常識として知っておきたい裏社会 [Kindle]

  • 彩図社
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感想・レビュー・書評

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  •  全編対談形式。(「はじめに」と「おわりに」を除く。)

     この手の軽い読みものは、サッサと読めるように、話の軸になる部分を太字にするなどの工夫がほしい。

     対談をしている著者は次の二人
    ・懲役太郎(ちょうえき・たろう)
     元ヤクザのYouTuber。私はこの人のYouTubeを見た事がない。
    ・草下シンヤ(くさか・しんや)
     肩書きは書籍編集長、作家、漫画原作者で、この人もYouTuberらしい。
     カタギらしいが、やたら前科者や裏家業の人、薬物中毒者などの友人・知人が多い。

    「おわりに」で、懲役太郎さんがこんなことを書いてる。
    「これからの時代を生きていくために必要なものは、柔軟な頭と、情報を吸収する力だと思います。裏社会や世界に大きな変革があったとしても、時代に合わせて変化できる者は生き残ることができます。」・・・・・カタギの表社会と何ら変わらんと思うが。

     余は、「おカタい仕事」を止めてしまった口だけど、今のところ悪業により稼ごうという気はないので、これ以上深い裏社会の研究は、必要に迫られた時にやろうかと。
     大方は、何となく知ってるような、推測の及ぶ話だった。

    「ヤクザで成功している人は、普通に事業家としても成功できる人なんですよ。」と懲役太郎さんが云ってるけど、確かにそうだろうなと思う。
     どんな世界でも、成功するには頭の良さと人脈が鍵を握るのではなかろうか。

     以下の抜き書きは、余は大体は知ってたが、ご存じない方のために参考までに。
     「差別」というものを考えてみる、一つの材料になりましょう。

      "「自警団だった戦後のヤクザ」
    草下 ヤクザと警察の関係性においては、ヤクザの成り立ちにも通じる話だと思うんですよ。
    懲役 戦後からの話でいうと、戦勝国である中国系や韓国系の人たちから身を守るための自警団が、ヤクザの前身だったと言われています。ヤクザと警察は国を維持するための機能として、並列の立場で結託しながら地域の治安を守っていました。
    草下 そもそも、その自警団になったのはどんな人たちだったんですか?
    懲役 被差別部落地区出身の人で、部落にもいられないような人たちだったと思います。氏素性を明かしたらどこでも働けないから、そこに入るしかなかった。
    草下 なるほど、だからいろいろ流れて来て、自己紹介的な口上があったりするんですね。本名とは異なる稼業名が存在するのもそういう背景があるから。
    懲役 戦後はそうだけど、その後は、在日韓国人のヤクザが爆発的に増えた。僕は母親が韓国人なんだけど、当時は在日に対する差別がすごかったんですよ。平気で「チョン」って言う時代で、母親からは、自分が韓国人であることを絶対に口外するなって釘を刺されていました。スーパーでキムチを買っただけで「あそこはおかしい」って指差されるから、買い物にも気をつけなきゃいけない。
    草下 そうやってヤクザにならざるをえなかった在日の人がたくさんいたんですね。
    懲役 というより、そうやって差別されてた在日の人たちが、金を持ち始めたんですよね。逆立ちしたって普通に就職できないから、食肉、金融、屑鉄、ゴミ処理といった、普通の日本人がやらない汚れ仕事をやったんですよ。そうしたら、それがすごく儲かった。うちの親戚もそうで、叔父なんかは40年間会社勤めなんかしたことないのに、金は持ってます。”

     蛇足 本というのは、図書館からの借り物にしろ、KindleUnlimitedにしろ、”積ん読”が許されないし、いつでも見直せるものでもないのがツラいところ。

     しかし現物の書籍は邪魔になるので、電子書籍というのはケッコーなものだな、と。

  • なかなか面白かった。
    正直、あまり期待してなかったのだけれど、時代の移り変わりというものを感じられる話だったなあ、と思う。
    ヤクザも今は暴対法の関係で大変だろうし、ホストがやっていることが、昔ヤクザがやっていたことと変わらない、と言われたら、確かに、と思う。ヤクザと名乗る人がが出来なくなったことをヤクザというカテゴリーから逃れた人々がやっているだけで、金の匂いのするところに人は集まってくるんだな、と思う。

    仁義や型をヤクザは重視していたが、今の裏社会はそんな面倒なものをすっ飛ばして、集まってくるから、その時代を知っている人から見たら、イージーに見えるだろうし、今の裏社会に属する人が昔のヤクザを見たら、格好よくもない、ただただ面倒な組織にみえるだろう。

    何かに所属したい、という願望が誰にもあるのだろうか。はみ出したものはヤクザに入る、と思っていたし、今でも形を変えて、自分の居心地のいいところに所属したいと思う人が多いと思う。現在、ヤクザの代わりとなって所属しているところが、非常に離脱しやすく、漂うように所属したり、離脱したりしているように感じる。個人にとっては悪いことのように私には思えるけれど、どうなんだろう。

  • ヤクザも大変ですね(°▽°)

  • 懲役太郎さんのYouTubeは面白くて元々みていて、今回対談形式の本になってより内容が濃く面白かった。

  • プライムリーディングにて
    なかなか興味深い。

  • 任侠映画、ヤクザ小説、犯罪ドキュメント、サスペンス劇場…。”知っておきたい”かどうかで言えば、”知らなくて”生涯終えられるならそれに越したことはない。ただ、エンターテインメントは確実に楽しめるようになる。表があれば裏がある。最近は完全に裏では生きていけなくなり、中途半端にひっくり返った「半グレ」が台頭する。そして、外国勢力。表裏はっきりとした平ぺったい構造からより複雑化していく社会。いつ罠にはまるか?”知らないで”では済まされない。昨日、見終わったあのドラマ。いつの間にかその世界に自分がいる。

  • 2024.04.11
    生活保護という特殊な仕事を俯瞰する立場で人間を見ると、この本でいう「常識」もまだまだ常識とまではいえない、もっとすごいのが現実だとも思う。とはいえ、フツーの人には充分刺激的でよくまとまっている。

  • 元ヤクザの方が語る、その世界。ヤクザの話だけでなく、裏の話が冷静に語られている。

  • SNS関連の情報が刺さった。
    もう裏も表も混在してる世の中なんだろうな。

  • 普段なかなか知り得ない裏社会の歴史や現状を知ることができた。

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著者プロフィール

バーチャルYouTuber。2018年に活動を開始。YouTubeチャンネル登録者数40万人、総再生回数は1.5億回を超える(2022年3月現在)。「バーチャル刑務所」に服役中で、「前科三犯、893番、懲役太郎です」の挨拶がお決まり。

「2022年 『常識として知っておきたい裏社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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