【電子版限定 本文カラー写真】藤井聡太の軌跡 ~400年に1人の天才はいかにして生まれたか~ [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 注:本レビューは,旭川高専図書館Webサイトの「私の推薦する本」に掲載した文章を,執筆者の許可を得て転載しています】

    この文章を書いている,現在,おそらく日本人で最も有名な19歳の一人が藤井聡太五冠だと思われます。今回,高専学生の皆さんと同年代ということもあり,プロ将棋棋士である藤井五冠の成長について記された本書籍を紹介させて頂きます。この文章を書いている2022年2月,19歳で日本将棋界における5つのタイトル獲得を達成したため,テレビニュースや新聞記事にて数多く取り上げられ,ご存じの方も多いかと思います。日本の将棋界には7つの大きなタイトルがあり,その中で5つのタイトルを最年少で獲得されました。このような現状を「藤井一強時代」とまでいうプロ棋士の方もおり,さらに,残り2冠のタイトルも今後獲得するであろうとも言われています。藤井五冠が,どのように将棋を勉強し,どのようにしてここまで強くなってきたのかについて,同年代の皆さんにはとても関心深いことと思われました。
    本書は,単に藤井五冠の最近の活躍や将棋内容(将棋の棋譜)を解析することに留まらず,小学生の頃に通っていた将棋道場の指導者の方へのインタビューや様々なエピソードが丁寧にまとめられています。特に,幼い頃,将棋大会に出場したが,優勝できずに負けた際,将棋盤を抱えて泣きじゃくっていたというとても印象深いエピソードが紹介されていました。また,藤井五冠ご自身が趣味と公言している「詰将棋」についても,とても面白くまとめられています。さらには,藤井さんが奨励会(プロ棋士一歩手前の方々の将棋リーグ)に在籍していた時代における人工知能(AI)を活用した将棋ソフトとの出会いについても紹介されています。本書の記述では,他の棋士と比べて将棋ソフトの活用がとても上手いと紹介されています。また,ご本人へのインタビューにもありましたが,藤井五冠はパーツを自身で選ばれ,パソコンを組み立てるくらいに詳しいとの紹介がありました。
    藤井五冠の活躍をきっかけに将棋を人工知能(AI)に解かせる問題として考えた時,関心のある皆さん向けに関連する書籍をおすすめさせて頂きます。
    「AI解析から読み解く藤井聡太の選択」谷合廣紀 著,マイナビ出版
    「人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?」山本一成 著,ダイヤモンド社
    1冊目の著者である谷合さんは,プロ将棋棋士であり,東京大学大学院の学生であり,プログラマでもあります。また,プログラミングに関心がある方が多く集まるカンファレンス(PyCon)等にて基調講演もなされている方です。2冊目の著者の山本さんはPonanzaという将棋ソフトウェアを開発された方です。さらに,書店等で検索すると,自分で将棋ソフトウェアを作る方法を紹介している書籍も見つけられるかと思います。ぜひ,人工知能(AI)に関心を持って,勉強を進めてみてください。また,藤井五冠のインタビューにおける「森林限界の手前」がインターネットのトレンドになる等,この書籍発売以降も藤井五冠の将棋は強く,さらに有名になっていくものと思われます。一人の将棋ファンとして,これからも面白い将棋の対局が増えていくことに期待しています。
    (電気情報工学科 笹岡 久行 先生)

    ▽配架場所・貸出状況はこちら(旭川工業高等専門学校蔵書検索)
    https://libopac3-c.nagaokaut.ac.jp/opac/opac_details/?kscode=004&amode=11&bibid=1010083232

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