コンセプチュアル思考 物事の本質を見極め、解釈し、獲得する [Kindle]
- ディスカヴァー・トゥエンティワン (2022年3月7日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (446ページ)
感想・レビュー・書評
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電車の中で読んではいけない本。じっくりと時間をかけて向き合うべき本という意味です。
飛び込む勇気とやる気があれば、この手の本はかなり役に立つ。本書のフレームワークにおいては、上級の企業研修などでで取り組むようなレベル。ただ、私のような中小企業の端くれが読み学んだところで、頭でっかちになって結局動けなくなるのがオチ。特に後半からは読者は置いてけぼりになる。言いたいこと、集めた情報、こんなにも考えることができるのにっていうのをひけらかされた感覚です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
圧倒的分量。パートに分けて徐々に読み進めると、じっくり理解できて身になると思われる。
「私は何を知りうるか・私は何を望んでよいか・私は何をなすべきか」から知・情・意の基本概念が抽出される。本書はそのうち「意」に焦点を当て、「意の思考」の基礎固めと伸長を図る内容であった。
手段の目的化とよく言われるが、それが何を意味するのか、どうすればその状態を回避できるのか分かっていなかった。本書にはその答えが含まれており、目的・目標・行動の繋がりの理解も深まった。
人は生まれて以降どこへ向かうのか。人生において絶対的な目的というものはない。自分で意味ある目的を見つけ出し、さらにその意味について深く肚落ちできるものであれば、それで良い。それが根源的な行動指針となり、ぶれない上に自信と説得力に満ちた判断ができるようになる。
なんて理解をした。無いもの探しなってる暇があったら、作りに行くしかない。そもそも人生の目的は自分で設定するものだと思えた。 -
コンセプチュアル思考を持つ人は、ほんのひと握りだろう。こればかりは鍛えて出来るようになるものなのかと。
殆どの人は「具象、多」に対してモグラ叩きを続け、疲弊していっている。
要は、全ての業務に対して「意味付け、意義付け、位置付け」を設定した上で取り組めているだろうか?という事。
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概念的に考えることをまとめた一冊。
個人のキャリアにおいても「処し方」ではなく「在り方」のレベルまで目線を上げるべきという一説が一番印象的。 -
人生や仕事で目標や目的を定める際の考え方についてとても参考になったし、頷かせられる点も多かった。自分がどう在りたいかを考え、そこから目標を定め目的に向かっていく。日々の忙殺に追われて見失いがちだが、仕事や人生で迷った時にこの考えは役に立ちそう。
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メモしたい箇所がたくさんあった。
ワークもそれぞれ試してみたくなるし、イラストがわかりやすかった。 -
自分の方向性を打ち出せていないと思って、手に取ってみた。かなり序盤に「比較優位によって出てくる答えは最終的にはどこも似たり寄ったり」(p2)と看破される。そうなのだ。合理的に決めたことはどれも似たりよったり。だからオリジナリティを出すには別のアプローチが必要になる。それが「コンセプト」というわけ。そのために紹介されているワークは簡単ではないけれど、具体例があるので参考になる。本を読んでいて、この本自身が意思に溢れていて、読んでいるだけで胸が熱くなる。
それにしても「意味が与えられていないと、往々にして目標に動かされることになる」(p326)とあったけれど,毎年目標は立てているけれど,なんとなくバラバラで微妙な感じがしている。その理由はまさに意味の不在によるものから来るものなのだろうなぁ。今年は自分の意味を考えたい。 -
本質で考える「コンセプチュアル思考」を解説した本。
優れたものは論理的思考やデザイン思考だけで生み出されたわけではなく、本質を突き詰めた結果に生み出されています。本質をつかみ本質をもとに考えることがビジネスを飛躍させるために必要になります。 -
様々な事象からものごとの本質を見出し、概念化・言語化することで思考が深まる。その概念に基づき様々な事象に対処していく。
事業そのものや製品・サービスのあるべき姿を考えるにあたって、とても大切な思考だと思います。繰り返し読みたい一冊になりました。
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まえがき 3つの思考
・知:ロジカル思考
・情:デザイン思考
・意:コンセプチュアル思考
第1章 コンセプチュアル思考を知る
①抽象と具体
②一対多
③概念・観念・信念・理念
④πの字思考プロセス
人は頭を絞って言語化して初めて思考が深まる
第2章 ものごとの本質をつかむ
定義化とはものごとの本質を短い言葉に凝縮する
言葉の語源を調べて本質を知る
客観的定義と主観的定義がある
真に画期的な商品・事業は意志的に定義を変える
第3章 ものごとの仕組みを単純化して表す
モデル化
階層化
プロセス化
4象限マップ化
ビジネスモデル化
第4章 ものごとの原理を他に応用する
類推 2つのものごとの間の類似性を見出し、その類似性を元に何かを推し量ること
寓話、比喩
私たちは自らの事業を通して何の価値をお客様に届けたいのか?
第5章 ものごとをしなやかに鋭くとらえなおす
優れた企画者はコンセプト作りから
モノの見方が凝り固まらないよう異種の組み合わせを考えてみる
売るものは製品ではなくその中核価値
アズ・アモデル
モノ的価値→コト的価値→コア的価値
第6章 ものごとに意味づけや価値づけをする
目標に自分でみいた意味を与えて目的に昇華させることが長く健全に働き続けていくために不可欠
仕事・事業の動機5段階
金銭的動機、承認的動機、成長的動機
共振的動機、使命的動機
共振的動機や使命的動機につながる価値を見出し、仕事・事業の中に練り込んでいく技術がコンセプチュアル思考の意味化スキル
第7章 事業・製品を独自で強いものにするために
モラルジレンマ 唯一無二の正解が無い問題
何が本当に大事か、優先すべきかを自分で抽出
本質(essence)と形態(form)
事業概念を在り方次元にシフトさせる -
本では無理だ