ニムロッド (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ニムロッド。軽く読み進められます。

    <書評より>
    第160回芥川賞受賞作。

    それでも君はまだ、人間でい続けることができるのか。
    あらゆるものが情報化する不穏な社会をどう生きるか。
    新時代の仮想通貨小説!

    仮想通貨をネット空間で「採掘」する僕・中本哲史。
    中絶と離婚のトラウマを抱えた外資系証券会社勤務の恋人・田久保紀子。
    小説家への夢に挫折した同僚・ニムロッドこと荷室仁。……

    やがて僕たちは、個であることをやめ、全能になって世界に溶ける。
    「すべては取り換え可能であった」という答えを残して。 ……

  • 想像以上に読みやすくてびっくりした!仮想通貨の話と事前に聞いていて、難しそうだな…と勝手に遠ざけてたんだけど、予想していた内容と全然違かった。
    主人公目線の現実のお話と、ニムロッドから送られてくるメールが交互にくる構成が面白かった。
    思い返してみれば登場人物が少なかったな〜それが全体の不思議な印象に繋がってるのかも。あっさりとした語り口が好みだった。

  • 読みやすいし好きな文章
    ある意味分かりやすいメタファーだけど、全体としては分かったようなよくわからないような

  • 仮想通貨という現代的テーマにひきこまれた。
    構成もよく上品な仕上がりで芥川賞にふさわしいと思った。でも仮想通貨そのものへの興味は満たされなかった。考案者とも噂されるるsatosiの生涯も書き及んだら、感動がましたかな。

  • 仮想通貨をネット空間で「採掘」する僕・中本哲史。
    中絶と離婚のトラウマを抱えた外資系証券会社勤務の恋人・田久保紀子。
    小説家への夢に挫折した同僚・ニムロッドこと荷室仁。……
    やがて僕たちは、個であることをやめ、全能になって世界に溶ける。「すべては取り換え可能であった」という答えを残して……。

  • 文庫版が出たので。
    ちょうどビットコインの仕組みが知りたいなと思っていたから、読んでよかった。

    虚無から有をあることにするなんて
    まるで神のごとき所業だな、と感心。
    そういった空虚さを芯に
    人間も似たようなもんだろ、なんていうような
    ふわっと軽めの厭世的雰囲気で終始進んでいく。

    酒が入ると出るチックとか
    左目からしか流れない謎の涙の症状とか
    お守りの睡眠薬を確かめる動作とか
    癖のアイデアがリアルで素晴らしいなと思った。
    病院にいくほどでもない、
    他人には指摘されるけど気にするほどでもない、
    もしくは他人が気にしても指摘するほどではない、
    そんな曖昧な人のしぐさの描写が
    登場人物の「生きている」感に説得力を付与している。

    ラストは単純に、浮気をされてしまったということなんだろうか。
    残した言葉は不穏だけど両者で心中、というのは飛躍しすぎだと思うので。

    オチというオチはなくて
    強く訴えたいテーマを読みとる…という本でもなく。
    純文学だね~。

  • 賢い人間の悲しみは、太陽に近付きすぎた罰かも

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著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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