[まとめ買い] 女の園の星 [Kindle]

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  • 和山やまは以前、「夢中さ、君に」を読んだが、なんだか掴みどころが分からなかった。それでもこの新作を読もうと思ったのは、分からないなりになんだか魅力を感じたということなのか。

    女子高で現代文を教える星。女子高の男性教師というと何やら役得が沢山ありそうで、そういう妄想を膨らませてくれるのかと思いきや、全くそんなことはなく、淡々とした毎日が描かれる。タイトルの「女の国の星」もこの教師の名前が星だからにすぎず、単なる事実を題名にしただけだ。

    では、何が描かれているのかというと、教師と生徒の間の距離感である。教師と生徒はお互いをまるで異生物のように眺めている。でも、全く分かり合えないのかというと、お互い感情を持った生き物だという程度には理解しあっている、というその独特な距離感。これは新感覚だ。

    それが何となく感じられたのは、星が漫研にいたことをしったある生徒が「エターナル・カオル」という自作の漫画を、講評してほしいと持ってくるエピソードあたりからだ。漫画のテンプレをこれでもかと詰め込んだB級劇中マンガに、思わず吹いてしまったが、こういうのは多分、漫画が好きで自分でも書いたことがある人なら、共感できるところなのではないか。

    2巻では星の観察日記をつける生徒、好きな店員に会いたいがために毎日隣町まで饅頭を買いに行く生徒、悩みに悩んだ末ペナントのロゴに「恐れ入ります」と書いてしまう同僚・小林など、等身大の愛すべき人物たちが次々に登場する。

    やっとつかめた。

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著者プロフィール

1995年生まれ。大学2年時に、「和山友彦(わやまともよし)」名義で応募した『優等生の問題』で、第67回ちばてつや賞一般部門入選。これを受け、読み切り『渚へいこう』が『週刊Dモーニング 読み切り増刊2016冬号』で巻頭で掲載された。2019年、コミティア127に頒布した同人誌『夢中さ、きみに。』がKADOKAWAより書籍化されたことで人気を博し、商業誌初連載となる『女の園の星』を連載する。2020年3月『夢中さ、きみに。』で、第23回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞。翌月には、第24回手塚治虫文化賞短編賞を受賞した。

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