ、そしてつながり続けていくことがより重要となるこれからの時代では、「話す」というコミュニケーションの価値は再び見直されるはず。だからこそ、「話し方」を工夫しさえすれば、つながりたいと思える人とつながり続けられるチャンスが生まれるはず。
・必要なのは、成果の出るノウハウと、「自分を変えたい」というほんの少しの気持ち。上手い話し方ができなくても、きれいな話し方でなくても、相手とつながり続ける話し方さえできれば、望む結果を得られるはず。
◯これからの時代、「話し方」は生き抜くための武器になる
・コミュニケーションは、自分のことだけ、相手のことだけ考えるものではなく、両者の間に存在する「関係性」を同時に考えないと成立しない。相手が自分のことをどう認知しているか、自分と相手の間にできあがっている関係性を把握しながら話さないと、相手の心を動かすことはできない。
・これからの時代、「話す」ことの重要性はより一層高まる。話して伝えるほうが、書くより受け手の記憶に残りやすいことも明らかになっている。声のトーンなど非言語情報も同時に伝えることができ、情報の受けての五感をより多く使ってもらいながら記憶してもらうことができる。その結果、受け手に与える話し手の情報が増え、伝えた内容や話し手そのものの印象が受け手の中に残りやすく、結果的に信頼関係を構築しやすくなり、相手から選ばれやすくなる。
・①「また会いたい」と思われる(関係性をつくる)、②相談相手として選ばれる(関係性を深める)、③評判を口コミで広げてもらえる(関係性を広げる)、というサイクルをつくる。関係性が広がると、さらに多くの関係性がつくれる。深めてから広げるのがポイント。逆は難しい。
◯土台としての信頼関係を築く
・「聞き手」のニーズに興味・関心を持つ。話し手の価値観を押し付けてしまうと、「この人はわかってくれない」という第一印象が形成される。直接的と間接的の2つのリサーチを使う。
・「自分」をわかりやすく説明する。信頼する人物であることをアピールする「キャラクター」と、聞き手にとってどんな「トク」になるのかという「コンテンツ」を伝える。
・「聞き手」と「自分」の間に架け橋をかける。「事実」を伝え、「デメリット」も伝え、逃げなければ、誠実さは伝わる。聞き手に安心感を抱いてもらい、聞く準備を整えてもらう。
◯聞き手の心を動かす
・「情緒的ベネフィット」で聞き手の心を動かす。「すごい」「おもしろかった」「ワクワクした」「安心できた」などといった聞き手の感想が、情熱的ベネフィットを提供できた証。心が動くことで、好意的な評価が得やすくなる。
・希少性を演出する。「手に入らないかもしれないもの」「残り少ないもの」「限定されたもの」など、希少性のある話題を冒頭や序盤に入れることで、聞き手の聞きたい気持ちを高める。すぐに使える仕掛けは、①「秘密」の共有、②「裏話」、③話を途中で止める(「ツァイガルニク効果」)、④「オリジナルのキーワード」を散りばめる、⑤制限された自由の価値を高く感じる「心理的リアクタンス」の刺激、の5つ。
・相手に合わせたエピソードを語る。単なる失敗談も、そこからの学びを添えれば、強力なストーリーになる。持っている知識や経験を聞き手が必要だと思うように加工し、話し手への興味と関心を引き出す。
・満足感を提供する。聞き手が大きな満足感を得られるのは、会話を通じて自分の価値を再発見できた時。そのために必要なのが、聞き手の本心に迫る「問い」。聞き手が一歩踏み出す手伝いをする。本人が積み重ねてきた努力、現時点での結果に表れていないが伸びている部分に光を当てる。
◯納得して行動してもらう
・聞き手が話を聞いたことによって得られる具体的な効果、効能、恩恵である「機能的ベネフィット」で聞き手に納得してもらう。聞き手の抱えている問題を解決する情報提供を心がける。「信頼関係を築く」「(情緒的ベネフィットで)聞き手の心を動かす」というステップを踏んだことで、ようやく「聞き手の抱えている問題を解決する情報」が求められるタイミングが来る。
・聞き手の期待値を超えていく。いい評価を得られるかどうかは、聞き手の期待値次第。質問や相談をされたときこそ、期待値を知り、超えていくチャンス。真剣に応じ、高い評価を引き出す。
・希少性でメリットを際立たせる。単独では、その情報の価値は伝わりにくい。比較できる情報や予知につながる情報を同時に提示し、提供する情報の希少価値を高め、メリットを際立たせる。
・畏れられる存在になる。怖がられてはいけない。「あの人の言うことには一利ある」「耳を傾ける価値があるかも」と思われることが大事。広い視野で多くの物事を結びつけ、話し手の存在感を高める。
・ロジカルに不安を取り除く。多すぎる情報は聞き手を不安にする。不安の原因を確認することから始め、聞き手が目標に近づけるように優先順位をつけることで、聞き手の頭の中を整えてあげる。情報が多すぎて自分で取捨選択できない状態に陥った時、不安を感じる。その時に求められるのが、情報を削減し、やり方を示して、導いていくことのできる存在。
◯ファンを広げる戦術
・コミュニティを作ってファンを広げる。1人の聞き手の背後には、その人がつながっているたくさんの人がいる。聞き手のやる気を高める、コミュニティを盛り上げる、仲間を勇気づける、という3つの戦術を使い、優れた評判と口コミをデザインすることで、ファンが集まるコミュニティをつくりあげる。
・聞き手のやる気を高める。やる気になってうまくいったエピソードは、自然と誰かに語りたくなるもの。聞き手のやる気を高め、行動を促し、いい結果を得てもらうことで、やる気と評判の好循環を目指す。
・コミュニティを盛り上げる。ファン(聞き手)が集まるコミュニティの価値が上がれば、話し手の評価も上がる。コミュニティに参加してくれている人たちの優れた評判は、いろんな人にどんどん広げる。
・仲間を勇気づける。周囲に勇気を配れる話し手、安心感を覚えることができる人の周りには、自然とファンが集まる。ロジカルな話を熱量たっぷりに話して、コミュニティに元気を提供する。詳細をみるコメント0件をすべて表示