- Amazon.co.jp ・電子書籍 (78ページ)
感想・レビュー・書評
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金原ひとみの(蛇とピアス)に感情移入できる方には好きなテイストの物語だ。コンクリートジャングルに育ち、すぐに、保育園に預けられ、父母や、祖父母や兄弟たちと接する時間が圧倒的に少なく、勿論、近所のお節介で温かい人々や、人として尊敬できる学校の先生にも出会ってこなかったような、そんな(個)として育ってしまった人達の物語に思えた。それは、まだ身近に大きな木や鳥の巣や野良猫とかがいて、土の臭いを知って育った世代とは解離する、全く別の新人類の住む世界だ。この登場人物はみんな(個)でしかなく、繋がりという救いがない。芥川龍之介や太宰治達が書いた孤独とは全く違う、新しい孤独。私はそこに、新しい文学を感じた。
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より自分らしくなるために。
男や女は関係ないのに、まだまだ縛られる。
性差って何でしょうか。 -
痛そう…と顔をしかめながら、サクサク読み切ってしまった。性自認が定まらず戸惑っている状態。でもデリヘルに電話するときはすごく明朗な様子だし、超ドライな面もあったり、多面性があって結局どんな奴なのかよくわからんなと思った。けどとりあえず、傷ついたときに連絡できる友達がいるから、この子は大丈夫だと思えた。
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女装を通して美を考える男子大学は自他の性によって翻弄される。
女性なら嫌でも経験する美醜と生きづらさの問題に性が絡みつき、消費し消費されながら生きていく葛藤が苦々しくも身近に感じられる。豊かな観察眼と水を飲むようにスルスル読める文章が素晴らしい。 -
女装をするのが趣味の男の話
短くて読みやすかった
女装をする人もデリヘルを呼んだりするんだと思った。