マネジメントの正念場 真実が企業を変える [Kindle]

制作 : ブルース・ボダケン 
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  • 本書の原題は『The Managerial Moment of Truth: The Essential Step in Helping People Improve Performance』である。マーケティングに関する考え方の一つに "Moment of Truth (MoT)" があり、これは顧客の体験を認知、購買などいくつかの重要な瞬間で切り取り、各瞬間へのアプローチを考えるといった方法論のようだが、要するに本書はそのマネジメント版なのだろうと思う。

    邦題は「正念場」という単語を採用しているが、マネージャーが頑張らないといけない場面の話をしている訳ではない。「マネジメント版 Moment of Truth」について話していると捉えると読み進めやすい。

    Managerial Moment of Truth (MMOT) は以下の4ステップで構成される。

    1. 現実を認識する
    2. 状況を分析する
    3. 行動計画をたてる
    4. フィードバックシステムを構築する

    このステップを色々な場面で実行していくことによって、真実を語ることが組織の標準となり、真実を語ることが「安全」であるような環境を作ることが本書のテーマとなる。

    チームの MMOT、ポジティブな場面の MMOT、問題がある部下への MMOT、機能横断型チームの MMOT などいくつかの状況で会話例を交えて MMOT の実施方法が説明されている。加えて、質問の仕方である情報質問、解明質問、含意質問、齟齬質問を使い分けて発言に暗に含まれた主張や矛盾を明らかにして合意をとるためのテクニックも紹介されている。

    フレームワークとしての MMOT が業務の中で活用しやすいかというと状況によると思うが、マネージャーがチームの学習やメンタリングについて考えたり、事実に基づいた公平な議論をできる組織を目指す際に役に立つ内容が書かれていて参考になった。

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著者プロフィール

ロバート・フリッツ・インク社の創立者。ロバート・フリッツは、30年以上にわたる研究を通じて構造力学を発展させてきた。創り出すプロセスの領域から始まった取り組みは、やがて組織、ビジネス、マネジメントの領域へと広がった。ピーター・センゲらとともに、イノベーション・アソシエイツ社の共同創立者でもある。構造がいかに人間の行動に影響を及ぼすのかについて記した最初の著書「The Path of Least Resistance」(未邦訳)は世界的ベストセラーとなった。邦訳書に『偉大な組織の最小抵抗経路 リーダーのための組織デザイン法則』『Your Life as Art 自分の人生を創り出すレッスン』『プロフェッショナルの営業鉄則 何が営業を殺すのか』ウェイン・S・アンダーセンとの共著『自意識(アイデンティティ)と創り出す思考』 (すべてEvolving)がある。コンサルタントとしても多くの組織が構造思考を実践できるように支援しており、顧客企業はフォーチュン500企業から多数の中規模企業、政府団体や非営利組織にまで及ぶ。フリッツは映像作家でもある。監督として、また脚本家として、映画やドキュメンタリー、ショートドラマを製作しており、その映像作品は世界各地の映画祭でこれまでに200以上の賞を受けている。

「2022年 『マネジメントの正念場 真実が企業を変える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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