80歳の壁 (幻冬舎新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 最近、老後の不安が尽きなくて認知症やがんについて色々調べたり予防策などを講じてみたりしていたのだが、この著書を読んで妙な安心感と余裕が出た気がする。
    認知症やがん、その他の病気も怖いことは怖い。ただ、もしそれらの病気になった時にその事実を正面から受け入れ、その時自分が持っている残存能力で対処していき、ポジティブ思考にするようにすれば楽しく生きられるということを知って、なんとかなるのかもしれないなと思った。80歳超えたら、好きなものを食べ好きな時に寝て、好きなことをしたらいいと書いてあって、まさしく理想な生活だ!と思った。
    どの年齢でも生活していく上で読んで為になるし、高齢の親を持っていれば勉強になる。あまり我慢せずにしたいことをする。欲望を欲望のままで終わらせずに、実行にうつすことが心身の健康に繋がるんだな。この本は色んなタイミングで再読したい。

  • だいぶ先の話だが、評判だったので読んでみる。
    80歳以上は幸齢者。
    むづかしく考えず、気楽に、笑って楽しく生きるだな。
    今からでもやるべき事だな。

  • あたりまえのことが書いてはあるが、臨床をいくつも診てきた医師だけに説得力がある。
    本質的なことは皆薄々わかってはいるが、高齢者になればなるほど難しい。わかっているができない現実がある。

    こういった内容も、好奇心や学びの意識をもって捉えて、スグ実行してみよう!と楽しみながら人生過ごせる高齢者と、とは言ってもね…と捉えて何もしない高齢者との違いが時間経過とともに拡大していく。

    ここで高齢者としたけれど、年齢に関係ないですね。
    幸せな実りある人生とするためには、あるものを受け入れる姿勢、人の力をお借りする気持ち、笑顔と感謝。お金や社会的地位では決してないのですね。

  • 80歳からは幸齢者 我慢しないで好きなように生きる。

  • 「好きなもの食べて
    お酒も飲むんだから
    せめて30分くらい歩こうよ」

    高齢者ではなく幸齢者
    認知症は病気というより老化現象

    私もあなたもみんな老いる
    幸齢者に優しい社会にしようよ

    特養落ちた日本死ね
    こうした声がもっと出ていい

    歳を取るのが楽しみな世の中に
    なるといいな

  • 30歳私向けには書かれていなかったけど、元介護職としては興味深く読めた。世相を反映して、人口のボリュームゾーンに50代、70代に向けて書かれている本のような気がする。ちょっと元気がなくなってきたり、そっと背中を押してほしい時、将来をうまく描けない時に読むと良いかも。

  •  この本は、おもしろい。老人は読むべき必読本だ。
    「2019(令和元)年で、男性は平均寿命81.41年に対し健康寿命は72.68年、女性は平均寿命87.45年に対し健康寿命は75.38年になっている。 平均寿命と健康寿命の差は男性が8.73年、女性が12.07年で、女性のほうが3年ほど長くなっている。」という報告がある。
     そうだ。私は、健康寿命に達している。あとは、寝たきり状態になるのを待って、81歳まで生きることになる。健康寿命は毎年伸びている。そういう人生のステージに立っているとイメージしていた。そうか。あんまり「統計と平均」ということに惑わされるのもおかしいのだ。死ぬ時には、100%死ぬのだ。いま、生きていることのほうが大切なのだ。生き続けて、時が来たら死ぬのだ。それでいい。この本を読んで少し意識が変わった。
     本書では、高齢者は、幸齢者というべきだといい、幸齢者は、もっと自分通りに好きなことをしなさいという。高齢者は、好きなものを食べ、好きなことをすればいいという。我慢するなという。
     なぜなら、例えばがんとは、身体の中での細胞の異常分裂であり、高齢者を解剖するとがんと診断されていなかった人も小さながん細胞は見つかるという。高齢者であれば、がん細胞があるのは当然だと考えたほうがいい。だから、がんと闘う(闘うと言っても、何をするのかよくわからない)というより、がんと共存することのほうがいい。生活することに不具合ながんは、対処したほうがいいが、生活できるなら問題ないと考える。
     高齢者になってから、小さながん細胞を切り出したときに、それ以外の細胞も傷つけたりする。手術をするほうがダメージが大きいのだ。また、抗がん剤を飲んだりして、免疫力を低下させたりする。医者は、病気の部分最適を解決するにすぎない。また、自分ががんになったと思えば、そのことだけで気が病になる。生活することに、消極的になったらそのほうが弱る。
     病院に行くことによって、高齢者の死亡率が高まると言われる。コロナ禍においては、病院に行けなかったので、高齢者の死亡率は下がった。
     メタボリックは、よくないと言われるが、高齢者は、少し小太りの方がいい。ダイエットすることで、余分なものまで切り落としてしまう可能性があり、余力がなくなる。少し小太りの人の方が長生きであるというデータがある。食べたいものを我慢すれば、精神も体にも無理が起こる。
     また、80歳を超えた高齢者は、アダルトビデオなども見たほうがいい。エロティックは、男性ホルモンが出て、元気になる。それは、いいことだという。ふーむ。なるほど。老人は、ワクワクすべきだね。
     タバコも、がんを発症させる要因だが、80歳をすぎて、タバコを吸っていた人は、やめる必要はない。なぜなら、がんがさらに増えるわけではない。タバコを吸わないストレスの方が問題だ。お酒も同じだ。しかし、連続的飲酒はやめることだ。適度の飲酒をすればいい。
     適度の運動は、必要だ。1日30分ほど歩いたほうがいい。自然のひかりを浴びて、セロトニンが分泌される。
     うつ病、老化、認知症というのは、見分けにくい。うつ病になるのは、心的要因。身近な人がなくなったり、セロトニンが分泌できない状況になったりする。やはり、好きなことをやればいいのだ。好きなことをやって生きるのか、我慢して生きるのか?その選択肢しかないのだ。

  • 現在62歳の自分にとって、というよりもむしろ、今年で90歳を迎える義母や85歳の実母にこそ読ませたい。そのキー・メッセージは「もう十分窮屈に生きて来たんだから、これから先は、何も無理せず楽して好きに生きればいいんだ!」ってこと。それがとても分かり易く、共感できる語り口で書かれた本。
    そして現在の自分自身にとっても、(この先もう少し生きていられさえすれば)約20年後に80歳を迎えたら、自分を褒めてやると同時に「さあ!これからは(も?)好き勝手に生きるぞ!」と宣言したい。なにせ、歳をとればとるだけ個人差は大きくなる。他人を気にせず「自分は自分」を貫けばいいのだ。

  • 80歳を超えていくという、まさに人生100歳時代と言われる今の書籍。80歳に限らず歳をうまく重ねていくためにも必要なメソッドが書かれており大変勉強になりました。

  •  今、書店の棚には和田秀樹さんの著作が何種類も平積みされていますね。
     さて、巷に溢れる和田本の中からまず何を読もうかと思っていたところ、通勤途上に聴いているpodcastの番組で本書の紹介をしていました。それをきっかけに、まずは「この本から」と思い手に取ったというわけです。
     第一章では、80歳を越えた高齢者を対象とした医療のあり方がテーマ。
     第二章以降は、高齢者専門の精神科医として長年高齢者医療に携わっている和田さんからの多彩なアドバイスが紹介されています。

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著者プロフィール

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、高齢者専門の総合病院である浴風会病院の精神科を経て、高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたり高齢者医療の現場に携わっている。
主な著書に、『80代から認知症はフツー』(興陽館)、『病気の壁』(興陽館)、『70代で死ぬ人、80代でも元気な人』(マガジンハウス)、『80歳の壁』(幻冬舎)、『70歳が老化の分かれ道』(詩想社)、『老いの品格』(PHP)などがある。

「2024年 『死ぬまでひとり暮らし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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