従順さのどこがいけないのか (ちくまプリマー新書) [Kindle]

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  • 筑摩書房
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感想・レビュー・書評

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  • 友達がブラック企業に長年勤めてて会うたびに愚痴ってるのに全然辞めないから、この本に解答があるかなぁと思って購入。
    しかし、異端と謗られてもみんなのために不正を暴く!みたいな表舞台の従順さの話で、真綿で首を締め続けられているような彼女の従順さへの解決策はなかった。残念。
    そして学術的な解説ではなく、映画や古い本の引用が多く、それを著者流の解釈を加えてまとめた感じの本でした。

    以下気になった本文を抜粋。
    >日本人の親はたいてい、子供に向かって「先生の言うことをよく聞きなさい=先生の指示に従いなさい」と言います。アメリカ人の親なら、学校にいく子供には「先生にはよく質問をしなさい」という方が一般的でしょう。

    >本来、諫言はリーダーに誤りを諌める忠告を意味し、過ちを改めないならリーダーへの忠義義務は消滅することも含意しました。ところが日本ではリーダー個人への忠誠義務が強調された結果、諫言はリーダーの過ちを糊塗する行為を意味することもあるのです。

  • 従順さが美徳であるという日本 従順であるということは、楽ではあるが精神的奴隷であると筆者は言う。共通善を求め、自分で選択・判断し、生きていくことにより、自分の運命を切り開き、自分自身を確立していく。大事である。

  • 従順さのどこがいけないのか。将基面 貴巳先生の著書。従順さは危険、従順さは怖い、従順さを評価するのは日本だけ。従順さよりも不服従、従順さよりも批判精神、従順さよりも独立心が大切。将基面 貴巳先生のお話に思わずうなずいてしまいます。従順でいるのは簡単なことで責任放棄も同然。不服従の覚悟がないといけない。

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著者プロフィール

1967年神奈川県横浜市生まれ。ニュージーランド・オタゴ大学教授。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。シェフィールド大学大学院歴史学博士課程修了(Ph.D)。ケンブリッジ大学クレア・ホール・リサーチフェロー、英国学士院中世テキスト編集委員会専属研究員等を歴任。専門は政治思想史。著書にOckham and Political Discourse in the Late Middle Ages(Cambridge University Press)、『ヨーロッパ政治思想の誕生』(名古屋大学出版会、サントリー学芸賞)、『言論抑圧』(中公新書)、『愛国の構造』(岩波書店)、『日本国民のための愛国の教科書』(百万年書房)、『従順さのどこがいけないのか』(ちくまプリマ―新書)等がある。

「2022年 『愛国の起源』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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