どうしても頑張れない人たち―ケーキの切れない非行少年たち2―(新潮新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 「ケーキの切れない非行少年たち1」が衝撃的だった
    これも期待して読み始めた
    支援者の立場を応援する本として
    でもちょっと期待外れ
    同じことの繰り返しで……
    発達障害で傷ついている人への支援
    支援する人への支援

    こうした本でまず「知ること」
    それが大切だと思う

    ≪ 支援する 頑張れないから だからこそ ≫

    • アールグレイさん
      かよこさん morning !
      暑い日が続きますね!水分補給して下さいね。
      私は”自分が発達障害なんじゃないか“と悩んでいる人を知っています...
      かよこさん morning !
      暑い日が続きますね!水分補給して下さいね。
      私は”自分が発達障害なんじゃないか“と悩んでいる人を知っています。違うと思うのですが、何と言ってあげれば考えが良い方向へ向くのかと思っています。
      (・u・)>
      2022/08/09
    • はまだかよこさん
      アールグレイさん
      コメントありがとうございます
      息子が発達障害なので結構詳しいです(´∀`*)
      すごく幅が広くてグレイゾーンの方たくさ...
      アールグレイさん
      コメントありがとうございます
      息子が発達障害なので結構詳しいです(´∀`*)
      すごく幅が広くてグレイゾーンの方たくさんおられます
      だれでもある一面ちょっと気になるところありますものね
      相手の目を見てお話しできるなら違うと思います
      2022/08/10
  • ベストセラーとなった『ケーキの切れない非行少年たち』の続編にあたる。前著では非行の大きな一因として、子どもたちの認知機能の弱さを指摘した前著を興味深く読み、引き続き期待して本書を購読した。「頑張ったら支援します」というスタンスをとる支援者や外からの声に、「本当に支援が必要なのは、そもそも頑張れない人たちではないか」と違和感を覚えた著者が、そのような子どもたちをどのように支援するかを探っている。

    認知機能の弱さなどから生きづらさを抱える子どもたちを支援する立場にある大人に向けた助言となっており、医療刑務所や精神科病院に勤務した経験も披露しつつ、支援者に向けて様々な視点から心がまえや注意事項を提示する。「頑張らなくてもいい」「他人の評価は気にしなくていい」という昨今の一部の風潮には、あくまで頑張っている人たちに向けられた労いの言葉に過ぎないとして、そのような声を真に受ける姿勢に対してたびたび釘を刺すのが本書における特徴のひとつだ。

    非行の根本原因のひとつを鮮やかに導きだそうとした前著に比べ、様々なアプローチから子どもの支援方法を探る本書はいまひとつ焦点が定まらず、一部には著者からの提案のなかでも矛盾と思える箇所さえも見られた。著者の主張についても、「この社会は他者からの評価が全て」「頑張っていると評価されるかどうかは、極端な話、それがお金になるか、ならないか」と言い切ってしまうくだりには個人的に危うさを感じる。

    メインのタイトルからは「頑張れない人全般」を対象とした内容をも予期させるが、基本的には非行少年を対象とした前著を拡張、補足するものなので、読み手によっては期待を裏切られるかもしれない。直接子どもたちの支援に携わっている方にとっては、部分部分で参考になる箇所もあるかもしれないが、その他の一般的な読み手に訴えかけるところは少ないのではないだろうか。

  • 仕事に活かせるかなー。できなくて、頑張れなくてって人でも出来るような仕組みをつくるしかないのかなー。余裕がないとできなさそうだなー。

  • どうしても頑張れない人たち ケーキの切れない非行少年たち2 2021
    発行2021年4月19日
    著者宮口幸治

    著者プロフィール・・立命館大学産業社会学部・大学院人間科学研究科教授。京都大学工学部卒業、建設コンサルタント会社勤務ののち、神戸大学医学部医学科卒業。神戸大学医学部附属病院精神神経科、大阪府立精神医療センター、法務省宮川医療少年院、交野女子学院医務課長などを経て、2016年より立命館大学教授。 児童精神科医として、困っている子どもたちを教育・医療・心理・福祉の観点で支援する「日本COG-TR学会」を主宰し、全国で教員向けに研修を行なっている。
    職歴
    2016/04 ~ 立命館大学 産業社会学部・大学院人間科学研究科 教授
    2015/01 ~ 2016/03 法務省矯正局 交野女子学院 医務課長
    2009/01 ~ 2015/01 法務省矯正局 宮川医療少年院 法務技官
    2005/06 ~ 2008/12 大阪府立精神医療センター 松心園
    2003/06 ~ 2005/05 兵庫県立尼崎病院 神経科


    本書では前作ケーキの切れない非行少年たちに引き続き、世の中のあり方について考察している。それは一言で言えば、「頑張れないからこそ支援しないといけない」というものだ。
    人間の心理的な所では頑張っている人への支援と行きがちではある。しかし社会全体で考えた時にそれではやはり課題、問題があるのだ。

    印象に残った点

    頑張れないからこそ支援しないといけない

    (人間は)必要な内容だから理解してみようと思うのではなく、人は世間である種の評価がなされてから、初めて理解してみようと思うようになるのだということに気づきました。

    (子供が)求めている親は生きづらく困っている時に支えてくれる安心の土台、チャレンジしたい時に見守ってくれる伴走者なのです。衣食住に加えこの2つがあれば、頑張れない子どもたちもチャレンジできる人間に変わっていくのです。

    子供を支援する上で一番の効果的な支援は何かと言えば、その子の保護者にこの子の為に頑張ろうと思ってもらうことなのです。

    伴走者で大切なのは、近づきすぎず、離れすぎずといった距離感です。支援者もこのままで本当に大丈夫だろうかと不安になって、余計な一言をかけてしまうことがあったりします。

    これは精神科病院の外来でもよく感じたことです。うつ病の疑いのもと、通院しながら服薬していた女性の患者さんが、いい彼氏ができた途端にたちまち治って通院しなくなる、といったことは度々ありました。我々医師同士も彼氏が一番の薬だと言い合っていました。

    要は頑張れない人たちが何かに一生懸命に取り組んだ後に、それに対して適切なタイミングで心から声をかけてあげることが大切なのです。

    適切に褒めるということは本人が何をしていたのかを支援者が具体的に見ている所に意味があるのだと感じます。

    何でもないことをいくら褒めても彼らの心に響かない。しかし彼らが一生懸命やったことに対しては、心からの感謝の一言だけで響く

    やる気は達成+承認で生まれる
    *意味のある承認を 単なる言葉遊びでは時間を無駄にする
     テストの点が30点であることを無理やり30点も取れたとする等

    自己評価を上げるには、他者から評価されることが絶対に必要であることです。
    達成感も自信も、成し遂げたことへの周囲からの承認があってはじめて成り立つものです。
    成し遂げたこと自体から、ではないのです。成し遂げたことに対して周囲が言葉をかけてくれる、評価してくれることがないと、達成感や自信は出てきません。

    本当の意味での支援とは、その少年が期待通りに更生しようが、一方で期待に反して犯罪を繰り返そうが関係なく、ずっと支援をし続けることなのです。

    (支援者、伴走者は)大事なのはとにかく静かに見守る、この姿勢です。

    「人生から何を我々はまだ期待できるかが問題なのではなくて、むしろ人生が何を我々から期待しているかが問題なのである」夜と霧 ヴィクトール・フランクル

    いくらある仕事のために頑張るといっても、それが自分の人生にとってどんな意味があるのか、自分はそれをいったい何のためにやっているのか、社会にとってどんな意義があるのか、といった疑問は必ず生じてきます。安定した生活のため、給与のため、上司に言われたから、出世したいから・・それだけでは頑張り続けられないことは、現在、大学新卒の3割が3年以内に離職すると言われていることからも明らかです。目的だけでは、短期的には頑張れても、続かないのです。それが自分の人生にとってどんな意味付けがあるのか、自分の使命は何なのか、社会にとって自分のやっていることはどんな意義があるのか。そうした点について落とし所が見つかるまで、人生への模索は続くでしょう。逆にそこが見つかれば、フランクルの例を見れば分かる通り、時に死さえも超越して頑張っていける可能性だってあるのです。

    まずは子どもたちに好かれないといけない。自分も学校でそうだったけど、嫌いな先生にどれだけ正しいことを言われても聞きたくない。嫌だと思う。

    好かれるというのは決して、甘やかすとか機嫌を取るということではない。子供に笑顔で挨拶する、名前を覚えている、最後まで話を聞く、子供のやったことをちゃんと覚えている、そんな人と人との基本的な関係なのだ

    場違いな褒め言葉はやる気を失わせる

    とにかく話を聞いてあげるというのであれば、相手の話が終わっても、一切何もコメントしない方がいいくらいです。
    →話の途中で割り込んで自分の意見を話したり、説教したり、叱ったりと自分の考えを子供に押し付けているケースが多い

    「みんなと同じでなくていい」も支援者がよく使う言葉の一つですが、本人たちの心の底には「みんなと同じになりたい」という気持ちが必ずあると私は思っています。そういった彼らはできない自分に時間をかけて少しずつ折り合いを付けながら事実を受け止めていく過程を通して本来の自分の在り方を見つけていくことになるのでしょう。

    勉強のやる気がない、ということ自体が虐待の一つのサインであったりしますので、そういったケースは特に注意が必要です。つまり勉強のやる気がない子、頑張れない子がいれば、その背景にひょっとしたら虐待や養育環境の課題がないかの確認も必要になってくるのです。

    自分に不適切な誤りがあった場合、それを正したいという気持ちがもてるには、前提として正しく、自分の今の姿を知っていることが必要になります。自己の問題や課題に気づき、もっと良い自分になりたいといった気持ちがもてることが、変化のための大きな動機づけになるのです。しかし認知機能が弱く、自分には問題がない、自分はいい人間だなどと自己の姿を適切に評価できていなければ、自分を変えようという気も生じないのです。

    2022/08/15(月)記述

  • 「ケーキの切れない非行少年たち」の筆者宮口氏の著書 ケーキの切れない・・・2とタイトルにあるが、視点が支援者に当てられている。どのように支援したらよいのか、また、支援者をどのように支援したらよいのか述べられている。

  • 人は頑張る人を応援したがるが、本当に支援が必要な人は、関わると面倒くさい人だったりする。
    頑張れない人は、頑張れないから助けて!とは言ってこない。それどころか、支援者に暴言を吐いたりする。
    頑張れない人を支えようとすると、支援者の思いは次第に砕かれる。
    本当の意味での支援とは、安心の土台 伴走者となれるようずっと支援をし続ける事だ。

  • 「ケーキの切れない非行少年たち」の続刊、そして支援者側についても書かれた本。
    学習支援ボランティアに関心があり、支援者や伴走者の心得みたいなものを得られたら、と思って読んだ。
    「あなたが頑張ったら支援する」という報酬、「頑張れなかったら支援はしない」という罰は、本質からそれるものなんだよな、と実感。
    ただ寄り添えば支援になるわけでなく、長いスパンで考えとらえること、支援者としての自分自身をある種守ることの重要さも感じる。
    正直、簡単にできることではないと思うけど、本読んで最初から完璧に出来たらなんの苦労もないよなぁと思った。
    実際に動いて、本の内容を思い出しつつ実感しつつ、巻き込まれて転がって前進していけばいいのかなぁ。

  • これはかなり難しい。言われてることはわかるが、それをきちんと認識したり正しいであろう行動に移すのは大変。でもそういう事を知っておくだけでも必要かな

  • 『ケーキの切れない非行少年たち』からの2冊目。
    「頑張ったら支援します。」というメッセージから、見方を変えて、どうしても頑張れない人には支援がされないのかという点について考えていく。

    前回とは違い、非行を行った子ども達のその後が記されていたり、支援者としての視点から描かれている事が多くあった。

  • 「頑張る」ということはある程度の水準までいってこそできる、マズローの5段階欲求の考え方がすごくしっくりきた。問題児と認識される子を変えるには自分のコミュニケーションの仕方がかなり大事というのが強く思った。

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著者プロフィール

立命館大学教授、児童精神科医。一社)日本COG-TR学会代表理事、一社)日本授業UD学会理事。医学博士、日本精神神経学会専門医、子どものこころ専門医、臨床心理士、公認心理師。京都大学工学部卒業、建設コンサルタント会社勤務の後、神戸大学医学部医学科卒業。大阪府立精神医療センターなどに勤務の後、法務省宮川医療少年院、交野女子学院医務課長を経て、2016年より現職。児童精神科医として、困っている子どもたちの支援を教育・医療・心理・福祉の観点で行う「日本COG-TR学会」を主宰し、全国で教員向けに研修を行っている。著書に『教室の困っている発達障害をもつ子どもの理解と認知的アプローチ』『性の問題行動をもつ子どものためのワークブック』『教室の「困っている子ども」を支える7つの手がかり』『NGから学ぶ 本気の伝え方』(以上、明石書店)、『身体面のコグトレ 不器用な子どもたちへの認知作業トレーニング【増補改訂版】』『コグトレ みる・きく・想像するための認知機能強化トレーニング』(以上、三輪書店)、『1日5分! 教室で使えるコグトレ』(東洋館出版社)、『ケーキの切れない非行少年たち』『どうしても頑張れない人たち』(以上、新潮社)、『境界知能とグレーゾーンの子どもたち』(扶桑社)、『境界知能の子どもたち』(SB新書)などがある。

「2024年 『身体をうまく使えるためのワークブック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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