ノワール・レヴナント (角川文庫) [Kindle]

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  • KADOKAWA
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感想・レビュー・書評

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  • 4人の特殊能力を持つ高校生が女子高生の死の真相を明らかにしていく物語。
    書影の印象からもう少しくらい物語を想像していたが、中身は高校生達の青春物語で暗い印象はあまりなかった。
    特殊能力持ちの設定で若干ファンタジー要素もあるが、本筋はがっつりミステリー小説。4年前の火事でなぜ”さっちゃん”は死んでしまったのか。黒澤孝介の目的は何なのか。彼らになぜ能力が与えられたのか。5日間という短い間で怒濤に展開されていきとても満足感が高かったです。
    黒幕である、孝介の最後の台詞はまだ続きがありそうな感じはする、この本が発売されてから12年も経過してるがこれから出る可能性もある為、気長に待ちたいと思いました。

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    大須賀駿:下野紘
    三枝のん:鬼頭明里
    江崎純一郎:江口拓也
    葵静葉:佐倉綾音
    真壁弥生:石見舞菜香
    ボブ:安元洋貴
    望月桐子:島本須美
    森重昭:大塚芳忠
    藪木:子安武人
    黒澤皐月/ノワール・レヴナント:早見沙織
    黒澤孝介:津田健次郎

  • ※注意事項※
    本書を電子書籍で購入しようとしている方、まず本屋で文庫本を探し、覚悟した上でご購入下さい。マツコ・デラックスさん並の威圧感を覚えることでしょう。

    以下は経緯と感想です。
    『六人の嘘つきな大学生』、『教室が、ひとりになるまで』で面白いなと感じた浅倉秋成さんのデビュー作と知り、たまたまKindleアンリミテッドの読み放題で見つけたため、詳細を確認せずにポチッと。
    で、Kindle端末で読み始めたのですが、なかなか頁の進捗率が進まないし、ページ数も表示されず「あれ、まさか?!」と私は第一の罠にハマってしまったことにようやく気付いたのです。
    その事実を認めたくない私は、翌日に大型書店で本作の文庫本を探し周り、ようやく出逢ったデブっちょに驚愕したのを今でも思い出します。(やっちまったぁ〜(泣))

    とはいえ、本作を読み始めた時点から、特殊な能力を持った4人の高校生が、とある偶然(必然)で知り合い、自分たちが集められた目的と共通点を理解し、たったの5日間で全てを完遂させていく怒涛の展開は、ハラハラドキドキで本当に楽しめました。

    好きな作家さんのデビュー作から辿りたくなるのは読書家あるあるかと思いますが、『かがみの孤城』で時の人になりつつある辻村深月さんのデビュー作『冷たい校舎の時は止まる』にも負けず劣らず、本作も中々に大作かつ良作でした。
    次に読む浅倉秋成さん作品は、ようやく『俺ではない炎上』を手に取ろうかなと思う今日この頃です。

    読み切った自分を褒めてあげたい!!

  • '24年1月21日、読了。Kindle unlimitedで。浅倉秋成さんの作品、二作目。

    浅倉さんのデビュー作だそうで…以前に読んだ「嘘つきな~」が、期待が大き過ぎて「ちょっとなぁ…」だったので、どうかな?と半信半疑で読み始めましたが…

    大満足、でした!面白かった!4人の高校生が、みな魅力的で、読み進めながらワクワクしました。
    「与えられた能力には、責任が伴う」という、その責任がなにかもわからずに謎に挑んで進んでいく4人…オジサンが眼を瞑りたくなるほどに、眩しかった!

    浅倉秋成さんに、感謝!他の作品も、トライしてみようと思います。

  • 特殊能力を持った4人の高校生が集められ…
    彼らに課せられた使命とは?

    ページ数は多かったですが、あまり気にならないくらい惹き込まれました。
    4人の高校生たちはキャラクターが際立っていて、魅力的で好きになりました。
    実際に江崎やのんが周りにいたら面倒臭いかもだけど…

    黒澤パパの目論見も、非人道的ではあるけれど全く分からなくもなかったかなぁ

  • 六人の嘘つきな大学生、俺ではない炎上を読んで浅倉秋成さんの作品が好きになった。
    文体も好み。
    先に読んだ二作品より評価は劣るもののデビュー作ということでそれなりに楽しめたし伏線回収がお見事だと思う。
    長いのに長さを感じさせない読み応え。
    サクサク読める。

  • 面白かったし伏線もあらかた回収されてるんだろうけど、なんだかスカッとはしない感じ。勿論検証したわけじゃなくそんな印象。
    伏線では無いし、読み直したら解説されてるのかも知れないけど、のんのカタカナ読みの癖はわざとらしい僕っ子ぐらいずっと引っ掛かりながら読んでたのと、敬称付けずに呼んでた…最初の登場人物のキャラもなんか引っ掛かりながら読んでた。

    物理的に長いのもあるけど、引っ掛かりながら読んでたから物凄く冗長に感じたかも。
    キャラの癖が気にならない人にはサクサク読めるのかな。

    • マメムさん
      初コメです。
      デビュー作なので私も読んでみたのですが、確かに長かった印象です。
      物語は数日の出来事なのに、私は読了に半月くらい掛けた気が(笑...
      初コメです。
      デビュー作なので私も読んでみたのですが、確かに長かった印象です。
      物語は数日の出来事なのに、私は読了に半月くらい掛けた気が(笑)
      2023/08/20
    • manndananaさん
      わりと人を選ぶ物語なのかも知れないですね
      わりと人を選ぶ物語なのかも知れないですね
      2023/08/20
  • 『嘘つきな六人の大学生』が気になっていた浅倉 秋成さんの作品がUnlimitedにあったので即読み始めました。
    デビュー作とは思えなかったです。なんとなく時代が少し前かなと思ったら、11年前の作品でした。
    とにかく凄い読み応え!Kindleでなかなか読んだ%が変わらないなーと思ったら納得、文庫版で768P (笑)凄いボリュームです。

    「普通じゃない」能力を持つ四人の高校生がそれぞれ大企業"レゾン電子"の企画と称して集められる。
    一見「普通じゃない能力を持つこと」以外何も共通点がない四人だが、物語が進むにつれなぜその四人なのかという理由と恐ろしい企てが明らかになっていく。

    序盤~中盤でなんとなく焦点となるテーマは見当がつくが、それがどう問題になっていくのか、"さっちゃん"とどうつながってくるのかなかなかわからなかった。情報の出るペースはとてもよく、じらされつつ、気になり読み、基本的にすべてはっきりする、割とスッキリとした読了感。

    細かいところへツッコミを入れていくとキリがないが (工場の破壊はあまり意味なさそうとか、云々)、物語の世界にスポッと入ってしまえば、あまり気にならなくなる。分量の割に辛くなかったのは著者の力量だな~ (個人的には最後のほうの青春感とかはあまり要らないなと思ったけど・・・偏差値の解釈は面白かったです)

    筆者が作り出したトランプゲーム『ノワール・レヴナント』、なかなか面白いなと思いました。
    フランス語の黒、ノワールと戻ってくるrevenirからくる蘇りを意味するレヴナント

    さて、一番読者に衝撃を与えるのは黒澤の企て及び彼の思想だと思う。
    そもそも、どうやって?のメカニズムは別として、ここまで体にインパクトを与えることは厚生労働省PMDAのOKが出ない限り現実には不可能なはずで、確実に倫理的にアウトだけど 、そういうツッコミはおいておいて・・・

    子供の有無というのはそもそもカップル本人たち以外の外野にどうこう言われ、決められることではない。
    子供を持つことが偉いとか、子供を持たないのは悪いとか、そんなの他人にどうこう言われることではないし、いう権利はない。なので子供の有無に正解不正解はないはず。

    黒澤が個人的に妻を愛しすぎて子供を愛せなく、彼の結論に達した。それはそれで彼にとっては正解なのかもしれない。
    ただそれが、「ほしいと思ったものは対価を払って手に入れるはずだ」という結論にねじれ、恐ろしい思いつきに至ったのは残念。
    実際に皐月が見た書類にどう書かれていたのかわからないが、なんとなく皐月の受け取り方は正直ちょっと極端じゃない??と思ってしまった・・・それともやはり実の親のそういう思想+それまでの親子関係を考えると妥当なのかな・・・
    それにしても火事が起きて、子を助けようとしないのは、やっぱりもう終わってるってことかな・・・

    黒澤が最後に大須賀に渡した青い飴玉(紙袋)、何個あったんでしょうね。

    kindleで読んでいてマークしたところを見返すと、多くが引用だった(笑)
    何故本を読むのかについての、のんの言葉はよかったですね。

    気になった点
    - のんの話し方が凄く苦手だった。でもキャラはだんだん苦手ではなくなった
    - 喫茶店の名前がブランシュ(白)なのは、何か意味があったのか?何かを示唆しているのか??気になる (何かアイデアがある方ぜひコメントいただけると嬉しいです)
    - なぜ四年間かかったのか
    - 文庫kindle版だと、各章のタイトルがみづらくて記憶に残らない
    - 日記が読みづらかった (文章レベルの割に所々難しい漢字はカタカナなのがまるで漢字テストを受けている気分(笑))
    - 製品 (飴) に名前を付けないと偉そうにいいながらモニターで「イタリアの"コントラッツィ"と呼ばれる~」と言っているのが後から思うとウザったい
    - やっぱり作用機序が気になる
    - イースト菌は発酵させるのであって、それ自身が発酵するのではない
    - 葵のあの男に対する最後の態度が煮え切らない
    - 黒澤夫婦の三か月のトライアル、結構意味不明・・・

    刺さった部分
    "私もいつか誰かと結ばれ、子供を授かることがあるのだろうか。だとすれば、私には決定的に「正しい家庭」に関する知識が不足している。どのようにして人は育つのか、どのようにして愛を知るのか、私は何も知らない"
    "好機に出会わないものはいない。ただ好機にできなかっただけだ (アンドリュー・カーネギー)"
    "偶然は準備のできていない人を助けない (パスツール)"
    "世の中には幸も不幸もない。ただ、考え方でどうにもなるのだ (シェイクスピア)"

  • 浅倉秋成氏のデビュー作。さすがに特殊設定ミステリの名手といえる作品。ただ、本格ミステリであるならば、特殊設定の中であっても、すべての謎を現実に帰着させてほしい。解決できていない謎が残っているのが残念である。

  • 楽しかった。長かったけど、その分楽しい時間も長かった。
    特殊な能力を与えられた4人の高校生が、ある少女の死の謎を追う。
    各々のキャラに好感が持てたんだが、のんが「あたし」と言うのには違和感を持った。全員別の一人称にしたかっただけっぽい。まあ、分からんでもないが…。
    4人が次に会うのはいつなのか、あれこれ想像してニヤついてしまう。

  • 『ふしぎな能力』をもつ4人。ふしぎな縁で出会い、謎と向き合う!!というシンプルなはじまりのミステリー。

    笑いあり、ドキドキありで、能力の活用方法も『どうなってくんだろう!?』って思う手に汗握る展開が続いて飽きずに面白い。かなりページ数があるが、私は結構あっさり読めた。

    あんまり深く考えずにサクっと『おおおおあの能力はここでこう活用するのか!!』って楽しんでしまうのが吉な気がする。考察しようとすると『ン?』となってしまうのでおすすめしない。与えられた能力とはいえ、色々予定調和すぎん?とか気にしなければ楽しい。

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著者プロフィール

1989年生まれ、小説家。関東在住。第十三回講談社BOX新人賞Powersを『ノワール・レヴナント』で受賞しデビュー。『教室が、ひとりになるまで』で推理作家協会賞の長編部門と本格ミステリ大賞の候補作に選出。その他の著書に『フラッガーの方程式』『失恋覚悟のラウンドアバウト』『六人の嘘つきな大学生』など。

「2023年 『六人の嘘つきな大学生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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