13歳からの地政学―カイゾクとの地球儀航海 [Kindle]

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  • 東洋経済新報社
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感想・レビュー・書評

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  • 世界の中心はどこか?と考えさせられる内容でした。小さい国は大きい国に領土を奪われない為に外交をしないといけない。日本に住んでいると周りに隣国がなく海に守られているのがどれほど恵まれているかがこの本で知れました。生まれた瞬間にどこで生まれるかによって戦争に巻き込まれたり、国がなくなったり、苦しんでいる人達がたくさんいることをしれてとても勉強になりました。

  • 最初は世界の知らない知識を知る本なんだと思っていたが物語が兄弟のやり取りと海賊の掛け合いもあり最後の方は少しのめり込むように読んでしまった。地政学については私自身ほとんど知らないことだらけでもっと世界の事を知るべきだと思いました。この本の一番良かったのは海賊の最後の質問、私は妹と答えが一緒でしたが兄のような答えもあるんだというのもしれて良かった。いろんな人の考えや事実を自分なりにしっかりと整理しないと間違った情報で人を傷つけてしまうこともあると感じたし、みんな幸せになりたい中で自分だけじゃなくて少しだけ周りに幸せをおっそわけする気持ちでこれからの毎日を送りたい。まずは身の回りの家族から始めていきます

  • 本屋さんで平積みされていて気になったタイトル。

    この本素晴らしいです!子供も大人も役立つと思います。

    世界の「パワーゲーム」の現実を、分かりやすく解説してくれています。昔、昔読んだ「大国の興亡」を彷彿とさせられました。

    核廃絶やカーボンニュートラル社会実現等のグローバルな理念は重要である一方、世界各国は「建前」と「本音」を使い分けながら、しのぎを削っている様子を生々しく語ってくれています。

  • 地政学の入門編のようなもの。知らないことがたくさんあった

    排他的経済水域は深さも関係してくる
    日本がなんと4位

    原子力爆弾は、潜水艦に積んで海に隠す。動き回る

    民族問題、ウイグル、チベット、自治区

    アフリカが貧しいのは政治家によってお金が海外に流れているから

    ↓メモ
    実は世界中の貿易は9割以上が海を通っている。つまり船で運ばれている。特に日本は海に囲まれた島国だからその比率が高くて、99%が船による貿易だ

    世界の貿易の8割で使われる通貨はドルだ。そしてそれは、アメリカが世界で最も強いからだ。軍事力で圧倒的に強いことほど、強い信頼を与えてくれることはない。

    「排他的経済水域という言葉は学校で習ったね?」「はい。自分の国の陸地の近くの海のことで、そこで獲れた魚や海底の石油を独り占めにできる、縄張りのようなものですよね」

    これを立体的に考えてみると、自分の排他的経済水域にある海の深さが深ければ、その分自分の縄張りも大きいことになる

    正解は4位だ。日本の近くにはたくさんの深海がある。水深6000メートル以上の深海だけをみると、世界で最も大きい海水体積を持っているのは日本だという報告もある

    すでに日本には外国人労働者が160万人以上いると言われている。

    潜水艦だ。原子力で動く潜水艦は、何か月も浮かばずに海の中をもぐっていることができる。それに、静かにいつも動き回れるので、地上よりもずっとうまく隠れることができる。そして、いざとなった時に潜水艦に積んだミサイルを、海の中から発射できるようにする

    このオホーツク海は、水深が3000メートル以上でとても深い。それに、奥まった湾のようになっていて、ロシア以外の潜水艦が入れないようになっている。ソ連の時代から今にいたるまで、ロシアはここに原子力潜水艦をもぐらせてきた」

    南シナ海だな。まさにそうだ、中国が原子力潜水艦を隠すのならば、ここしかない。ここは平均の深さが1000メートルを超えていて、最も深いところは5000メートルの水深がある。だが、ここはどんな国の船でも自由に入ってくることができる国際的な海で、アメリカ軍の船も入ってきている」「だから、南シナ海を自分のものにしたい中国が、他の国ともめているということでしょうか?」「その通り。

    クリミア半島だ。沖縄の10倍以上の大きさのこの半島は、最近までウクライナのものだった。だがロシア軍が占領して、自分のものだと宣言した。

    でも、誰もロシアにクリミアを返すよう強制しようとする気はない。日本のどこかが中国に取られてしまったら、それを取り返すためにほかの国が何かしてくれるかというと、それを期待するほうが間違っている」

    そういうなにもないところから、国と国を勝手に出入りできちゃうじゃない」
    壁とかフェンスでずーっと区切られてるの?」「いいや、実はほとんどの区間にはなにもない。ぽつぽつと国に出入りできるポイントがあって、旅行者たちはそこを通っていくことになっている。

    ロシアと中国、この二つの国は、多くの民族を抱えている。ロシアは190、中国には56の民族が

    そうだ。新疆ウイグルとかチベットといったところは、歴史上中国の一部でなかった時期も長かった。だから、こういう地域ではなおさら政府への反発が強くなりやすい。

    1人当たりで考えるとGDPは日本の20分の1、つまり豊かさが20分の1だ。世界でアフリカほど貧しい大陸はほかにはない。

    「アフリカが貧しい最大の理由、それは国のお金を、政治家が海外に流しているからだ」

    ヨーロッパやアメリカの有力者が、アフリカの政治家のお金の持ち出しや浄化に協力し、自分の国にお金が流れるようにする。そのようにして、天然資源を掘り起こしたりして得たアフリカの莫大なお金は、いまだに先進国に流れているんだ。その額は、累計で100兆円を超えるとの研究もある」

    差別やいじめ、不正をなくすことに効果的なのは、関心を持つことだ。

    実態をみんなが知れば、ヨーロッパやアメリカの政治家たちにそれをやめさせるように圧力をかけることができるだろう。

    アメリカは建国以来、本土が外の敵に攻められて占領されたことがない。アメリカほどの大きな国を攻め落とせるくらいの大船団を作って、大きな海を越えてくるのは難しいからだ」

    「農産物を外国に売っている額で、アメリカは世界一でしたよね。これもいい気候のおかげでしょうか?」
    石油や天然ガスといった天然資源も豊富で、美しい自然も豊かだ。

    しょっちゅう攻められてしまう半島には、主に3つの特徴がある。一つ目は、大きな国と国の間に挟まれていること。二つ目は、ほかの国との境目に川や山など、大きな自然の障害物がないこと。三つ目は、豊かな資源や農産物、便利な港といった貴重なものがあることだ」

    三方を海に囲まれているので、陸側から攻められると逃げ場がない。

    日本は大国だ。強者の側だ。

  • 地球に中心はなく、宇宙から地球を俯瞰するイメージで全体を眺める必要がある。もしくは、すべての人が「自分(自国)が地球の中心だと思っている」ということをいつも意識すること。

  • 最近の地政学的危機に、自分の無知さ・能天気さにショックを受けたので、まずはここからと読んでみた。

    まず日本が「強い国」であるという意識がなかった。
    日本は小さい島国で、敗戦国で経済成長も下火になって…というイメージだった。
    実際は深い海があるため3D観点だと領域は広いこと、今でも十分経済大国で、侵略された過去もないこと。
    母国語しか話さないというのは、外で商売をしなくても生きていける、豊かな国であるということ。
    そして、そういう国は世界で極小数だということ。

    なので世界から見ると、日本は強者の視点を持つ、元いじめっこの国だということ。
    確かに、同窓会にいじめっ子が来て”当時謝ったんだし昔の話じゃん?”とか言われたらムカつくかも。

    核を持つだけなく、原子力潜水艦を隠せる深い海を持たないと、実際の力として使えないのも知らなかった。
    中国の南シナ海への無理な執着も、理由があるのがわかった。

    日本の「遠交近攻」は、アメリカと中国が不仲だからこそ成り立っている。
    一見協調して見えた世界も、実際は損得勘定や差別・搾取で動いているというのは、人間に絶望してしまいたくなる。
    でも、今日の当たり前は明日の当たり前でない、それでも自分の視点と他国の視点は違うと知って、相手の事情を知って考えるようになれば世界は変わるかもしれない。
    いい本でした。

  • さらさらっと読めて、よきでした。
    知らなかったこともあり、おもしろかった。

    地理が政治に与える影響という観点。
    地理と国際関係がつながる。

    勉強って楽しいよね。

    アフリカにいると、日本では感じられなかったであろういろんなことが実感を持って読めてまたよかった。まじタックスヘイブン。

  • 今の世界の状況をわかりやすく教えてくれる
    会話調の地政学。
    きっと知らないこともあるでしょう。
    今読んで欲しい一冊。

  • 子供向けに書かれた本だけど大人の私が読んでもめちゃくちゃ勉強になったー。
    中国が日本を含めた色んな国と領土問題で揉めてる理由、ちゃんと理解してなかったわ

  • YouTube大学

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著者プロフィール

田中 孝幸(タナカ タカユキ)
国際政治記者
国際政治記者。大学時代にボスニア内戦を現地で研究。新聞記者として政治部、経済部、国際部、モスクワ特派員など20年以上のキャリアを積み、世界40カ国以上で政治経済から文化に至るまで取材した。大のネコ好きで、コロナ禍の最中に生まれた長女との公園通いが日課。40代で泳げるようになった。


「2022年 『13歳からの地政学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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