- Amazon.co.jp ・電子書籍 (693ページ)
感想・レビュー・書評
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エネルギーを巡る国際問題は、プレイヤーが多くてとにかく錯綜している。大国の覇権争い、資源国の思惑、宗教対立、グローバル企業の動き、テクノロジーの進展、そして環境問題。本書は、米国、ロシア、中国、中東の過去を紐解き、現状を分析し、自動車産業の動きや気候変動問題をも押さえた上で、エネルギーを巡る近未来を冷静に考察した大書。
エネルギー問題を通じて近現代史(政治史、宗教史、産業史、テクノロジー史など)をしっかり学ぶことがでた。イランと中東諸国の関係など、知らないことが多かった。
新聞記事やニュース報道で断片をインプットしても、全体の流れはなかなか掴めない。こういった書籍こそ読むべきだと感じた(日々新聞をしっかり読み込んでいるエリートビジネスマン風に書いてみました(笑))。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アメリカのシェール革命が変えた勢力地図、ロシアの資源外交、中国の南シナ海と一帯一路、中東の紛争の歴史、そして気候変動。あまりの面白さに500ページもあるとは思えないほどあっという間に読んでしまいました。エネルギーは自分の生活に直結する重要な話題でありながら、自分はこうも何も知らなかったんだな、と改めて驚きました。
世界に資源が偏在していて、そこに人為的な国境線が引かれている。その変えようのない状況が数多くの衝突と悲劇を生み出しているようで気分が沈みますが、本の内容は抜群に面白かったです。 -
中国、ロシア、中東、アメリカとそれぞれの資源立ち位置がよく理解できる名著。
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ロシアがウクライナに侵攻を始める前にもかかわらず、本書の内容はこの事態を予測していたかのような内容になってて興味深かったです。
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タイトルや著者の過去の著作からはエネルギー中心の話と思われたが、実際は、中東・イスラム、中国/シーパワー、ロシア、インド、気候・自動車(エネルギー転換の代表)の状況も概観しており、原題The New Mapがふさわしい。
まずシェール革命が米国を100年ぶりにエネルギー輸出国にした。エネルギー供給は米、サウジ、ロシアで安定していたが、気候問題、中国の経済と軍事台頭(特に東シナ海)、ロシアのウクライナ進出意欲、イスラム原理主義がグローバル化を揺るがしている。著者の意見としては、過去の軍拡競争に陥らず、対話をし続けることが重要としている。 -
ロシアによるウクライナ振興があってのレジームチェンジ、特にエネルギー安全保障の高まりを理解する上で様々な側面がまとまった一冊。非常に分厚い一冊だが、プーチンの大統領になるまでのバックグラウンド、ソビエト連邦時代から続くウクライナとの歴史的関係、ガスプロム社の位置づけなど新たなレジームを紐解く要素が散りばめられており、非常に参考になった
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ロシアのウクライナ侵攻を予見していたかのような一冊。米国の石油輸出国への転換、脱炭素への取り組みなどのエネルギーを取り巻く環境を地政学的な視点から体系化した一冊。迷わず5つ星です。