読書大全 世界のビジネスリーダーが読んでいる経済・哲学・歴史・科学200冊 [Kindle]

著者 :
  • 日経BP
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感想・レビュー・書評

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  • 名著を広く知ろうと思って購読。

    本書は、購読前からの予想どおり、
    1つの書誌として使えばよいが、物足りない。
    タイトル負け、厚さ負けしている。

    1回は通読し、古典と呼ばれるものが
    ざっくりどういうことを書いていて、
    その後にどう影響しているかを把握しさえすれば、
    あとは、気になったときに辞書的に引けばよい。

    気になったのは、3点。

    1.名著が載っていない
    著者の選書眼でしかないので、
    まだまだある名著をカバーしきれていない点。
    著者はどちらかというと文系・社会学系
    だから仕方ないのかもしれないが、
    自然科学や、科学哲学における名著が欠けている。
    例えば、
    ・「目の誕生」(アンドリュー・パーカー)
     ←本書(読書大全)では、カンブリア大爆発について述べた「ワンダフル・ライフ」は掲載されているが、
    そのカンブリア大爆発がなぜ起きたかを論じた
    「目の誕生」が載っていないので、表面しかなぞっていないな、という感。
    ・「科学革命の構造」(トマス・クーン)
     ←あれこれ言うまでもなく載せるべき。

    2.本の内容の記述が浅すぎる
    概要を書いてはいるが、肝心の中身についての記述が浅すぎて、本屋のカタログみたいな感じ。
    もっと、中身のどこが肝だというハイライトや、
    後世への影響(少しは書いてある)に力点を置いて、
    それをまず見出し1行で書くとか、
    そういう中身にしてほしかったな。

    3.人類の知を全てまとめようとして企画倒れ
    著者は多読家なので、
    自分の読書経験が、あらゆる分野を網羅しているという自負はあるのだろう、
    本書の編集方針として、
    「人類が生み出した全ての分野の知を網羅し、整理する」
    という企画は、面白いと思う。
    しかし1、2で述べた通り、カバレッジが不十分
    (=広いが歯抜け)で、かつ個々の内容が薄いので、
    全体の印象として、
    著者の読書記録を少しだけ外向けにしたような本、
    あるいは、間接的に著者の書棚自慢の本
    と感じた。


    知をまとめるなら、例えば、
    ①分野の統合・消滅・生成を系統樹で書くとか、
    ②今後の知識体系の発展の方向性についての著者なりの考え
    がないと、単なるカタログで終わってしまうよな、そりゃ。

    私は、②については、
    すでに人類が生み出した資産(宇沢弘文の社会的共通資本である社会的インフラと制度資本に加え、
    AI・データ資本)がもたらす社会の帰結として、
    AIが人類を労働から一定程度解放するであろうから、
    人類の新しい幸福論・福祉論に関する知識体系が必要になると思う。

    また、歴史に学べば、別の大陸が目指されたように、
    惑星間航行に関する技術やテラフォーミングなどの宇宙工学、
    宇宙へ出る人々の新しい社会・資源配分に関する経済学、宇宙へ出る人々の人権・・・
    などの知の領域が発達していくと思う。

    ちょうどガンダムの世界だね。

  • 「ネットで名著100とか検索すればいいのでは?」という声も聞こえてきそうですが、私は著者のセレクトセンスとたった2ページで簡単に、そして数行の引用をしながら説明した内容に感謝したいです。何冊か読んでみよってなりましたし。
    ですが1番良かった点は「まともな人ってやはり多様なジャンルのまともな本読んでるし、読んでる数違うし、理解してるし、人と内容についてあれこれ議論もできそう。え?私?んー。簡単な本しか読んでないし読みながら内容全部忘れてる。あはははは。」ってことが再認識出来たこと。謙虚になれます。

  • 日経新聞を見て面白そうと思い手に取ってみた。
    宗教⇒哲学⇒自然科学⇒経済学 へと繋がる本=学問の流れが体系的に理解できる。今まですべては別のもの、別ジャンルの学問と思っていたが、すべてが繋がっていて現在にまで受け継がれている。数多くの本が溢れる中で、その書籍の俯瞰図、ロードマップが語れるようになる「読書大全」では無いかと思う。

    ====以下抜粋====
    「数千年の人類の歴史を味方につけることができる。」「重大な経営判断や経営危機に直面し、人生の岐路に立たされた時に、必ずや、一筋の光明になる。」まさに良き指導者は良き読書家である。ビルゲイツ、孫正義、マークザッカーバーグ、ウォーレンバフェット・・・

    論理的理性的スキルに加えて、直観的・感性的スキルがより重要になってきている。
    人類の歴史を振り返ると「幸せになるための道具として作ったもの(商品・貨幣・制度)が人間から離れ、逆に人間を支配するような疎遠な力として立ち現れてしまう」この繰り返し。神話・宗教から逃れるために、哲学が生まれ、そこから自然科学が独立し、さらに経済学が自立して資本主義が独り歩きを始め・・・「主客転倒」の繰り返し。自由民主主義と資本主義経済こそが人類に平和をと繁栄をもたらす唯一の選択肢。と思われたが、同時多発テロ、リーマンショックへ繋がる。中国・ロシアを巻き込むグローバル資本主義で格差問題、環境問題、パンデミックの問題を引き起こしている。

    「世界はどうしてできたのか、世界はなにでできているのか?」という自分を取り巻く環境への問いと「人間はどこからきてどこへ行くのか、何のために生きているのか?」という自分自身についての問いの2つに人間の問いは集約される。

    ①宗教と神話・・・虚構を信じる力
    ②哲学と思想・・・知恵を愛する
    ③経済と資本主義

    カテゴリー別に具体的な200冊の本の紹介も記載されている。

  • 教養書が体系化されている。手元に一冊あると便利。

  • 学問は神話や宗教から始まり、哲学、自然科学、社会科学と連綿と続いてきた歴史がある。
    共通キーワードは、「人間とはなにか」「人間を取り巻く世界となにか」

  • 紹介されている本は教科書に出て来るような歴史的な名著ばかりだが、その本が書かれた時代的背景や意義を時系列に沿って紹介してくれているのですごく分かりやすかった。これらの古典を読もうとするにもこれまで腰が重かったけれどもこの本が導入を作ってくれているので読んでみようという気持ちになった。

  • 網羅的に良書をマッピングしたすごさは分かる。紹介数が200と多いので「こういう意義があるよね/位置付けだよね」の確認にはなるが「こんな面白い本があるの!」という糸口になるには書評が短いので魅力が伝わりにくい

  • おすすめの本のまとめ。
    読んでみたい本を見つけることができる。

  • 2023.04.05
    私の読書力は12です。

    —ですがもちろんフルパワーであなたと戦う気はありませんからご心配なく…

  • 2023.03.03 Sさんから紹介

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著者プロフィール

多摩大学大学院特任教授、東京大学法学部卒業。元森ビル株式会社CFO

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