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感想・レビュー・書評
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日蓮といえば『立正安国論』を書いた僧侶、ということしか知らなかった。
手紙が多数残っているということをこの本で初めて知った。
第一章の富木常忠夫妻についてのところで紹介されている尼御前への手紙はとても優しい。
病がちで、苦労も多い御前の気持ちに寄り添い、無理や不摂生をせずに心を安らかに保つようにと助言し、法華経の行者としての日々の努力を讃え励ましている。
無関係の私もなんだか読むだけで励まされているような気がする。
そのほかの章でも裁判、主君や同僚からの圧迫、所領横領への対抗などといった当時の厳しい状況のもと、どのように冷静に対応すべきかという助言あり、厄年についての質問回答ありと非常に興味深い。
女性が特に法華経を心のよりどころとしていた理由についても説明があった。
巻末の年表をみると『立正安国論』が書かれた時期は疫病が蔓延し、蒙古襲来、北条一族の内紛などが続き、教団自体も相変わらず厳しい弾圧を受けていたようだ。
人々の苦しみを、それぞれの日常に寄り添いつつともに解決をめざすような人だったのだな、と改めて思った。
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小説日蓮と法華経とは、のおさらいができた。手紙の地の文はまだ読めないが、脚注と一緒に読みこなしたいと思った。いつか再読したい。
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