狙われた羊 (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • めちゃくちゃおもしろい!

  •  探偵も登場しサスペンスドラマさながらの展開。
    若者達を蝕む社会の闇、そしてあのカルト宗教団体の内幕(なかなかリアルに描写)をのぞき見るようで一気に読めました。
     小説はフィクションとは言え、これが描かれた当時、私の街でも駅前には様々な宗教系の勧誘の人達がうろつき、怪しい活動があったのを思い出します。
     インターネットやSNSによる情報も繋がりも無い当時、良くも悪くも人との「直接的な繋がり」が人生を決めて行ったんですね。
     小説は後半、救出作戦を経て小説らしい結末へと向かいますが、実際の被害者にとっては問題はまだ続いてることを思うとやるせなさと憤りを感じます。
    当時のこと、あの団体のことを良く知らない方はぜひご一読を。著者の取材力とこの問題への執念を感じる一冊です。

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著者プロフィール

1940年、新聞記者の長男として東京で生まれる。幼年期に東京空襲があり、父の出身地である福島県に疎開。そこで小中学校を過ごし、高校は東京に戻り、都立新宿高校を卒業、東京外国語大学に入学。在学中、演劇に興味を持ち、大学を中退、劇団俳優座に入所。

1972年放映の「木枯し紋次郎」が空前のブームになり、その後数多くのドラマで主演をつとめた。俳優業だけでは満足できず、脚本や演出でも活動したが、海外取材を基に書いた小説『チェンマイの首』がベストセラーとなり、その後の二作を含め東南アジア三部作は、国際小説ブームの火付け役を果たした。

この成果が注目を浴び、1984年には、日本最初の本格的なTV情報番組「地球発22時」のキャスターに起用され、TV界の流れに大きな変化をもたらした。数十ヶ国の海外取材での経験から、国際的視点からの政治的発言が多くなり、政界入りの要請が強くなる。

日本ペンクラブ理事、環境委員を歴任。著書に『簡素なる国』(講談社)、『ごみを喰う男』(徳間書店)、『暴風地帯』(角川書店)ほか。
ドラマ「CHANGE」(2008年)、「不毛地帯」、「仁」(2009年)、「鉄と骨」(2010年)、「まれ」(2015年)などに出演。

「2022年 『【朗読劇】線量計が鳴る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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