9月9日9時9分 [Kindle]

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  • 小学館
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  • タイからの帰国子女である漣は、あたたかな両親や妹思いの姉と幸せに暮らしている。しかし、漣がタイにいた間、姉は夫から深い傷を負わされ心を病みんでしまっていた。そんな中、学校でたまたま出会った男子生徒と惹かれ合うようになるが、それは姉を傷つけた相手の弟だった。

    漣は、小さい頃から周りに大切にされ、健やかに真っ直ぐ育ってきたんだろうなと思える子。悪く言えば、真っ直ぐすぎて、歪んだ感情を知らない無垢な存在。
    ゆえに無自覚に人を傷つけてしまったり、想像力を欠いた発言をしてしまうこともある。

    しかし、恋人である朋治や複雑なバックグラウンドを持つ友人との出会いから変わっていく。

    一方を守るために他方に嘘をつくことの罪悪感、自分以外の事情のために自分の感情や思いを素直に表現できないもどかしさといった、大切な人たちとの関係の中で思い悩む漣の苦しさが彼女の成長に繋がっている。

    この先、漣の思いが報われてほしいと思うと同時に、彼女の周りの人たちもどうか幸せであってほしいと願わずにはいられない。

  • バンコクからの帰国子女である高校生の漣。
    両親と、夫のDVで離婚して出戻った姉と暮らしている。
    学校で気になった先輩に近づくが、彼は姉の元・義弟だった。二人は恋に落ちるが、DVのトラウマから抜け出せない姉にはそのことを告げることが出来ず…

    恋心の瑞々しさが鮮やかに描かれているけれど、お姉さんメンヘラ過ぎて怖い。放っておいちゃいかんのか。

  • 2021/04/23 NHK 中江有里のブックレビュー で紹介されたので、ぜひ読んでみたい。

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著者プロフィール

1979年福岡県生まれ。東京都立大学卒。2016年「西国疾走少女」で第15回「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞。2018年、受賞作を収録した『1ミリの後悔もない、はずがない』(新潮文庫)でデビュー。他の著書に『愛を知らない』『全部ゆるせたらいいのに』『9月9日9時9分』がある。

「2022年 『悪と無垢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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