- Amazon.co.jp ・電子書籍 (288ページ)
感想・レビュー・書評
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やっぱりこの作者の方は読みやすいし面白い。こらからも作品を追いかけたい。
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同期で中堅外科医の剣崎と松島が主人公。信頼関係にある二人がコンビで腹腔内の手術を手掛け、そのシーンはリアルで臨場感溢れる。そして、医学用語がさりげなく本文中で解説され、わかりやすかった。少し先輩の稲田医師の技量不足がもどかしく、実際にこんな医師もいるのかな。しかし、不幸な事故に巻き込まれ同情もしてしまう。ロボット手術でトラブルがあり危うい場面があったけど、対処したのは外科医の院長。その貫録に安心感があった。「俺たちは神であることを求められているのか」失敗を許されない医師としての責任との葛藤かと思った。
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剣崎啓介は麻布中央病院に勤めている外科医だ。携帯に掛かってきたのはオペ看だ。声が切羽詰まっていた。念のため同期の外科医の松島直武にも連絡を入れておく。手術室のある階に止まるまでエレベーターがもどかしい。泌尿器科の手術で出血がひどいらしい。膀胱全摘術をやっていたところ、途中の難所で大出血をしてしまったらしい。
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毎度大変な医師たちのアレコレ。
神様じゃないのに命握るって、大変な仕事。 -
「泣くな研修医」の中山祐次郎先生の新しい小説。
「泣くな研修医」とは違うシリーズ(シリーズにはならないのかもしてないけど)。
医師15年目の2人の外科医を軸にした総合病院での医療ドラマ。2人の信頼関係がかっこいい。
高齢者、末期がんの患者、手術中のミスでの大出血。
患者の生死を分ける手術を何度も経験している外科医が、自分達には生死を決める「神」じゃないはずなのに、「判断」しなくてはならないことに悩む。
いろいろと考えさせられる、良い小説でした。
小説の中では、手術中のとても細かい記述が描かれていて、医療者ではない私にはとても興味深い記述がたくさんあってワクワクしました。こんなすごいことを全ての外科医の先生たちがやってると思うと、すごいなぁ、と感動しました。ありがたい〜。
そして軸になっている2人の外科医の関係が、とてもかっこいい。ベタベタに仲がいいわけではないけれど、手術の時には互いの行動が阿吽の呼吸でわかっているし、互いのストレスをバーで飲むことでほぐし合う。
小説の最後の「あとがき」の章で、中山先生ご自身が、こんな相棒が欲しかった、と書かれていて、これは中山先生の妄想相棒物語なんだろうなぁと思えて、やけに愛おしい物語に見えました。 -
テレビドラマにもなった「研修医」シリーズとは別の話。こちらはベテラン外科医の病院内での苦労のお話。最近ニュースで、医者ではない技師が手術の糸を縫ったとあったが、本書にでてくる若い医者ですら、ちゃんとできていないようなのに、医者ではない人ができるとは驚きだった。新人教育、老害、組織の難しさなど、一般的は企業でもありそうな話から、命に関することなど医師ならではの考え方まで。病院に行った際に、病院ではたらく人々(外科医、麻酔科医、看護師など)を見る目が変わるかも。これから期待できる登場人物もでてきてこのシリーズも楽しみ。
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あちらのシリーズと比べると、こっちは「上級・エキスパート編」といった趣か。
こっちもシリーズになってほしいな。 -
「泣くな研修医」が少しずつ成長して一人前になっていくのが心強くて感動的だったので、同氏の次の作品を読了。
外科医の過酷な仕事ぶりが描かれていて、常に緊迫したストーリーだった。
でも、もし自分がお世話になることになったら、やっぱりこんな頼りがいのある外科医にかかりたいときっと誰でも思うと思う。
医療格差というか、同じ病気でも同じレベルの医療を受けられるかというと、必ずしもそうではない現状に不安が増す。
医療分野の小説は未知の世界が多く、好きな分野。
これからも読んでみたい作家さん。 -
消化器外科医である著者による消化器外科医の物語。
だからこそ、非常にリアル。
阿吽の呼吸の仲間、羨ましい,こういうのはメジャー外科ならではな感じする。