Kindle版読了。
病弱な妹の身代わりとして「残虐非道な冷血公爵」と恐れられている公爵の元に嫁ぐ事になった、聡明で前向きな18歳伯爵令嬢ヒロインと、膨大な魔力を抑える道具として常に仮面で顔を隠している半魔の22歳公爵ヒーローとのすれ違いラブストーリーです。
人間と獣人とエルフと魔力が存在するファンタジーな世界が舞台です。
伯爵令嬢のヒロインですが、強い魔力を持って生まれた事で病弱な妹ばかりを家族は可愛がり、使用人のように扱われて育ちます。
しかし、素直で純粋な妹がヒロインを慕ってくれていた事で、ヒロインも妹を溺愛していました。
そんなある日、社交界で「残虐非道な冷血公爵」と恐れられている公爵ヒーローから伯爵家の令嬢に求婚する手紙が届き、ヒロインは妹の身代わりとしてヒーローの元に嫁ぐ事になります。
…あらすじから勝手に想像していたストーリーとはちょっと違っていました。
半魔のヒーローは噂通りに冷酷非道で、凌辱や殺戮を好む悪魔のような人物でした。
とにかく、ヒロインに対する父親と弟の態度がひどいです。
ヒーロー視点あります。
半魔であり膨大な魔力を所持する事で、本人も自覚ありの残虐な性格をしているようです。
「残虐非道な冷血公爵」と恐れられているけど実際は誤解だった…という良くある設定ではなく、本当に獲物と決めた人間を凌辱したり、気まぐれで残忍な方法で殺したりしていたそうです。
次の獲物として、たまたま目に付いたヒロインに求婚しただけだったのに、ヒーローの魅了に惑わされないヒロインに興味を持ち、惹かれていくようになります。
ヒーローがヒロインの妹に恋をしていると勘違いしたヒロインは、妹とヒーローを結婚させようと奮闘しますが、執着し始めたヒーローに囲われてしまいます。
しかし、後半でとうとうヒロインが身代わりの花嫁だとヒーローに知られてしまい、どんよりと重いすれ違いが発生してしまいます。
公爵家の使用人達にヒロインが好かれていたお陰で、ヒロインがメイド達に慰められて再び前を向こうと決意する展開が素敵でした。
ヒーローもまたヒロインが初恋で、初めての色々な感情に振り回され、生まれて初めて泣くという人間らしい体験をしていたのが何だか良かったです。
ラストはヒロインとヒーローが無事に仲直りしますが、伯爵家の事も中途半端で終わっているので、続刊が発売される事を願います。
ちなみに、WEB版は完結しているようです。
書籍だけだと伯爵家というか父親がざまぁされてない事もあり続きがめちゃくちゃ気になるので、WEB版を読もうかと思案中です。