旧版刊行から11年が経過し、生物学の進歩が速い分野の細胞性物学・分子遺伝学・分子生物学について新版が出た。先ずは細胞性物学。
旧版では細胞から始まったが、新版では
1.生物学の意義、
2.物質の構造となる。化学結合と相互作用では、共有 結合(電子対の共有)・イオン結合(反対電荷の引力)・水素結合(水素と電気陰性原子の電気的引力)と、疎水性(非極性物質の負の作用)・ファンデルワールスの相互作用がタンパク質生成時に使われる。次に元素の電気陰性度。酸素の電気陰性度が非常に高いので、水が極性共有結合をして特異な構造と特別な性質を持つ。
3.タンパク質・糖質・脂質では生物にとって重要な官能基を学ぶ。そして20種のアミノ酸。生物は体の中で化学反応をおこして生きていく。
4.核酸は生命の起源。分子構造を学ぶ。RNAワールド説を採っているようだ。
5.細胞内では物質の分配が安易になされる必要があるので細胞は小さい。多細胞生物は無数の小さな細胞全体の大きな表面積によって、生存にとって必要な多くの異なる機能を遂行出来るようになる。真核細胞は細胞小器官が膜で囲まれた構造を持つ点で原、核細胞と異なる。核・小胞体・ゴルジ装置・リソソーム・食細胞・ミトコンドリア等を学ぶ。細胞骨格は細胞の形を維持し、細胞に運動をさせる。微小管はモータータンパク質の軌道となり、mRNA等の運搬に使われる。
6.細胞膜は脂質二重層だ。親水性領域の中に疎水性領域がある。物質は受動的過程により膜を通過する事ができる。非荷電分子はリン脂質二重層を透過し、それ以外はチャネルタンパク質やキャリアタンパク質や小胞を使う。膜につくタンパク質は簡単に移動する。
7.多細胞生物では情報伝達で各細胞をコントロールする。細胞は信号を産生し、自己細胞や隣接細胞や近くの細胞に選択的に影響を与える。受容体はATPを使う場合もある。