自立生活運動史 社会変革の戦略と戦術 [電子改訂版] [Kindle]

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  • ・障害者は障害をもっているだけで、障害者当事者となるわけではない。「当事者主権」の中でも言われているように、障害者としてもたされているニーズは、本来社会が当然のこととして障害者に配慮して用意しておくべきものが用意されていないために、障害者がそのニーズを持たされている社会的問題であると気付いて、その社会を変革していこうと決意した時に初めて当事者となる。
    ・自立生活運動は本来全ての障害者が関係していることではあるが、重度身体障害者のみの運動とみられることが多い。そこで視覚や聴覚、精神、知的障害者を巻き込める運動の形態として、交通アクセス運動を全面に押し立てることにした。一般市民の理解を得ることも運動の戦略として必要。デモの呼びかけのチラシに、「お年寄りやベビーカーを押すお母さんも参加してください」と書かれていた。
    ・運動体でもあり事業体でもあるという二つの側面を兼ね備えた団体は、当事者の歴史の中でも例が少ない。
    ・要求なきところに福祉サービスなし
    ・組織に善意・好意は期待できない。組織は悪だと思ったほうが良い。だから運営委員の51%以上は障害者当事者であること、運営実施の中核に重度障害者を入れることは必須条件である。その人たちの生活が守られないときは、CILが解散するときである。
    ・運動体は継続性を持たなければならない。持続性を保つためには事業体を同時に動かして財政的な背景を保つ必要がある
    ・個人個人、みんなが運動に関心を持っているわけではないから、運動に関心をもたない障害者がいてもそれを認めて、その人の介助の面倒は見ようよ。その中に運動に参加してくれる人がいれば一緒にやればいいという考え方でした。
    ・知的や精神障害者は継続的な運動に従事することが難しい。まずは身体障害者がやらなければいけないと、論理的に考えた。
    ・地域住民全員が少しでも介助に携わってくれることが、障害者理解への最善の道。特定の20人が働くよりは、200名、400名との不特定の人が介助に参加してくれる方が社会は変わる。
    ・資本主義社会では、資本家になる以外に社会をコントロールする方法はない
    ・私は運動は1箇所、1個の拠点で繰り広げられても駄目で、全国津々浦々で当然湧いてくるように、みんなのもともとあった内発的な意思がそこに反映されていき、自然発生的に増殖するものではければならないと思います。だから今はひよっこでもみんなが、社会がそれを望んでいてそれが実現されていないのであれば、しかもそれが論理的に正しくみんなからの賛同を得られるものであって、かつサービスとして行政や企業が提供するよりもはるかに優れたものが提供される可能性があれば、世界中に広がるだろう。
    ・一人が100人を変えれば、次の100人は何万人を変えてくれる。そうしてアメーバのように社会が変わっていけば理想だなと思っている。
    ・ピア・カウンセラーの実績を測ることに意味はない。自立を数値化したらとんでもないことになる。
    ・まず人を支援する人を支援する。それが原則です。他の人の支援をしてくれる人は優先して、早く育成する。そうしたらその人が次の人を支援してくれるのだから。リーダーとしては倍の兵力を持てる。

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