テクノロジーが予測する未来 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる (SB新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 「web3」「メタバース」「NFT」についてトレンドを解説した書。

    2022年は「Web3元年」だった。そのキーワードは「Decentralized=分散化(非中央集権化)」。ヒッピームーブメントの再来のような雰囲気だという。その気配を全く感じられなかった自分は時代に取り残されている??

    本書、「クリプトエコノミー」「イーサリアム」「DeFi(分散型金融 )」「DApps(分散型アプリケーション )」「DAO(分散型自律組織)」など聞きなれない専門用語が満載されてる。Web3体験しないとイメージつかめないんだろうな。

    ちなみに、よく耳にする「NFT」(代替できない価値を持つトークン)は、「デジタルアートやゲームアイテムが、ブロックチェーンという新しい技術を取り入れて「web3的」になったもの」がその典型だが、「人の思いや情熱、信仰心、あるいは日々の善行、学位といった非金銭的な価値を可視化することも可能」なのだという。

    「DAO(分散型自律組織)」は、投資家優位という構造がなく、労働者は存在せず(主体的に働く個人がいるだけ)、すべての人に投票権が与えられるWeb3上のプロジェクト組織なのだとか。

    Web3によって、社会のあり方や民主主義の仕組みが大きく変わる可能性、あるのだろうか。大企業や金融機関が弱体化し、税収が減少して国家の存在感もなくなっていく?? 個人を主体とした自由で平等な社会が到来する?? 直接民主主義へ移移行する?? ホントかな。

  • デジタル庁やジャニーズ事務所とも関係が深い最先端な人だからか、とても楽観的な未来の話が読めるんだけど、日本人にどれだけ舵取りできるのか懐疑的な私には眉唾な話もちらほら。
    でも、NFTアートとかせきぐちあいみさんの活動はいいですね。

  • 「メタバース」「Web3.0」「DAO」「ブロックチェーン」「NFT」などのバスワードの概念整理をしたくて手に取った本。

    章立ては以下。
     序章 web3、メタバース、NFTで世界はこうなる
    第1章 働き方──仕事は、「組織型」から「プロジェクト型」に変わる
    第2章 文化──人々の「情熱」が資産になる
    第3章 アイデンティティ──僕たちは、複数の「自己」を使いこなし、生きていく
    第4章 教育──社会は、学歴至上主義から脱却する
    第5章 民主主義──新たな直接民主制が実現する
    第6章 すべてが激変する未来に、日本はどう備えるべきか

    主に「Web3.0」を中心に、その他の話が展開されていたように感じた。そして、ブロックチェーンはあくまで「インフラ」であって「アプリケーション」ではない、とうことを知ることで、ようやく腹落ちできた。なるほど、それがWeb3.0の本質か。

    トークンを管理する「Wallet」はインフラである「ブロックチェーン」に紐付いている。そのブロックチェーンの上に「イーサリアム」のようなネットワークが作られる。「アプリケーション」はさらにその上にある。よって、Walletはアプリを超えて共有できる。たしかに、1つのサービスに閉じたしまったトークンなどWeb3.0の本質を理解すると意味がない。他アプリで使えないNFTも同じ。

    この概念を学べたことは本当に意義深い。
    腹落ちできなかったWeb3.0がようやく芯から理解できた。

    「DAO」は概念は理解できたが、まだ腹落ちしていない。ただ、実際にコミュニティに参加することで、これから実体験として理解していこうと思う。

    同じ目的で「世界2.0 メタバースの歩き方と創り方」という本も手に取ったが、今後(未来)の話があまりに荒唐無稽すぎて読後の印象が良くなかった。しかし、さすがJoiさん、年の功かな?(笑)この本の今後の話は、地に足がついた納得できる方向性だった。

    このまま何もしないと日本は落ちるだけ、という結論はどちらの本も一緒。
    自分も普段からずっと同じ感想を持って生きている。たしかに、Web3.0やメタバースは今後広がる未来しか見えない。個人としても日本という国としても、どこまでコミットできるのか?まだチャンスのある今、出来るだけ早く動くしかない。

    それが出来なければ、日本は悲惨な3流国家に落ちぶれる未来しか待ち受けていない。

  • 『#テクノロジーが予測する未来』

    ほぼ日書評 Day610

    Kindleキャンペーン価格891円(書籍は990円)とお買い得な割には、個人的にはとても勉強(頭の整理)になった。

    フィアット(fiat)エコノミーと、クリプト(crypt)エコノミー。
    前者が従来型、国家単位で通貨が管理される仕組みに対し、後者がWeb3.0で可能になる暗号通貨に代表される国家の枠を超えて価値が共有される仕組み。
    ちなみに車のFIATはFabbrica Italiana Automobili Torinoの頭文字を取ったものだそうで、ここでいう「恣意的判断」といった意味とは無関係。

    話が逸れたが、cryptはもともと「教会の地下堂」から来ており、いまだ地下経済を連想させる位置付けを脱せていないことがわかるが、一方で従来の国家や、Web2.0の世界でのプラットフォーマー(FacebookやGoogleといったアプリレイヤー)の枠を超えることが可能な仕組み。
    例えばポケモンGoで洒落たファッションアイテムを課金購入しても、ポケモンGoの外には持ち出せないが、Web3.0の世界ではネット上のどこにでもそのアイテムを身につけた自分(アバター)を登場させることができる。
    なるほど、よく考えてみれば、リアルの世界で例えれば、気に入った洋服を購入したが、それを購入した店の外には来て出られないというのがWeb2.0までの世界。この制約をWeb3.0が取り払うのだ。

    さて、そのWeb3.0の世界内でもさらに価値の管理形態が二つに分かれる。
    ひとつがビットコインに代表される「ペイメントトークン」、もうひとつがNFTやそれを支えるイーサのような「ガバナンストークン」だ。
    まだまだ進化の途上にある世界のため、その位置づけを整理するのは難しいが、前者はあくまでも従来の通貨に相当する機能をcryptな手段で実現する(既存通貨との交換レートが重要となる)のに対し、後者はWeb3.0プラットフォーム内で実現される価値そのもの(を、たまたまイーサという価値単位に評価したもの)とでも整理することができるだろうか。
    こうした対比をすると、どうしてもマルクス資本論でいう交換価値vs使用価値の構図を想起してしまうのは旧人類たるところか。

    話を戻し、この世界では"D"という頭文字が頻出するが、これはDigitalの略ではなく、Decentralizedの意である。Crypt経済圏を担保する最も基本的な技術であるブロックチェーンを説明する仕組みとして「分散台帳」という語が用いられるが、この分散がDecentralizedだ。
    そして、DAO Decentralized Autonomous Organization、すなわちデジタル世界において価値を共有するコミュニティ内で価値観が共有されることで、そのことによってのみ、Crypt経済が成立する。
    このことは、我々が今、金本位制の廃止、すなわち金との交換を前提とした兌換紙幣から、国家の信用のみを前提とする不換紙幣への転換と同等レベルの大いなる歴史的転換点に立ち会っているとも言えるほどの、大きな出来事だ。

    まだまだ自分の理解が追いつかない部分も多く、ひどくまとまりを欠く書評となったが、最後に本書から興味深い一節を引用して、今回の評を閉じたいと思う。

    "web3界隈では、よく「WAGMI」というスラングが交わされます。  これは「We Are Gonna Make It.(もしくはWe're All Gonna Make It.)=自分たちならできる」の略。「誰かが指示をして、誰かが従う」というニュアンスはみじんも感じられず、伝わってくるのは「参加者皆で達成しよう。きっとできるさ!」という仲間意識──とてもweb3的なスラングです"

    https://amzn.to/3b5soyZ

  • 「テクノロジーの急激な進化によって我々の生活はどう変わるのか?」に尽きる。生き方そのものが変化する。
    仕事は「組織型」から「プロジェクト型」に変わっていくという。
    私自身は会社に所属しての人生が長いが、周辺では番組制作・映画制作などとの関わりも多かったために、プロジェクト単位でスタッフが招集され、終了すれば解散して次の現場に行くというのに違和感はない。
    しかし「組織体」が全く関与しない状態で、全員が完全プロジェクト毎の集団になった際に、どうなっていくのだろうとは思ってしまう。
    想像力が働かないのは、私自身の今までの固定観念があるからだと思う。
    前述の通り、今までも「プロジェクト型」は存在していた。
    しかし、映画も番組制作も、大資本の会社が前提にあって、その会社のプロデューサーが企画単位でスタッフを集めるというイメージだ。
    映画も番組も制作するのには、非常にお金がかかる。
    公開にあたって、内容についての責任も生じてしまう。
    そういう意味で「何かあったら誰が責任をとるのか」については、スタッフで誰が参加しようが、プロデューサーの所属会社が全責任を負わざるを得ないという仕組みになっている。
    このプロデューサーもあくまでも大資本会社のイチ会社員であるというだけなので、個人として全ての責任を負う必要はないし、事実、背負いきれない。
    著作権的には「発意と責任」と言うのだが、この部分は今の映画や番組では明確なので、スタッフも企画単位で参加するが、お金もきちんとプロデューサーの所属会社から支払われるし、自分の役割以上の責任を負う必要はない。
    そのためにプロジェクト単位での集合体であっても、集まった人たちは、「擬似的な組織型」として機能する。
    私はこちらの方がしっくりする。
    何か問題があれば判断するのはプロデューサーだし、そういう意味では責任を持つべきプロデューサーを頂点としたピラミッド組織になっているのだ。
    この機能がなくなって、完全に個人の参加型となった場合に、事実としてプロジェクトが成立するのかが、何となくイメージできないのだ。
    現実的には「Linux」だって機能している訳だし、「ビットコイン」だって成立している。
    それも頭では理解しているのだが、あまりにもレアケースな気がしてしまう。
    もちろん、今後益々民主化は進むし、分散化が進むのも間違いないのだが、全てがその形式で成り立つのかが怪しいと思ってしまう。
    こう言っている時点で、新しい時代に対応できていない、古い人間という烙印を押される訳であるが、どうにも腹落ち出来ない自分が存在しているのも事実だ。
    私はこのように、本書の中でも、しっくりきた部分と、違和感があった部分とが混在してしまっている。
    様々な意見があってよいと思うし、ある最新テクノロジーについて、立場を変えて別の角度から検証することも必要なことだろう。
    本書の通り、完全自立分散型のDAOのような組織(共同体?)は、絶対に増えていくはずなのだ。
    映画制作であってもピラミッド組織をイメージするような、私みたいな古い人間の思考ではなく、新しい形の映画制作が出来上がっていくのだろうと思う。
    この辺は新しい生き方にも通じるところがある。
    自分で納得がいかないなら、小さなところから分散型組織を始めて試してみてもよいかもしれない。
    それが一番の近道のような気がするのだ。
    事実サークル活動だって世の中には溢れている訳だし、自分でも小さなサークルに所属して、すでに20年くらい活動している実績もある。
    それがテクノロジーを使ってやりやすくなっていくのであれば、それは素晴らしいことだ。
    まずは否定せずに、受け入れてみることも大事なのだろう。
    そんな違和感があった部分も含めつつ、「人々の情熱が資産になる」という章は、自分的にはしっくりきた。
    NFTは確かに一時の流行と思われているかもしれないが、今後あらゆる物事がデジタル化されていく中で「オリジナル問題」は避けて通れないと思う。
    作品を作るというのは、それだけで大きなモチベーションであるし、言い換えれば情熱がなければそもそも作品作りなんてできない。
    ほんの少数かもしれないが、金儲けのために作品作りをしている人が存在しているのも事実だが、それだって大きく儲けようと思っている訳ではなく、その利益で次の創作の資金にすることが基本的な考え方なのだから、健全ではないだろうか。
    創作者の情熱は、応援する側の情熱と重なって価値を生み、創作者が正当な評価と金銭的な報酬を得ることは正しいことだと思うのだ。
    本書を読みながらも色々と考えてしまったのであるが、今後益々生成AIが、様々な作品を自動的に無尽蔵に生み出していくのだろう。
    計算機が自動的に生み出したものも、人間の好みを分析して出された答えな訳だから、そこそこクオリティも高いものであるだろうし、大半の作品は程良く感動できたりもするのだろう。
    しかし、間違いなく人間はそれだけでは決して満足しないと思うのだ。
    この感情を、情熱というのか、衝動というのは分からないが、生成AIの作品もある程度は良いとしても、なぜかそこ止まりの限界があるように感じる。
    そんな何か物足りなさを感じていると、きっと飛び抜けた才能の人が計算外のさらにとんでもないものを生み出して、人々の感動をかっさらって行くような気がしてしょうがない。
    大半の人間の能力はAIや機械には及ばないはずであるが、ある天才は人々を感動させることにものすごく長けていて、その人の活躍が世界を席巻していくのではないかとさえ思うのだ。
    もしかするとアナログな作品に回帰することも十分にあり得る。
    デジタル上で、NFTという技術を使って「唯一」を証明したとしても、アナログな「生原稿」だったり「絵画の現物」は間違いなく世界に1つであり、その不便さが逆に価値を高める気もするのだ。
    NFTは確かに便利で、「唯一」でありながら「世界に1,000個限定」などとすることも可能だ。
    どれがよくて、どれが悪いということではなく、それぞれの特徴によって、結局は使い分けされていくのだろうと思う。
    その中で「価値」について、どういう指標を持つのか。
    この辺は様々なトライアンドエラーを繰り返していく中で、何となく熟れていくのだろうと思うが、この時点でも様々なことを夢想してしまう。
    話は戻るが、完全並列のDAOのような組織(共同体?)であっても、やはり声の大きい人はいる訳だし、意見が通りやすい人もいる訳である。
    学校ではクラスメイトという一員であれば、各々は完全に並列であるはずなのに、やはりそこでも何となく仕切る側の人と、仕切られる側の人とで分かれていく。
    全員が仕切る側になることもあり得ない訳であるが、少なからず「誰か決めてくれ」と思う人も一定数いる訳で、そういう点も考えていくと、DAOも一様ではなく、様々な形が出来ていくのだろうと思う。
    いずれにしてもテクノロジーが世界を変えていくのは間違いない。
    その時に人間たちはどう振舞うのか?
    完全に新しいものに適応して生きていくのか。
    それとも、結局何万年も変わらない人間の本能に従って、あまり変化なく生きていくのか。
    私自身、完全適応には自信がない。
    まだまだ過渡期であるのは間違いないが、私自身が適応するかどうかは別として、いずれにしても分散化の世界が加速することは間違いない。
    様々な弊害も出てくるだろう。
    中には上手くいかないことも出てくるだろう。
    しかしながら、容赦なくテクノロジーは進化していく。
    結局先が読めない以上、出たところ勝負な部分はあるのだが、まずはこういう部分を想像してみることが大切なのだと思う。
    テクノロジーの知識を正しく会得して、その上で未来を想像する。
    民主化を目指したインターネットは、結局GAFAMという中央集権を生み出してしまった。
    DAOもビットコインもNFTもこの先どうなるのかは分からない。
    我々は全てを黒白で判断出来るように出来ていない。
    結局はある程度の状況を想定して備えておくくらいしかできないのである。
    間違いないのは、今現在からは大変化が起こるということだけだ。
    心して準備しておいて、いざという時に対応できるようにしておきたい。
    (2023/11/18土)

  • Web3.0の知識に取りこぼしの無いように読んだうちの1冊で、初学者にもわかりやすく書かれてる。
    これが"普通"って時代なんだろーな。
    でもリアルな生活にそれこそ大きく違いが見出せて無いんだな。これからなのか。見落としてるのか。この本は素晴らしい!ただまだ実態が掴めないWeb3.0

  • 既知の内容が多かった。ブロックチェーン入門書の位置づけ。しかし改めてブロックチェーンの可能性を感じる機会になった。

  • NFT、メタバースといった新しい用語について、まとめて概観してみようと思い、MITメディアラボの以前の所長でもあった伊藤穣一氏の書籍を選んだ。

    また、14年ぶりに日本に拠点を移した伊藤氏が、長い停滞にある日本がWeb3.0をきっかけに勢いを取り戻してほしいという応援の書でもある。

    クリプトエコノミーがNFT、DAOといったいわゆるWeb3.0的なものを形作っているということが、いろいろな事例を通じて印象付けられた。

    また、Web2.0から転換するのか共存するのかは不明だが、Web3.0的な分野が成長するのは間違いないとも感じるとともに、テクノロジー分野で生きていこうとするならもっと理解が必要だと焦りを覚えた。

    私もイーサリアムを少々購入してクリプトエコノミーを体験してみたい。NFTとしてBored Ape・・・は高くて買えそうもないが、何か違うのを買い、その後は伊藤氏が立ち上げているHenkakuというDAOに少しだけ参加してみるのもよさそう・・・というくらいのことが語れるようにはなったので、満足。

  • メモと思ったこと

    ・Web1.0=読む、Web2.0=書く、web3=参加する
    ・貨幣は誰かにとって価値があるが、誰かにとっては無価値を資産として扱いづらい

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著者プロフィール



「2023年 『AI DRIVEN』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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