解像度を上げる――曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法

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  • Audible Studios (2023年4月7日発売)
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  • 著者は東大出身のスタートアップ支援を行うFoundXのディレクター。他に『逆説のスタートアップ思考』などの著書がある。
    多くの起業家と接するうち、優秀な人ほど物事を高い解像度で把握していることに気づいた。いつまでも芽の出ない人は、顧客や市場をふわっとしか把握していない。解像度が高い人のパターンを抽出してまとめたのがこの本。

    解像度を上げるには以下の4つの視点が必要。

    深さ …原因や要因、解決策を細かく具体的に掘り下げる
    広さ …考慮する原因や要因、アプローチを多様化する
    行動 …見えた要素を分類、その重要性や相互の関係性をつかむ
    時間 …プロセスや因果関係を理解し、課題や市場の移り変わりを捉える

    若手は特に「深さ」「広さ」が不足しがち。まず行動することから始め、情報を集め考察していく。その際、「型」を意識して守破離の精神で臨むこと。また簡単にあきらめず質と量を求め、粘り強く取り組むことが重要。

    「深さ」を得るには顧客へのインタビュー、「広さ」のためにはサーベイでとにかく大量の情報を集める。そうやって内化した情報を元に、対話やプレゼンを通して質の高い考察を獲得できる。つまり「構造」を得る。

    気付きを得るにはアンケートではなく対面インタビューでなければならない。相手のことを事前に調べてくわしく知っておく。インタビューを通して顧客候補を獲得することも。
    極端に先進的なユーザー(コミュニティ)にも目を向ける。想定外の使い方をしているとそれが重要なヒントに。

    現場での顧客の実際の行動を観察することで、顧客すら気づいてなかった課題を発見できる。後で検証できるよう写真や動画を撮っておく。
    ライバル製品を徹底的に使い倒す。メルカリは創業時、ライバルのアプリを調べつくし、それらの短所を補い長所を補強した製品を提供することで後発ながらトップに立つことができた。

    「Why so?(なぜそうなのか)」を繰り返して問い、考察の度合いを深める。
    ビジネス上のイシューは動く的(ムービング・ターゲット)である。
    市場の課題と顧客の課題を取り違えないこと。
    顧客よりも顧客の課題を深く知っているカスタマーマニアになる。

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著者プロフィール

東京大学 FoundX ディレクター。
University of Toronto 卒業後、日本マイクロソフトを経て、2016年から東京大学。東京大学では本郷テックガレージの立ち上げと運営を行い、2019年からFoundXディレクターとしてスタートアップの支援とアントレプレナーシップ教育に従事する。スタートアップ向けのスライド、ブログなどで情報提供を行っている。著書に『逆説のスタートアップ思考』『成功する起業家は居場所を選ぶ』『未来を実装する』。

「2022年 『解像度を上げる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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