- Amazon.co.jp ・電子書籍 (114ページ)
感想・レビュー・書評
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Audibleにて。
職場の人間関係や食べ物を通じた葛藤が描かれていました。
登場人物たちの複雑な感情や不満の描写が丁寧で、 読んでいるうちに考えさせられる場面がたくさんありました。 ストーリーでは二谷さん、 押尾さん 、そして芦川さんという3人の関係が中心となっています。 彼らはお互いの価値観や考え方が合わず、微妙な人間関係が築かれていました。心情が生々しく描かれ、常に不穏な空気が漂っていて緊張感を覚えます。現実の職場で起こりうる人々の相反する感情や、欲求の間での葛藤がリアルでした。 また食べ物に対する考え方の違いも重要なテーマでしょう。 さらに食べ物を通じて、 登場人物たちの個性や価値観が明らかにされています。 この作品は人間関係や、 食べ物のテーマから、 共感や考える機会を提供してくれます。
心を揺さぶり、ストーリーから得られる気づきによって、自身の生活や人間関係に対する新しい考え方や視点などを見つけることができる作品。 -
周囲は納得なのに自分だけが持つ違和感、自分には迷惑な親切や思いやりなど、身近に抱く負の感情が鋭く描かれていて、何とも後味の悪い気分になった。著者の他の作品も気になるけど、連続は厳しい。別ジャンルで中和しないと。
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何を伝えたかったのか終始わからなかった…
食べることは生きる上で必須だけど、食べ方や食べることに関する流儀、美味しいものの感じ方は人それぞれなんだなと思いました。 -
Audible読了
芥川賞つながりでボクが来たよ〜、だったのだが、さすがに毎度毎度ハードルが高い。読み終わってもしばらくポカンだった。
ただ、不思議と面白い。
そもそも、か弱い人といえば自然と守りたい気持ちになるし、でもって美味しくて温かい料理は好きだし、さらに華奢で、天然ぽい、甲斐甲斐しいとくれば、もはやカレーとチャーハンと寿司のブュッフェみたいなものでしかない(そんな不味いチェーン店もあるが)。
そんな中央値の男にとっては、この主人公を理解しろというのが難題。なんなんだモテ男!キサマその態度は。
とか言いつつ、共通点ゼロでもない。
食事で言うと私は、朝食、昼食が毎日365日同じでも構わない人間だ。言い訳としては、栄養価とコスパを計算し尽くしたMY理想メシだから。気分とトレンドはあるが。ただしヘタに外圧で変えてもらいたくはない。これを周りから見たら、薄気味悪いただの頑固者だろう。
頑固さ、というとニュアンスが違ってしまうかもしれないが、価値観と言えばいいのかな。
カップラーメンをすすりたくて堪らない人間に、手料理=健康という価値を押し付けても、摩擦になるだけだろう。表面上はへつらってしまう人間だとなおさらに根が深い。物語終盤で支店長が語る、「丁重にお断りすればお互い傷つかないじゃん」的な発想は、同調圧力の輪の中心近くにいる人の考えじゃないのかな。
小動物は保護しよう、LGBTは尊重しよう、離婚は、別姓は、ハラスメントは─。
多様性という便利な言葉は、それ自体がある方向に導いているようにも見える。そこに頑固者が居てもいい場所は、そう多くはない気もするのだ。
── 結局、我慢する人と、できる人でこの世界は回っていく。世界。この世界。私が生きて、手の届く範囲の世界。
これが一番刺さった。
全く別件で、レビューを書くことを通じて、最近少しずつ考えがまとまるようになってきた。という辺りで、いっちょ芥川賞受賞のコメントなんかも参考にしてみようと思う。自分の浅はかさにひっくり返ったっていいじゃない。
もっと深く世間とか、人間を知ることができるようなるならば、我慢とか切磋琢磨とか苦手なこともできるような気がする。 -
ずっと積読にしていて
読んだらあっという間に終わってしまい、
短編集なのかと思ってしまった。
個人的に年齢は関係なく
二谷→綾野剛
押尾さん→小池栄子
芦川さん→山口もえ&松本まりか のイメージで。
二谷も押尾さんも芦川さんも
自分の中にいて。
心の中で皮肉を言ったり拒絶したり、
意地悪な気持ちになったり、
媚びて自分の思い通りにしたり、
うん、そうだよね、と思いながら読んでいた。
人の本当の気持ちは外見からは量れないし
読めない。
難しい。。