遅考術――じっくりトコトン考え抜くための「10のレッスン」 [Kindle]

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  • ダイヤモンド社
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  • 僕に足りない力なんじゃないか?と思って手に取った本。

    結論、実際僕は遅考力が足りない。

    頭が飛びつく考えは、様々なバイアスの影響を受けてしまっていて、間違っていることも多い。だからこそ、「この考えは間違っているのではないか?」と熟慮することが重要。
    実際にどのようなバイアスがあるのか、対話形式で練習問題を交えながら解説しているので、非常に読みやすかった。

    自分でいうのもなんだけど、僕はシステム1(直観)の能力が多分高くて速い。だから東大入試くらいまでは正直システム1の力で突破してしまった感がある。

    ただ研究室に入ったくらいから自分の考えの浅さに悩まされるようになった。この本を読んだ後、その原因はシステム2(熟慮)の能力が非常に不足しているためだとわかった。

    ・「自分の考えは間違っているのではないか?」
    ・反証可能性を担保しているか
    ・確証バイアス
    ・基礎比率

    このあたりを意識して、仕事や私生活に臨みたいと思う。

  • 早とちりをしがちな自分にピッタリの本だとは思いつつ、色々考えられる時間内で考えることが必要ってだけだなと思った。日々の仕事に応用できるかは難しい。

  • 実践形式で「遅考術」を学べる
    特に一番最後の問題はハッとさせられた

  • 会話を通じて「遅く考えること」を体験できる本。とても読みやすかった。

  • 早すぎ君と文殊さん、笑ってしまう苗字の2人が先生と一緒に沢山の問題をテンポよく解いていく展開で、スイスイ読めてしまいます。 意識的に遅く考えること、初めの考えに疑問を持ち元の質問に立ち返ってよく吟味する事、沢山学びのある本でした。

  • 結構面白かった。例題が出てきて、じっくり考えるとこについて学べた。

  • 思考の間違いを回避し、よりよい思考を生み出すよう、遅考術を取り入れよう。

  • 岡田斗司夫氏が「あえて遅く考えることで思考のトルクを上げる」的なことを言っていた記憶があって、関係ありそうなタイトルの本書を読んでみた。
    岡田氏の話と直接関係があるかは微妙だけれども、結果的におもしろい本だった。
    ファスト&スローにも出てくるシステム1とシステム2の概念をとりあげつつ、詭弁や昨今流行りの「反ワクチン思考」などにも触れて、反射的に結論を出す前に一度立ち止まって考えることの重要性とテクニックについて書かれていた。

    10のレッスン、という副題やそもそも遅考「術」というくらいなので、これは思考の練習をして、スキルとして身につけられるもの、というのが本書の考え方。

    これを参考に、あえて立ち止まって考えるということを意識していきたい。

  •  
    ―― 植原 亮《遅考術 ~ じっくりトコトン考え抜くための
    「10のレッスン 20220830 ダイヤモンド社》 [Kindle]
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B0B718TCW5
     
     「優秀なのに自分を過小評価しすぎる人」が今すぐやめるべき思考の
    クセ 202209925 ダイヤモンド・オンライン
    https://diamond.jp/articles/-/309887
     
    …… 論理的な思考が苦手で、いつも「考えが浅い」と言われてしまう
    ……。もっとキャリアアップしたい、自分をより成長させたいと思う
    ビジネスパーソンにとって、「情報を正しく認識し、答えを出すこと」
    は大きな課題だ。しかし思考力を高めたくても、具体的に何から取り組
    み、どう訓練すればいいのかわからない人も多いだろう。
     そこで参考になるのが、《遅考術――じっくりトコトン考え抜くため
    の「10のレッスン」》だ。著者は、科学哲学が専門の植原 亮教授。本
    書では、意識的にゆっくり考えることを「遅考」(ちこう)と定義し、
    本当に頭がいい人の思考のプロセスを解説。52の問題と対話形式で、思
    考力の鍛え方を楽しく学べる名著だ。
     
     20万部突破のベストセラー《独学大全》著者・読書 猿氏も推薦の本
    書。本稿では、著者の植原教授に、「自分の努力・実力を正しく評価す
    るためのコツ」をテーマにインタビューを実施。スピード重視で浅い思
    考の呪縛から解き放たれ、自力で「深い思考」に到達するためのポイン
    トをお届けする。(川代 紗生・取材・構成/疋田 千里・撮影)
     
    【この記事の画像を見る】
     
     ● 「頭の回転が速すぎること」の落とし穴
     
    ──『遅考術』を読んで、いかに自分が「バイアス」に左右されている
    のか、実感しました。思い込みで短絡的に物事を結論づけたりせず、じっ
    くり考えることに慣れていきたいなと思います。
     
     植原 亮(以下、植原):そうですね、利用可能性バイアスや確証バ
    イアスなど、バイアスにもさまざまな種類がありますが、これが思考の
    誤りの発生源になることは多々あります。
     
     用心深く、「遅く考える」ことができないと、人生における大きな課
    題がやってきても、最初に頭に浮かんだ「思いつき」を考えたというこ
    とにして、自分を無理矢理納得させる……なんてことに。
     
     賢い人=思考が速いというイメージがありますが、よいアイデアや仮
    説にたどり着くまで、状況に応じた思考の進め方で粘り強く考え続けら
    れることこそ、重要なのではないかと思います。
     
     ● 私はダメな人間だ… 「利用可能性バイアス」がもたらす極端な
    価値判断
     
    ──「自分に自信が持てない」という悩みも多く耳にします。「今の成
    功はすべて自分の努力の結果だ」と自信満々になる人もいれば、逆に、
    社会的な成功をおさめているのに、いつまでも自信が持てない人もいま
    す。自分を過大評価しがちな人・過小評価しがちな人が、フラットに自
    分の悩みと対峙するためには、どうすれば良いでしょうか。
     
     植原:まず試してみてほしい攻略法は、「記憶」ではなく「記録」に
    頼ること。
    『遅考術』でも紹介していますが、人間には「利用可能性バイアス」と
    いうものがあります。
     
     「利用可能性バイアス」とは、記憶から呼び出すのが容易なもの(つ
    まり利用可能性が高いもの)の方が、そうでないものに比べて実際に起
    こる確率が高く、発生件数が大きいと考えてしまう、という思考の傾向
    のこと。
     
     たとえば、ネットを使って調べ物をするときに、検索して最初の方に
    出てきたサイトに書いてあることを信用してしまうとか、よくあります
    よね。
     
    ──たしかに!「トップに出てきたサイトなんだからきっと合ってるん
    だろう」みたいに考えてしまいますよね。
     
     植原:私たちは容易に手に入るものしか検討しない傾向にあります。
     
     たとえ他の情報がまだ残っているとしても、すでに手元にあるものに
    不釣り合いなまでに重きを起きたがる。
     これが「利用可能性バイアス」です。
     
     この性質が、場合によっては過大評価・過小評価につながってしまう
    わけですね。
     
    ──なるほど……。記憶から呼び出すのが容易なもの、インパクトが大
    きい記憶を重視して価値判断をしてしまう、ということでしょうか。
     
     植原:そういうことになりますね。
     たとえば、自分を過小評価しやすい人がなぜそうしてしまうのか、考
    えてみましょうか。
     
     自分自身について評価を下すときも「利用可能性バイアス」のせいで、
    記憶に強く残っていることや、直近にあったことの影響が大きくなって
    しまうんです。
     
     最近、仕事でやらかしてしまった、失敗してしまった。なんであんな
    ことしちゃったんだろう。そんなふうに、ひどく落ち込んだ経験をする
    と、記憶の中に強く刻みこまれてしまいます。
     
     さきほどの例で言えば、脳の検索システムの中で「自分 評価」と検
    索したとき、トップに出てくるような状況になってしまっているわけで
    す。
     
     すると、どうなるか。直近1週間程度で起きた話でしかないのに、ま
    るで人格全体がダメであるかのような錯覚に陥ってしまう。
     
     1週間ではなく2年、3年のロングスパンで見れば、そんなミスはほん
    の数回、非常に限られた出来事かもしれないのに、トップに出てくるか
    ら、どうしても「私はダメな人間だ」と極端な価値判断になってしまう
    わけです。
     
     ●「客観的な記録」でフラットに自己分析せよ
     
    ──他人からは全然ダメな人に見えないのに、「いやいや私なんて」と
    やけに謙遜する人や、自己評価が低い人がいますが、そういうメカニズ
    ムだったんですね。
     
     植原:こうした「利用可能性バイアス」が人間には備わっているので、
    思い出しやすいことを中心に評価を下してしまうのは、ごく自然なこと
    なんです。
     
     だったらどうすればいいかというと、ある程度、「客観的な記録」を
    用意するしかない。
     
     記録があれば、「なんだ、冷静に考えればそこまでひどくないじゃな
    いか」と、過剰に落ち込まなくて済みますし、複数の経験を並列で眺め
    ることができます。
     
     私は実際に、手帳へは予定だけでなく、「どの仕事をいつしたか」と
    いうのを書き込んでいます。
     
     とはいえ、「記憶」がすべて悪いというわけでもありません。中には、
    「あのときうまくいったから大丈夫」というように、自分を動機付けて
    くれるポジティブな記憶もあるはず。
     
     「今はうまくいってないかもしれないけど、この仕事に自分はちゃん
    とコミットするんだ」と、方向付けをしてくれるような記憶はちゃんと
    取っておいて、記録と記憶、どちらも大切にするバランスが必要だと思
    います。
     
     【大好評連載】
     第1回 「頭の回転は速くても考えが浅い人」と「本当に頭がいい人」
    の根本的な違い
     第2回 「理屈っぽくて高圧的な人」の矛盾を見抜く「最強の質問」
    とは?
     
     植原 亮 Uehara, Ryou 1978‥‥ 埼玉 /
    /2008 東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。博士
    (2011 学術)。現在、関西大学総合情報学部教授。専門は科学哲学だ
    が、理論的な考察だけでなく、それを応用した教育実践や著述活動にも
    積極的に取り組んでいる。
     
    ── 《思考力改善ドリル 2020‥‥ 勁草書房》
    ── 《自然主義入門 2017‥‥ 勁草書房》
    ── 《実在論と知識の自然化 2013‥‥ 勁草書房》
    ── ・共著《生命倫理と医療倫理 第3版 2014‥‥ 金芳堂》
    ── ・共著《道徳の神経哲学 2012‥‥ 新曜社》
    ── ・共著《脳神経科学リテラシー 2010‥‥ 勁草書房》
    ── ・共著《脳神経倫理学の展望 2008‥‥ 勁草書房》
    ── クレイン, T.・共訳《心の哲学 2010‥‥ 勁草書房》
    ── チャーチランド, P・S・共訳《脳がつくる倫理 2013‥‥ 化学同人》
     
     ダイヤモンド社 書籍編集局
    1 
    (20220827)
     

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著者プロフィール

植原 亮(うえはら りょう)
1978年埼玉県にうまれる。2008年東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。博士(学術、2011年)。現在、関西大学総合情報学部教授。専門は科学哲学だが、理論的な考察だけでなく、それを応用した教育実践や著述活動にも積極的に取り組んでいる。
著書に『思考力改善ドリル』(勁草書房、2020年)『自然主義入門』(勁草書房、2017年)、『実在論と知識の自然化』(勁草書房、2013年)、『生命倫理と医療倫理 第3版』(共著、金芳堂、2014年)、『道徳の神経哲学』(共著、新曜社、2012年),『脳神経科学リテラシー』(共著、勁草書房、2010年)、『脳神経倫理学の展望』(共著、勁草書房、2008年)ほか。訳書:T・クレイン『心の哲学』(勁草書房、2010年)、P・S・チャーチランド『脳がつくる倫理』(共訳、化学同人、2013年)ほか。

「2022年 『遅考術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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