愛という名の切り札 [Kindle]

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  • 朝日新聞出版
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  • 夫の音楽にほれ込んだ梓は半ば崇拝するような勢いで猛アタック。嬉しそうな表情を浮かべた夫と晴れて結婚。夫を作曲家として育てるため後押し。夫の嗜好に合わない仕事も含め後押しする。テレビ出演がきっかけで彼は変わっていった。社交的になり身なりを着飾り、ワインのうんちくをたれる。とまどっている梓に夫からは離婚の意思、「君はもう自分を愛してない。」と主張する彼は自分をほめそやしてくれる年下女性にほれこんだ、いささか身勝手だと思う。対して梓は愛を主張し頑なに離婚を認めない。お金ではない。二人の間に他人を入れ込みたくないという理由で子供も作らなかったほど夫が好きだ。一方、結婚のメリットがないという娘に困惑する百合子。果たして自分は夫を愛しているのか。今やただの同居人。定年後にだらだらする姿をみるとイラついて仕方ない。結婚は安定をくれるシステム。恋は人を買えるが愛を継続するのは難しい。一人を愛し続ける努力は面倒くさいのだ。愛はいろいろ。大学院生の音楽家と知り合い、相談するようになり、同居まで始めた梓。夫は年下女性との子供が生まれる。百合子は家政婦のパートを始め、夫は料理を覚えるようになる。カレー、焼き魚。レポートりーを少しずつ増やす。家族の形も変わっていく。

  • 結婚に対して身近に感じていないから、共感はあまりなかったけど、深く考えるきっかけになった。
    またいつか読みたい本。

  • 憧れによる執着なのか愛なのか。自分だけが理解できていれば良かった彼の良さを広く知られてしまうこと、そしていつの間にか自分の手の届かないところへ行ってしまうこと、成功には付き物だけど残酷だと感じた。結婚について考えさせられた。結婚で縛れる人と縛れない人がいる。その違いは、出会った時に相手が自分を好きになった一番の理由を、今も無くしていないかどうかなのかなと思った。「迷ったときは心に尋ねてみるといい。いま相手と入れ替わっても自分を愛せるかどうか」という言葉が心に残った。

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著者プロフィール

1960年、神戸市生まれ。2012年『おしかくさま』で第49回文藝賞を受賞。他の著書に、小説『断貧サロン』『四月は少しつめたくて』、エッセイ『競馬の国のアリス』『お洋服はうれしい』などがある。

「2016年 『世界一ありふれた答え』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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