ザ・テクノロジー 2030 マンガでわかる すぐそこの未来に備える最新技術 ザ・テクノロジー [Kindle]
- 幻冬舎コミックス (2021年6月29日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍
感想・レビュー・書評
-
「科学道100冊2021」の1冊。
未来に向けた技術を紹介するコミックス。
2年前に出ていたものの続編にあたるが、前巻を読んでいなくても特に支障はない。
とある高校の「未来技術科学部」。近い将来、日常に浸透すると思われる技術を深く研究していく部の部員たちが案内役。
部長は2年生の来栖。部員、一見部長に見える1年生の助崎。そして新米部員の新城。3人の漫才のようなやり取りで軽快にストーリーが進む。
フットワークの軽い部員たちは、最新技術の研究をする企業・研究所にずんずん突撃取材する。
読みやすい作りだが、取材がディープでマニアック。
コミックの後に解説もついて、結構突っ込んだ話も盛り込まれる。
この巻で取り上げられているのは:
・パワードスーツ
・培養肉
・天気予報&気候予測
・テック2021(*前巻で紹介したもののその後。ドローンやバイオ3Dプリンター、配膳ロボ、言語生成AIなど)
・テレイグジスタンス
・パーソナルモビリティ
・NFT(代替不可能トークン)
動きを補助するパワードスーツや、「分身」が別の場所に存在するテレイグジスタンスなどは、ザ・フューチャー・テクノロジーな感じ。使いようによっては身体障害のハンディキャップが相殺されるかそれ以上の効果がありそう。
セグウェイやキックボードなどのパーソナルモビリティも今後の発展が目覚ましそう。
天気予報の話がなかなかおもしろかった。気象事象は数式化されているものも多く、気温・湿度・気圧などのデータを入力すれば結果が得られるのだが、精度が高い予測をしようとすればグリッドを細かくする必要がある。一方で、データ測定点が多くなればなるほど計算量が膨大になり時間がかかる。早い話、明日の天気が知りたいのに計算に3日掛かっていたら話にならない。そのあたりは局地モデル・メソモデル(中間型)・全球モデル(広範囲)といったモデルを使い分けて対処していく。いずれにしろ、計算量が多いので、スパコンが使えればよいのだが、民間の予報会社などでは価格的に困難であるため、サーバーを数百台使って並列処理するのだそうである。
AIに過去データを覚えさせ、出てきた結果を気象予報士が検討するといった手法も取られている。
全般にオプティミスティックな(時に、「オプティミスティックすぎる」)未来予想だが、わくわく感があってなかなか楽しい。
ものによっては世界を根底から大きく変えるような可能性のあるものもあり、今後の発展に期待したいところである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いろいろな将来に向けたテクノロジーがオムニバス形式に紹介されている。
導入が漫画で、その後に文章でちょっとした詳細が記載されているので、子供向け(特に小学生中高学年)として楽しめる構成になっていると思う。
こういったメディアを通じて、子どもたちが未来に希望をもつきっかけになってくれればな〜、といち親といて思う次第。 -
刊行2021年時点でのトレンド6技術+前作取り扱った11技術に対する最新情報についてオムニバス形式で紹介している。
様々な事例や企業へのインタビューなどを絡めており想像より骨太な内容で満足。大人が読んでも普通に楽しめた。