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- Amazon.co.jp ・電子書籍 (296ページ)
感想・レビュー・書評
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18世紀に起きた出来事に着想を得た、少年9人と大人3人の運命を描く無人島もの。荒海に突き出た岩ばかりの島で猟を終えた12人、しかし、来るはずの迎えが来ない。ひょっとして外の世界の人々はみな死に絶えてしまったのだろうか? という状況の中、主人公の少年クイリアムは言葉と物語の力で絶望する仲間たちを支え、彼らに生きる道標を与えようとする。とはいえヒロイックな話でも創意工夫でサバイバルする話でもなく、あるのは過酷な自然の力、待ち受けるのは無慈悲な現実ばかり。心に無力さと孤独を巣食わせながらも島の鳥たちに自分自身の姿を重ね、そして突きつけられた事実を前に世界が終わるさまを感じ取るクイリアム。賛否両論ありそうなラストだが、一つの終わりはまた別のものの始まりであると信じたい。
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