イスラム教再考 18億人が信仰する世界宗教の実相 (扶桑社BOOKS新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • もしかしたら分かり合えない人もいるのかも

    苫野一徳さんのvoicyで哲学を聞いていると、弁証法的に共通了解を見出していけば、相互承認していけるじゃないか、という気になっていましたが、もしかしたら、表面上は相互承認できていたとしても、ある時イデオロギーが発動して、相互承認できなくなる時がくるのかもしれないと思わされました。

    今の人権的概念では信じられないことも、かつては違い、そして、それが宗教として認められていれば、当たり前になってしまいそう。そして、虐げられている人もそれを受け入れたことで幸せになれた、とか言われると正当化してしまいそう。

    あるケースを全員がそう思っている、という全体の総意にしてはいけないですね。個別ケースは絶対にある。

    あと、全員がイスラム教になることが平和、という概念は正しいようで、やっぱり個別ケースを無視してますね。全員同じにできないから相互承認なのだと思う。

    進撃の巨人で、塀の中だけで生きていければ平和なのかもだけど、やっぱり外に出たいと思う人は出てくる。そんな時に出てもいいよ、と言えるような世の中にしていきたい。茨の道だと分かっていても、きっと止められないんでしょうね。

    人の好奇心は抑圧できない前提で社会設計したい。失敗したら戻っと来ればいいんだよ。

    そう思うと、関わらないという相互承認が大事なんじゃないかと最近は思っております

    和を以て貴しとなす
    その範囲とは!?

  • イスラム教再考 18億人が信仰する世界宗教の実相。飯山 陽先生の著書。世界でこれだけ多くの人に信仰されているイスラム教。イスラム教とイスラム教信者を正しく理解するためにはイスラム教のリアルを知らないと始まらない。イスラム教のリアルを知るためには誤ったイスラム像を捨てること。イスラム思想研究者である飯山 陽博士だからこその説得力。誤ったイスラム像を拡散させたイスラム研究者たちは研究者として恥ずかしくないのでしょうか。飯山 陽博士のような研究者こそ真の研究者なのではと思える一冊。

  • この本を読むと、イスラム主義・イスラム左翼の人達にドン引きします。

    「彼らが本当に守りたいのは自らの地位や権威、既得権益」と書いてって、納得ですわ。
    https://seisenudoku.seesaa.net/article/490667878.html

  • アカデミアが特定の立場の集団に占められてしまうというのは、日本ではどこでも見られうる状況と思うのですが、特に昨今のロシア研究界隈も含め、研究対象に心酔していくのは興味深いと思いました。
    内容に関しては特定の宗教だから過剰に警戒する必要はない物の、背景の世界に対する認識は一般人の考えるそれよりかなり大きいことを改めて認識しました。背景があるからテロリズムが起こるという言説には一定の理屈はあるものの、それを肯定していいのかと言えば別の話で。

  • イスラム教に関してはどのメディアでも聞こえのいい建前的な内容しか触れられておらず、個人的に非常に違和感を感じていたため、ヒジャーブや女性に関する価値観などは腑に落ちる点があった。
    イスラム教とイスラム主義を区別するとは言いながらも、さすがに若干偏りを感じる。

  • イスラム教について、いい話ばかりではなく現実を見てほしいという考えのもと、他の学者や著名人を斬りまくる一冊。
    もしかしたら他書には十分記載があるのかもしれないが、最終章を読むまで著者のスタンスがいまいちはっきりしなかった。それまで他の学者の論理をひたすら否定していたためだと思う。あまり否定をしたくないが、お金を払ってまで学会内の争いを見たくなかった…。
    個人的には郷に入っては郷に従う考え方は理解できる部分もあるため、その点について解決策も含めたより深い議論を見たかった。

  • イスラムをディスっているようにも読めるイスラム解説。しかしながら、コーランにある本質的な暴力的な記載や、一部のムスリムによる米国での差別的な事件は真実であるし、これらはしっかりと理解する必要がある。タブーに切り込んでいる。もちろん、大多数のムスリムは平和的だ。

  • 偏ってないかを考えつつも納得の一冊。

    ジハードとは。イスラム教徒イスラムの違い。コーランについて。イスラム国について。
    学びがたくさん。

  • 日本のイスラム教研究者は日本や欧米、そして現在の社会制度や国際秩序を批判し、それにとって代わるべきはイスラム教だと主張しているのは、ほんと著者のいうとおり不思議です。
    それはニュース番組やワイドショーのおける政治の扱い方にも似ていると思います。

  • イスラム主義は「冷たい鼻の駱駝」の一面を持つことは判る。他の日本のイスラム研究者との確執は、ちょっとエキセントリックで一方的過ぎる。そこが読んで面白い所でもあるが。

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著者プロフィール

飯山陽(いいやま・あかり)
1976年生まれ。東京都出身。イスラム思想研究者。アラビア語通訳。上智大学文学部史学科卒。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。著書に『イスラム教の論理』(新潮新書)、『イスラム2.0』(河出新書)、『イスラム教再考』(扶桑社新書)、『イスラームの論理と倫理』(共著、晶文社)がある。

「2021年 『エジプトの空の下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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