警部ヴィスティング 鍵穴 ~THE INNERMOST ROOM~ (小学館文庫) [Kindle]
- 小学館 (2021年3月10日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (381ページ)
感想・レビュー・書評
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警部ヴィスティングシリーズ邦訳3作目。
あらすじ
大物政治家が心臓発作で死亡。おそらく事件性はない。しかし、別荘には外国紙幣が大量につまった段ボール箱が見つかった。外務大臣関係?地元で起こった強盗事件関係?彼の妻はだいぶ前に稀少がんで死亡、息子はバイクの事故死。さらに地元では青年の行方不明事件もあった。まずは大金の出所捜査を任されたヴェスティングは、元大手新聞記者だった娘リーネ、切れ者鑑識捜査員モンテルセンをメンバーに、自宅を捜査本部として秘密裏に動く。
手堅いわー。北欧ミステリーって、主人公のプライベートがごたごたしていることが多いけど、ヴェスティングはそんなこともなく、いや、妻は亡くなっているが、隣の家に住む娘とともに捜査に集中。その分、事件の内容に焦点があたり、複雑な経過もきっちり追うことができる。ラスト、なぜ大臣が大金を隠したのかの理由や、突然の政治主義の転向なんかは、人間の心の奥が見えてぐっときた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白かった。最後が「えっ?」だったけど。
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ノルウェーの作家、ヨルン・リーエル・ホルストの作品、引き続き読んでみました。先日読んだ警部ヴィスティングシリーズの「カタリーナ・コード」の次の作品、「鍵穴」。
今作は、亡くなった政治家の別荘から見つかった大量の現金にまつわる捜査から始まる。そして、過去の複数の事件も絡まってどんどん謎が広がっていく、というもの。前回も捜査に巻き込まれたヴィスティングの娘リーネは、今回も巻き込まれて捜査を手伝うことに。そして、前回も出てきたクリポス(国家犯罪捜査局)所属のエリート刑事スティレルが今回も登場。
事件の真相が見えそうで見えないハラハラした捜査が続いて、気になって気になってあっという間に読んでしまいました。面白かった!
そして、ヴィスティングの仲間や娘たちとの信頼関係が気持ちよかった。
警察ものであり、ミステリーだけれど、人間ドラマとしての読み応えもありました。
解説で知ったのだけれど、カタリーナコードからの4作品は「未解決事件四部作」の予定だとのこと。前作で登場したクリポス(国家犯罪捜査局)所属のエリート刑事スティレルが、今回の作品でも登場してくるので、4作品とも彼が出てくるってことなのかな? スティレルにも過去の謎がありそうなので、4作品を読み終わると、それも暴かれることになるって構成なのかな。
そして、次回作の翻訳版が3月には発売されるらしい!
楽しみです! -
安定の渋さと読みやすさ。