リュウジ式至高のレシピ 人生でいちばん美味しい! 基本の料理100 [Kindle]
- ライツ社 (2021年12月3日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍
感想・レビュー・書評
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これを見ていると料理できない自分も料理してみたくなる。
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料理レシピ本大賞、書店を活性化 SNS・動画と書籍、共存共栄
2022/9/17付日本経済新聞 朝刊
書店員有志が中心となって運営する「料理レシピ本大賞」で、第9回となる今年の受賞作品が発表された。料理部門の大賞を射止めたのはリュウジ著『リュウジ式至高のレシピ』(ライツ社)だ。「構成に3年かけた」と語ったリュウジは2度目の栄冠で、チャンネル登録者325万人を超すユーチューバー。日々、料理動画を公開している。書籍と動画は可処分時間を奪い合うコンテンツともいえるが、近年のレシピ界では共存共栄が進んでいるようだ。
料理部門大賞となったリュウジさん(中)と版元のライツ社の大塚啓志郎社長(左)。右は賞の「アンバサダー」を務める天野ひろゆきさん(6日、東京都中央区)
「最も大きな変化はユーチューバーやブロガーの書籍が増えたことではないか」。賞の実行委員長を務める加藤勤ブックスタマ社長は入賞作の変遷をこう語る。確かに第1回・2014年の料理部門では、大賞に飛田和緒、準大賞が栗原はるみと、ベテラン料理研究家の著書が並んだ。一方今年の準大賞・Mizukiはブロガーで、大賞のリュウジ同様、SNS(交流サイト)で人気を博す。授賞式でMizukiは「(フォロワーの)みなさんからリアルな声を聞けることがありがたい」と話し、双方向のコミュニケーションでレシピを構築してきたという。
興味深いのはSNSと書籍が互いを引き立て、補完している点だ。『至高のレシピ』を手掛けたライツ社の大塚啓志郎社長は、動画の分かりやすさを評価したうえで「本として一冊にまとまっているとやる気になるし、使いやすい」と説く。細かい部分は動画で確認できるように、レシピにQRコードをつける工夫をこらした。読み込むとユーチューブに接続する仕組みだ。同書は受賞をうけて5万8000部を増刷し、累計9刷21万8000部と波に乗る。
書店では入賞作を集めたフェアが盛り上がり、昨年は4600店が行ったという。料理とお菓子の2つで始まった賞は今、こどもの本、エッセイ、コミックとジャンルを広げ、今年の入賞作は11に上る。賞を増やすと、威光を損ねるおそれはないのか。加藤社長は「レシピ本は現物を見て買う人が多い。入賞作を1カ所に集めることで、自分に合う書籍を選んでもらえる」と指摘する。大賞以外に目が向きにくい多くの文学賞と異なり、店頭で多数の選択肢を示すことが読者ニーズにかない、購買行動へつながるというのだ。
書籍というモノ、ネット、そして書店というリアルな場所の3つがともに潤う。レシピ本大賞がかなえるのは、現代版「三方よし」かもしれない。
(桂星子)
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