映画大好きポンポさん3 (MFC ジーンピクシブシリーズ) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • シリーズ6冊目、これで最終巻?▲伝説の映画プロデューサー・ペーターゼンが現役復帰。ポンポさんは、年相応に学校へ通うことに…▼冒頭のワイド画面で、うっわ主役はポンポさんと分かる。半分読んでの感想が、満を持しての『3』凄すぎる一体何が起こっている⁉前作の女学生軍団が登場してホンワカムードになるも、ジーンくんの脳内麻薬がどぴゅどぴゅ出ている描写が圧倒的で…本当に幸せそう「ポンポさんが映画を撮っるよ~っ!」から怒涛の展開、いつものドンが感動させてくれるのです「成功体験は創造の足枷だ」さすがポンポさん(2021年)

  • ジーン監督ダブルヘッダー巻。

    ペーターゼンさんが長年の夢を叶える(というか再挑戦する)ために映画監督に復帰、
    そのためにポンポさんが普通の学校生活(ミドルスクール)をし、
    そこでカメラマンとしての超才能を持つ同級生を発見して親を説得するために映画を撮る。

    ポンポさんって11歳なので日本で言えば小学生なのだけど通ているのは中等教育であるミドルスクールなのね。
    アメリカは初等・中等教育が地方に丸投げされているから場所によって教育制度が異なるらしい。

    ペーターゼンさんはコネとかでとんでもない好環境で撮影が可能。
    ポンポさんは超特殊能力カメラマンというとんでもない逸材で撮影が可能。
    そりゃ無理矢理でも両方を受け持ちたいよね。
    ジーンくんの「2」の出し方(手の甲側を相手に向ける)は外国では殺し合いに発展してもオカシクないと聞いたことがあるので危ない。

    才能の壁を突き破って、自身の書いた脚本がツマラナイものに見えてしまったジーンくん。
    コレ、『 MISTER 』や『 LOVE・Begets・LOVE 』の脚本を見直してもツマラナイと感じてしまうんだろうか・・・?
    と思ってたら、やっぱ駄作扱いでした。
    それは演者やスタッフに失礼すぎる。
    他者の時間や財産を奪って駄作を作ったことになる。
    ・・・のだけど、結局は気にしないのがジーンくんであるし、それを許してしまうのがこの物語なんだよなぁ。
    実際、途中で一瞬だけプレッシャーを感じているけどポンポさんが焚き付けている。
    まぁ、でも実は分からなくもない。
    自分で書いた文章、自分で構築したプログラムコード、自分で作った模型なんかを後で見返して「やっぱ最高の出来だ」なんて思ったことはないからね。

    《人物》
    ジーン・フィニ:
    映画狂い。
    『 Clip 』『 Fleurdelis's Salon de Ettenature 』の監督。

    ジョエル・ダヴィドヴィッチ・ポンポネット:
    通称ポンポさん。
    爺ちゃんの復帰のためにミドルスクールに通うことに。

    コルベット監督:
    超有能監督。
    ユーゲンさんを『 Clip 』の主役として紹介。

    ジョエル・ダヴィドヴィッチ・ペーターゼン:
    ポンポさんの爺ちゃん。
    自身の『 Heart Of Ghenna 』を超えるためにジーンくんに制限なしで制作依頼。

    マーティン・ブラドック:
    世界一の伝説の俳優。
    『 Clip 』のラスボス。
    『 Fleurdelis's Salon de Ettenature 』のラスボス。

    ユーゲン・マイルスジャック:
    売れない俳優兼レストラン・ダイナーの雇われ店長。
    『 Clip 』の主役。
    コルベット監督のおかげで、やっとチャンスが巡ってきた。

    ミスティア:
    人気女優。
    『 Fleurdelis's Salon de Ettenature 』の主役(フルールドリス役)。

    ナタリー・ウッドワード:
    田舎出身女優。
    『 Fleurdelis's Salon de Ettenature 』の主役(アイリス役)。
    ジーンくんにフラグが立ちかけてて危ない。
    よしたほうがよい、いや、よすべき。

    フランチェスカ・マッツェンティーニ:
    売れ始めた女優。
    『 Fleurdelis's Salon de Ettenature 』を企画、アイリスの友人役。
    スピンオフの『映画大好きポンポさん the Omnibus 』を読む限り、ダイナーのウェイトレスも続けているんだろうか?
    (忙しくてなかなか出られないけど。)

    カーナ・スワンソン:
    フランちゃんと同じ演技教室に通っていた女優。
    事前に脚本を強烈に読み込んで役を演じる役者を演じるタイプの女優。
    ジーンくんに「完璧すぎて全然面白くない」と言われて事前の脚本の読み込みを封印される。

    マーリン・ユーチノフ:
    脚本家。
    フランちゃんの『 Fleurdelis's Salon de Ettenature 』の企画書を脚本に仕立てる。
    『 Clip 』の脚本にも関わる。

    キャロル・ロンシュタット:
    コンポーザー(映画音楽を作る人)。
    『 Fleurdelis's Salon de Ettenature 』の音響担当。

    リーセル・パーカー:
    ポンポさんのミドルスクールの同窓。
    男装が似合う。

    レベッカ・ロンシュタット:
    ポンポさんのミドルスクールの同窓。
    キャロルの妹。

    ロザリンド・ソールズベリー
    女優志望。
    ポンポさんのミドルスクールの同窓。
    カーナちゃんと同一人物かと思ってた。

    マズルカ・クシジャノフスカ
    ポンポさんのミドルスクールの同窓。
    特殊な眼を持っており、このまま普通の将来を歩ませるは勿体ないのでポンポさんが引き抜きにかかる。
    堅実な考えと実績を持つ母親を説得するために『 Fleurdelis's Salon de Ettenature 』の撮影担当に抜擢。
    というか、そのために『 Fleurdelis's Salon de Ettenature 』が撮られることになる。

    ジャン・サヴァン:
    ケニス・ヒュッパー:
    アリュ・ラティーノ:
    サーベイ・カイゼル:
    ロマーノ・ギュバル:
    モブ有名俳優。
    『 Clip 』の登場人物。

    《映画》
    『 Laugh and be FAT 』:
    ジーンくん脚本の有名俳優を使いまくった俳優無駄遣い暴力映画。
    覚醒ジーンくんによって破棄される。

    『 Clip 』:
    覚醒ジーンくんが『 Laugh and be FAT 』に代わって用意した脚本。
    悪くて偉いヤツを殺していく暴力映画。

    『 Fleurdelis's Salon de Ettenature 』:
    邦題は『フルール ドリスの文学サロン』。
    たぶんフランス語タイトルは『 Le Salon de Flurredelis 』。
    フランちゃん脚本の映画。
    困難な時代に女性が勉強会を開いて地位の向上に立ち向かう過去と、それを受けて学問というものについて考える現在の女の子たちの物語。

    《施設》
    ミスティアゴロニャンピクチャーズ:
    ミスティアさんの映画スタジオ。

  • 良いね。
    創作論を語る漫画ってどうせ中身嘘っぱちなんで、いかに強い言葉でセンセーショナルな嘘を堂々と言えるかに掛かってる。少しでも遠慮したら負けだ。

    ポンポさん1か2くらいまでは完全に趣味で描いた漫画だけど、これはちゃんと編集の人がついて書いたお話で良い。

  • ジーン君「確立すべきスタイル……」「その……自分のスタイルとか定番の型をつくってそれをベースに見た目や味付けを変えたものを新作として発表するのって、こう……、クリエイターとして死んだ人のやり口なんじゃないですかね……」

    ペーターゼン「プラトーという言葉があってのう……」「勉強でもスポーツでも芸術でもゲームでもいい。人がその道を学び始めたとき、最初はグングン上手になるじゃろ?」「ゼロからのスタートじゃから、学ぶたびに技術と経験が次々と上積みされて上達する。上達するのが楽しいから、また学び、それでまた成長する。とてもよいサイクルじゃな」「じゃがどんな人でもある程度まで能力が上がると、どれだけ真面目にトレーニングをしてもまったく成長を感じられなくなる日が訪れる。技術的スランプではないぞ」「そういう成長の停滞をプラトーと呼ぶんじゃ」「何ヶ月も何年も必死の努力を続けて、それでもなんの成果も得られないとき、普通の人は自分の才能に見切りをつけてしまうじゃろう。じゃがごく一部の、達成感も習得の喜びもない空しい辛い修練を心折れることなく継続できる、執念深く忍耐強く強固な信念を持った人間は、ある瞬間、なにかのキッカケで『才能の天井』を突き破ることができるんじゃ」「しかもそれまで停滞期に積み重ねてきた努力の分まで一気に、爆発的に成長する」「有り体に言えば『覚醒』というやつじゃな」

    コルベット監督「君の同期はもう皆役者を辞めてしまったね。裏方に回ったり普通の会社に就職したり結婚して子供がいる人も大勢いる」「みんな頭のよい人たちなんだよ。役者なんていう博打な世界からさっさと足を洗って堅実で正しい人生を歩んでる」「なのに君ときたらどうだ。若い頃の夢に未練たらしくしがみついて、報われる可能性なんて限りなくゼロに近い無駄な努力を毎日続けて、見せる予定もない肉体を鍛えて……本当にどうしようもないバカな男だ」「だけど……愚直とはよく言ったものだよ。バカな人間バカな人間だけが到達できる頂に立てる。ようやく来たんだ、君の番が」「さあ行こう!ユーゲン・マイルスジャック!君の愚かな生き方が間違ってなかったと証明してやるんだ!」

    ペーターゼン「ジーン君の強みは視野の狭さじゃろうね。プロデューサーなんかをやってるといつでも先の先を見越して効率のよい仕事の仕方ばかり考えてしまうもんじゃが、それではやはりそれなりの平易な作品しか生まれてこない」「その点、ジーン君は本当に目先の……、いま目の前で行われている演技をいかに最高の形で撮るか、それしか見えてない」「非合理的で時間も金もかかる泥臭いやり方じゃが、だからこそ彼の撮るフィルムには熱がこもっとるんじゃろうな」

    ジーン君「すいません、どうにも要領が悪くて……」「昔からそうなんです。頭の回転が遅くて……」「学校の勉強とかも嫌いじゃなかったんですが、ノロマなので、板書を写しきる前に授業がどんどん先に進んで行く感じで……」「得意の映画でもそうです。だいたい一回観ただけじゃ理解できないからメモをとりながら何度も何度も繰り返しそのシーンの意味がわかるまで見直し続ける……」「物凄く効率の悪い鑑賞法ですが、おかげで攻略した映画のセリフやシーンや演出の意図なんかはほぼ完璧に頭の中に蓄積されてます」「スポーツでも遊びでもなにをするのでもヘタクソで理解が遅くて同級生たちの会話の早さについていけないから友達もできなくて、なおさら一人で映画を観るしかなくなってしまって」「でもそうして映画しかない生き方をしてきたからこそ、僕は曲がりなりにもこうして監督をやれてるんだと思う……」「だから僕は、自分が『センス』とか『才能』とかをなにも持たずに生まれてきたことにとても感謝してるんです」

    ポンポさん「いいかいジーン君、たぶんこれが私から君への最後のアドバイスになる」「思考にブレーキをかけるな!加速しろ!自分の限界を超える映画をつくればおのずと最高の作品が生まれる!」「君が好き勝手に編集することをたとえ誰かが咎めたとしても私が許す!ポンポさんが許す!だから君の映画で、君が世界を服従させろ!」

    ジーン君「まあ、どっちが良いかと問われれば……どっちも駄作ですね」「完成した瞬間はどちらも最高の作品に仕上がったと思ってたんですが」「後から見直すと粗ばかりが目について、というか、僕がいままで撮ってきたすべての作品が失敗作です。全部燃やして回りたい」
    ポンポさん「ようし!それでいい!成功体験は創造の足枷だ。現状に満足した瞬間に思考の深化は止まってしまう。自分をすべてぶっ壊せ。名声も実績もただの過去でしかないんだ。君が創造者である限り、常に新しい君であり続けろ!」

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著者プロフィール

漫画家。株式会社プロダクション・グッドブック所属。

「2021年 『映画大好きポンポさん3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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