40代からは「稼ぎ口」を2つにしなさい――年収アップと自由が手に入る働き方 [Kindle]
- ダイヤモンド社 (2022年3月29日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (270ページ)
感想・レビュー・書評
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急激な環境変化による社会保障制度の先行きが不透明な中における、副業の有効性がわかる本です。
相次ぐ法改正で、年金の受給年齢が上がり、医療費の公的負担割合も下がるなど、先行きが不安になることも増えているようです。
そんな中で、給与所得者にとっての副業は、将来を安心なものにするための有効な手段としての価値が高まっていると感じます。
どんな副業なら問題ないのか、どういったビジネスが無理がないのか、その始め方などを教えてくれます。
視野が広がり、経営者思考で物事を見ることができるようになり、本業などにも相乗効果が出るメリットもありそうです。
副業に興味があるが、会社に何か言われそうと躊躇していたり、始め方がわからないと悩む方などが、その解決のヒントが得られる1冊ではないでしょうか。
【特に覚えておきたいと感じた内容の覚え書き】
「相次ぐ法改正で、生まれ年が1970年代なら70歳前後まで、1980年代なら75歳前後まで年金をもらえないし、65歳以降は会社に再雇用の義務もない。無収入となる5年ないし10年を自力で乗り切るしかない未来では、本業以外の仕事をする必要がある。これからは自分で自分を守る時代。」
「副収入が年間300万円以下なら雑所得扱いで、そもそも副業にならない。節税すれば確定申告も不要。あとで後悔するくらいなら、まずお試しでやってみる。副業の選択には注意する。基本的に、『物販』『賃貸』『情報』の3つのビジネスしか成功しない。」
「会社のためでなく、稼げるライフワークのために生きる。時間を買う人だけが裕福になるので、売らないこと。自分に投資するとよい。副業がうまくいくと、視野が広がり、知見も増え、経営者マインドも身につくので、本業もうまくいく。」
→就業規則違反とならなくても、会社の中で立場が悪くなるといったリスクは当然ありますが、メルカリなどの物販や不動産経営などは、実際にやっている方も多いように感じますので、何かできそうなことを考えていくのは、視野を広げる点でもよいと思います。特に、経営者思考が身につけば、本業にも役立ちますし、プライベートでも意思決定が早くなり、時間を有効に使えるなどのメリットがありそうです。
【もう少し詳しい内容の覚え書き】
・相次ぐ法改正で、生まれ年が1970年代なら70歳前後まで、1980年代なら75歳前後まで年金をもらえないし、65歳以降は会社に再雇用の義務もない。無収入となる5年ないし10年を自力で乗り切るしかない未来では、本業以外の仕事をする必要がある。これからは自分で自分を守る時代。
・副収入が年間300万円以下なら雑所得扱いで、そもそも副業にならない。節税すれば確定申告も不要。あとで後悔するくらいなら、まずお試しでやってみる。副業の選択には注意する。基本的に、「物販」「賃貸」「情報」の3つのビジネスしか成功しない。・
○なぜ「稼ぎ口」を2つにするのか
・事業所得に満たない雑所得規模の仕事は「副業ごっこ」。遊びではないが、「興味ある仕事を疑似体験」するという意味では似ている。会社はそもそも副業を禁止できないので、過去の裁判の大半は会社側が敗訴しているし、ごっこ程度の雑所得では就業規則違反にはならない。
・「反復継続性」と「事業的規模」の2条件を満たさなければ、雑所得として扱われるので、「副業」とはいえない。
・給与が10万円昇給しても税金や社会保険料で半分近くが持っていかれる。副業ならそこまで持っていかれないし、定年後も続けられる。生産量と消費量も増えるので、GDP上昇という社会貢献にもなる。本業を続けて、安心して試行錯誤を続け、「稼げるライフワーク」を手に入れたい。
○年収増と節税でお金が貯まる
・40代で副業ごっこから始め、50代で独立準備する。①労務提供上の支障がある、②企業秘密の漏洩、③会社の名誉や信頼を損なう行為、信頼関係を破壊する行為、④競業により企業の利益を害する、という4つの場合は禁止や制限の対象になるので注意する。
・勤め先に副業がわからないよう「失言」「住民税の増減」「名前」に気をつける。ビジネスネームを決めておくと、変身効果で気持ちが変わる、日本の労働人口の実質的な増加による日本経済への貢献、という2つの効果をもたらす。家業を利用すれば、副業にあたらない。
・家族を巻き込んでプライベートカンパニーを作っておくと、損益通算による節税、赤字繰越での節税、経費の範囲の広さ、青色申告の活用、超過累進課税の適用がない、社会保険料の負担増回避、相続税を最小限に抑えるという7つのメリットがある。合同会社なら経費や手間を抑えられる。
・雑所得が20万円を超えると所得税の確定申告が必要になる。そのタイミングでプライベートカンパニーを設立するのがよい。不動産ビジネス以外の「副業ごっこ」では、最初は作らなくても大丈夫。
○「稼げるライフワーク」の見つけ方
・自分に最適なライフワークを見つける。難関資格が必要な士業やベンチャーなどの「超高難度」、FXなどの「ハイリスク」、雇われなど労働力頼みの「労働集約型」の3つのビジネスは除外し、「物販」「賃貸」「情報」の3つのビジネスから選ぶ。物販は単発売りから、賃貸は自分の持ち物から、情報はスポットで手軽に始める。
○まずは月10万円
・物販は、仕入れ場所と販売場所、仕入れ時期と販売時期、大量に仕入れて小分け、付加価値をつける、独占販売権を獲得、という5つのパターンの「価格のずれ(=利益)」を2つ以上掛け合わせる。独占販売権を獲得して輸入するのが王道。
・賃貸ビジネスの大家業は、一番ハードルが低い中古の戸建てから始める。地味なビジネスなので、いますぐ稼ぎたい人、一攫千金にあこがれる人、石橋を叩いて渡ることが苦手な人は向かない。賃貸経営は、会計の基礎、不動産回りの実務、マーケットなどの知識と不動産業者とのつき合い方などを学んでから始めること。
・すべての副業は、情報ビジネスにたどり着く。「見込み客による認知」「見込み客の底上げ教育」「コンテンツの提供」「お得意さん化や仲間化」の4つのコーナーを経て仕上げていくと、螺旋状に成長する。
・見込み客に認知してもらうために、SNS活用、電子書籍の発刊、動画や音声のセルフメディア、アファリエイターへの依頼やSNS広告などの宣伝・広告、口コミや人脈などのリアルなつながり、ブログ、という6つの入り口を作る。目標は、信頼関係を築き、ステップメールに登録してもらうこと、
・見込み客の底上げのために、コンテンツやサービスの概略、具体的な問題解決や願望実現の方法、自分の考え方や価値観・使命感など、の3つの情報をステップメールやブログ、フロントセミナー、スポットコンサルを通じて発信し、魅力とサービスの良さを深く理解してもらう。
・お客様を見極めた上でコンテンツの提供を始める。最終目標は、お得意さんやコミュニティーの仲間を増やすこと。
○オンリーワンのビジネスに育てる
・ナンバーワンではなくオンリーワンを目指す。見込み客に届けるルートを選ぶと、資金が足りなくても情報やサービスを提供しやすい。持ち駒が多いほうが個性が増す。3年以上従事した仕事からスキルを抽出する、攻めたいビジネス分野の本を最低10冊読む、といった方法は有効。
・中級以上を目指すためには複数の必要なスキルを磨く。共通のスキルであるマネーリテラシー、物販なら商品発掘や販路開拓、賃貸なら借入や物件調査、情報ならダイレクト・レスポンス・マーケティングといったスキルを磨いてみる。本だけでは限界があるので、セミナーなど、お金で時間を買ってもよい。
・つらい経験は、オンリーワンのビジネスを加速させる。世間のニーズに自分の価値観を掛け合わせて使命感を宿す。価値観と持ち駒が増えると、それに倍の倍で稼げるライフワークも増え続ける。自分にない持ち駒は借りることで解決する。財務・税務・法務などはプロに任せる。
○人生をかけるワークを完成させる
・会社のためでなく、稼げるライフワークのために生きる。時間を買う人だけが裕福になるので、売らないこと。自分に投資するとよい。副業がうまくいくと、視野が広がり、知見も増え、経営者マインドも身につくので、本業もうまくいく。
・最初の一歩を踏み出すため、「家族(との関係性など)」「交友」「情報(接するメディア・ネット・本など)」「脳内(メンタル・あり方など)」の4つの環境を整える。やらない理由探しはやめ、人生を逆算して、副業や独立を仮決定する。「家庭の理解」「1年分の生活費」「不安要素の解消」を持って考える。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本を買ったのは、ダイアモンドOnlineの記事を見たからだ。
https://diamond.jp/articles/-/308207
素直に、「えっ、副業しても大丈夫なの?」と思った。
しかも、300万円以下の副収入の儲けは「事業所得」ではなく「雑所得」である旨、所得税基本通達に明記され、令和4年1月から遡って適用されると書いてある。つまり法律上、サラリーマンの副業はOKということか。
それで、この本を手に取って読んでみると、この通達がある前から法的に会社は従業員の副業を禁止できないという。さらに読み進めると、家業の手伝いであれば副業にはならないとも書いてある。昔から「田んぼを持っている人は副業に当たらないのかな?」と思っていたのだが、これが理由かと納得した。
本書に書いてあることは、少し会社に対して後ろめたい部分もあると思うが、それでも、知っていると知っていないでは大きな違いだ。実際に副業をする人でなくても、知っていていい知識だと思う。
著者の坂下仁さんが、ブログを書けと言っていて、①WordPress、②note、③アメブロ等、の中で①を進めると言っていたので、自分もやってみようかな。
2022/09/24記録