- Amazon.co.jp ・電子書籍 (458ページ)
感想・レビュー・書評
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正直なところ、後半に入るまではあまりの特殊設定の多さに疲弊してしまった。
だが、命を賭けたゲーム、「名探偵に甘美なる死を」をクリアしてからは一気に惹きつけられた。
犯人から投げ掛けられた壮大な問いは、とても印象深かった。
自分なら、その問いに一体どう答えたことだろう。
相変わらず方丈貴恵の作品は、読後感が清々しい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シリーズ3作の中で一番派手なトリック。至高のハウダニットを楽しめます。竜泉家シリーズ第4段が早くも楽しみです。
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VR世界の描写が夢物語すぎて、現在の技術とかけ離れてる。全く話に入っていけなかった。
プログラムである以上、VRの中で何が出来てなにが出来ないのかくらいあると思うんだけど、漫画かってくらいなんでもありでガバガバすぎる。
未来の話とかなら分かるけど、現代を舞台にしてるならもう少し現在の技術と照らし合わせたものにして欲しかった。 -
VRゲームと現実世界の二重解決物かつデスゲーム要素有りで、とにかく面白そうな要素を全部盛ってみました!みたいな設定盛り沢山の特殊設定ミステリ。
これ、シリーズ物なんですね。読み始めてから気づきました。
設定がかなり入り組んでいて、理解するのに最初ちょっと時間がかかりましたが、勿体ぶらずに中盤から少しずつ推理が明かされるので、ストレスなく読み進められました。
それにしても、表紙と内容が全然合ってない…この綺麗な表紙からVRゲームものだと当てられる人いるんですか… -
【ネタバレ無】【感想】
VR空間と現実世界での推理を強いられる探偵たち。
推理も反論もお互い探偵!?なので論破の鮮やかさに脳汁ドバドバ。
犯行〜推理⇒そしてまた犯行~…
絶妙なバランスとループで刺激が継続して満足度も高い!
既刊のシリーズを読んでいなくても気後れ無く楽しめました。
それでもシリーズ通して読んでみたくなる、過去への期待感。 -
3作目。VRを使った想像もしないトリックと、シリーズものならではの意外な繋がりとが上手くまとめられている。 VRだけでなくCOVID-19が実在するものとして描かれていたりと、今書かれるべきホットなテーマでもある。
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どうも僕が苦手らしいVR系のミステリ。
仮想空間でミステリゲームをして、その敗者が現実世界でも殺されるというルールのデスゲーム。
特殊設定ミステリの限界が露呈されるのが、VR系ミステリだと思う。なぜなら、読者が推理するためには、手がかりとロジックが必要なわけだが、ロジックは現実世界の常識に基づいている。VR系ミステリでは、この常識がほぼ通用しない。したがってよほど周到に、「この仮想空間ではどのようなことができ、どのようなことができないか」が説明されない限り、読者は推理することさえ、難しくなる。
しかも仮想空間である限り、それはプログラミングされてできているはずである。たとえばこの作品では、仮想空間内の毒殺や気圧の変化ということが論じられるわけだが、普通に考えて、プログラマがそんなことを設計するとは考えられない。かりに毒物が毒として働くようにプログラムしたとしても、それは現実世界において人体に働く仕組みとはまったく異なるものとなるはずだ。気圧の変化についても然り。しかし名探偵であるはずの登場人物たちはなぜかそのことを無視して、現実世界の常識に基づいて議論し続けている。
と辛口の評価をしたようだが、細かい不満点に目をつむれば、読後感は良い。この作家は、読後感の良い作品を書くのがうまいようだ。最後に出てくる真犯人がシンボリックに右目を覆い、その狂気と悪が断罪される様は痛快でもある。
次作も楽しみだ。 -
2022/01/31