- Amazon.co.jp ・電子書籍 (527ページ)
感想・レビュー・書評
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人はどのようにして、ある行動を行うことを決断するのかがわかるようになる本だ。もう一つの『人を動かす』だといってもよいだろう。
本書は社会心理学者であるロバート・B・チャルディーニ氏が書いた、他人を行動に導く、すなわち影響力を与えるために重要なことについての本だ。具体的な事例は、説得のプロであるセールスマン、募金勧誘者、広告主、詐欺師、宗教家の世界からもってきており、どのように人は騙されるのかがよくわかる。そしてそれらの方法から共通する部分を抽出し、影響力を与えるための6つの原理にまとめている。それが返報性、コミットメントと一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性だ。
それぞれの原理の内容は実際に読んで確認してほしいが、自分、もしくは周辺の人間の事例に当てはまることがあまりに多くて驚くとともに、普段見かけるなにげない広告ですらこの要素に溢れていることがわかる。
今後自分が、重要な選択をする際の糧となる本だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人は何かしらのバイアスがあれば流れ易くなるって事だな。
それが五感だったり、肩書き等の権威、義理や情、大衆…
要は、あれなんだよな。魚釣りなんだよな。
匂い、味、動き、波動、大衆心理、音様々な事を使って魚をバイトさせる訳じゃん。
全部の魚に当てはまる訳じゃないけど、それなりに法則性は出てくる。
結局人間はじめ全ての生き物もこの程度なんだろうな。 -
とんでもない本を読んでしまった。。。という気持ち。なぜもっと早く読まなかったのか・・以前、あまりの分厚さに挫折した書籍。kindle本で音声読み上げを使って再読。面白すぎる。。返報性の法則の仕組みと社会実験が特に衝撃。1970年代初版という古い本だが、この本は全く色褪せずに今後も読み継がれていくことになるんだろう。名著。
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「欲しくもないモノを買わされてしまった」「怪しい儲け話に乗せられてしまった」
このような事態に陥る理由は何なのか?社会心理学の分野でロングセラーを続け、米国では社会心理学のテキストとしても使われている本書は、そのタイトル通り、人に影響を与え、人を動かすための心理を解説している書籍。
人間の行動の多くは自動的である。
「高価なもの=良いもの」といったように、標準的な原理に従おうとする。たいていの場合、それが最も効率的だからだ。生存戦略である。
こうした自動的反応の裏には、心理学的原理が働いており、それは、次の6つの基本的なカテゴリーに分類できる。
①返報性のルール:
他者から何らかの恩恵を施されたら、そのお返しをせずにはいられなくなる。(先にGiveを行う)
②コミットメントと一貫性:
一度決定を下すと、そのコミットメントと一貫した行動を取り、自らの決定を正当化しようとする。(日常生活ではその方が望ましいとされているから)
③社会的証明:
「他人が何を正しいと考えているか」に基づいて、物事の正否を判断する。ある行動をする人が多いほど、それが正しい行動だと見なす。(みんながやっているから。募金箱にあらかじめ小銭を入れておく)
④好意のルール:
自分が好意を感じている人からの頼み事は、受け入れる傾向にある。(外見、ハロー効果、類似性)
⑤権威:
権威者に命令されると、それに従うことが自分の利益になると思い、自動的に服従してしまう。(医師や教授)
⑥希少性:
手に入りにくくなると、その機会がより貴重なものであると見なす。(数量限定、最終期限) -
人は、思考の近道を欲している。これ自体は良いことであり、限られた時間の中で価値ある意思決定をするためには必要な意識であると思う。
ただ、急いでいる時、ストレスを感じている時、確信が持てない時、関心が持てない時、注意散漫になっている時、疲れている時に、人々は得られる情報が多いにも関わらず、断片的に情報を収集し、受け入れてしまう。「証拠が1つあれば充分だから承認しよう」という具合だ。
その状況下で、思考の近道を欲すると、影響力の武器を利用した悪質な人間に騙されたり、見当違いな行動をしてしまったりというリスクが大きくなる。
以上の出来事を避けるためには、常日頃から余裕の持った生活を送り、心にゆとりをもつことが必要だと思う。仕事中や休日で余裕をもつには、余白の時間、情報に触れない時間を持つべきと考える。やることが多い現代社会において余白の時間を設けることは難しいが、「時間を無駄にするかもしれない」という恐れを勇気を持って取っ払い、実行するしかない。 -
【XD推薦図書】
何かをもらったら、その人に対して借りを作ったと感じるのは、人間の本能である。
それはどのような原理なのか、それが社会でどのように利用されているのかがわかる本。
ユーザ理解の前提となる人間の行動原理を理解するのを助ける本。 -
脳科学や心理学、人間工学といた科学のエビデンスに基づく説得技術に逆らう術はなし・・・だまされていない!っと思っていたが、各所でやられていることに気が付いてしまい、社会ってのはあらためて虚構の世界だなと、当時、だいぶやる気がなくなった・・・
でも、絶対知っておくべき知識だ。 -
大学生のころから何度も読み返した本。広告・マーケティング関係の仕事をしているので、今でも読み返します。それくらい本質的というか、人間を理解する上で欠かせない一冊。
https://introbooks.info/business/influence_science_and_practice/