なぜニセコだけが世界リゾートになったのか 「地方創生」「観光立国」の無残な結末 (講談社+α新書) [Kindle]
- 講談社 (2020年12月23日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (192ページ)
感想・レビュー・書評
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金融コンサルタントとして富裕層ビジネスを熟知する著者が、ニセコが世界的なリゾート地となった要因を解説した本。
地域の強みを理解し、その強みに集中することが現代の観光戦略に求められています。ニセコの場合は「パウダースノー」。その強みを活かすべく、ニセコは富裕層を中心とした観光戦略を実行しています。
観光で稼いだお金を地域の繁栄につなげていく。そのためには「観光でいかに稼ぐか」をもっと追及する必要があります。そのヒントを本書が教えてくれます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
富裕層向け金融コンサル会社の代表者である著者がニセコの未来について解説する一冊。
ニセコ開発はかつて、東急グループ、西武グループが担っていたが、バブル崩壊により外資に売却。
その後、香港、シンガポール資本が入ったことで一気に開発が加速した。
当初は、スキー目当てのオーストラリア人だけが主な客層だったが、高級リゾート地となった今、世界中の富裕層が注目している。
リッツカールトンに、パークハイアット、札幌にさえない高級外資ホテルが次々に建ち、コンドミニアムに至っては、数百棟が建設されている。
もはや高過ぎて国内資本は手が届かない。
ニセコブームは一過性のものと、国内のプロは静観していたが、一過性どころか、コロナ禍でも勢いは止まらず、今後ますます発展すると思われる。
理由は、国際的金融緩和で資産家は金余りだから。
そして、ニセコは高過ぎると国内投資家は言うが、世界的なリゾート地と比べると、まだまだ安い。
もはやニセコを国内マーケットだけで見てはいけない。世界中の富裕層がどう見るかで判断すべきだ。
ニセコを冬だけでなく、夏も集客できるようにアクティビティを増やそうとする動きもあるというがナンセンスだと著者は指摘する。
海外富裕層は、バカンスではあちこち観光はしない。コンドミニアムにゆったりと滞在して、食事やスパ、散歩などを楽しむ。
今後は、新幹線開通に、高速道路も開通する予定であるから、ニセコの勢いは、まだまだ加速すると著者は予想する。 -
東急、西武グループが作り、外資が拡充したニセコの遍歴。2030年札幌オリンピックの可能性と、
北海道新幹線の新駅開設等による成長ストーリー。今のうちに行っておかないと、どんどん手が届かない地になると感じさせられるニセコの未来。