100分de名著 フランツ・ファノン 黒い皮膚・白い仮面
- フランツ・ファノンはカリブ海のフランス海外県マルティニーク出身
- 沖縄本島とほぼ同じ大きさで平均気温は23~29℃
- マルティニーク出身の詩人・政治家のエメ・セゼールの影響を強く受ける。代表作『帰郷ノート』
- アフリカ諸国は19世紀の新しい植民地であるのに対し17世紀からの植民地
- 支配者の言語であるフランス語をきちんと話せるようになることで、フランス文化に「同化」しフランス人になることが植民地の黒人の目標
- ファノンはフランス語を使ってフランス人になるのではなく、自分であること人間であることを求めた
- 内面化される差別構造:植民地における文化的強制の力
- 古くからの植民地であるアンティル出身者たちは「白人」の側に属していると信じていただけに、セネガル人を野蛮人と思い込み差別的なまなざしを向ける。ニグロはアメリカに住んでいると信じている
- 「乳白化」の欲望:白い肌や青い眼に憧れるのは自分が劣っていると感じているから。自分の現存在を無化しようとする企て
- トニ・モリソン『青い眼が欲しい』:青い眼や白い肌に美を見出し、それを崇めさせるものは何か、どのような仕組みで機能しているのかを問う
- ユダヤ人と同じように黒人を作るのは他者のまなざし。疎外の経験
- ネグリチュード:自らのニグロ性を引き受け肯定すること。白人の理性の世界に対して、非合理の世界を対峙させること
- ネグリチュードへの疑念:二項対立は維持されたまま、黒人は永遠に理性と知性の領域から追放されたまま
- 弁証法においても、黒人はアンチテーゼのポジションに置かれ、経過であって到達点ではなく、手段であって最終目標ではない
- 植民地主義的思考は人種差別に裏打ちされており、他者に変化の可能性、未来を認めない。被支配者を知的にも精神的にも劣った存在であり、自分たちと同じような知的な理解力があるとは考えない
- 被支配者からは自由、可能性が徹底的に奪われている
- Que je n’ai rien a faire au monde お前はこの世界には用はない
- 一定の状況を引き受けたり否定したりすることのできる可能性こそが人間を人間たらしめる
- 社会構造は人間によって変革しうる
- 疎外されてきた患者たちの人間的価値を回復させること
- 他者と自らの人間性を共に尊重する状況に対してウイと言えること。それらを否定する状況には断固としてノンと言うこと。その自由、その可能性こそが人間を人間たらしめる
- 僕たちが問うことをやめたとき、世界は後退してしまう。「おお、私の身体よ、いつまでも私を、問い続ける人間たらしめよ!」