ちくま 2021年10月号(No.607) [Kindle]

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  • 最果タヒさんのエッセイ『厳しい世界』を読んだ。

    「厳しい世界、というものにうっとりしたくない。厳しくて、切磋琢磨するしかない、結果だけが物を言い、挫折があちこちに散らばる中で強く自らで歩き続けなければならない、という世界があるのは知っているし、それを選ぶ姿勢は美しいけれど、その様子を傍観者としてうっとり眺めたくはない。」

    という文章から始まるエッセイだ。
    (「最果からお届けします」より)


    歳を取ってから、頑張っている人を見ると泣きそうになることが増えた。
    ひたむきに頑張っている人たちの姿が眩しくて、心が動かされるのだと思う。
    彼らの努力を想像して思いを馳せ、「大変だったんだろうなぁ」とうっとりしてしまうことは、きっと私にもあった。
    そしてそういう自分に気づいたとき、己のちっぽけさに虚しくなったりもする。

    「それだけ頑張ったんだから、うまくいくよ」という言葉がずっと重荷だった。
    私のことを思って言ってくれているのも、うまくいくように願ってくれているのも分かっていたのに、そう言われるとつらかった。
    どれだけ努力をしても報われないことがあると知っていたから。
    でも私にそう言ってくれた人たちも、報われないことがあるのは知っていただろう。
    それでも、少しでも夢を見させてくれたのだと思う。

    「報われる」とはどういうことなんだろう、と考えた。
    結果が出なければ「報われない」のだろうか。
    そのときの私にとってはそうかもしれないけれど、ずっと先の人生から見たときに、それが本当に報われなかったのかどうか、分かるのだと思う。


    エッセイの感想というより、私の思ったことを書き連ねただけになってしまった。
    タヒさんのエッセイを読むと、思考が溢れて色んなことを話したくなる。
    そういうところが好きだなと思う。

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