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感想・レビュー・書評
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「もう頬づえはつかない」は、当時、早稲田大学第一文学部文芸科の学生であった見延典子が、卒業論文として書いた小説。1978年11月に発行され、ベストセラーとなった。翌年、桃井かおりの主演で映画化もされている。
この小説が発売された当時読んだ記憶がある。私は1977年に筆者と同じ大学に入学したので、この作品が発売された当時は大学の2年生だったはずだ。筆者は私よりも何歳か年上ではあるが、ほぼ同世代であり、ほぼ同世代の私と同じ大学に通っていた女性が描く、主人公の心持ちの得体の知れなさに驚いたと記憶している。
今回、45年ぶりくらいに読んでみて、懐かしさは覚えたが、驚き等は感じなかった。主人公の女性に対して、痛ましさみたいなものは感じたが、得体の知れなさといった感覚は持たなかった。
当時は、このような話、および、大学生がこのような話を小説に書くこと自体が、ある種の驚きをもって受け止められた時代だったのだろうと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
70年代後半の、大学生の生活を淡々と描いている作品。タイトルと中身の関連性がいまだ理解できないものの、作品自体は面白いと思った。ずいぶんと風俗は変わったけれども、中身自体はそう変わらないのかなぁとも思ったり。(男同士の友情と言いつつ、しっかり妬み嫉みもある。子どものいる、いないでの優越とか)ただ、いまはある程度、予測ができないと動かない傾向もあるので主人公たちの生き方には
過渡期(90年代末)に大学生活を送った自分としては少し懐かしさも感じた。予測できないこともあるのが世の中だよなぁ、人と人の出会いも含め。 -
ずいぶん懐かしい。