- Amazon.co.jp ・電子書籍 (164ページ)
感想・レビュー・書評
-
人がやらないことをする人がいる。会社四季報というあの分厚い資料を1冊でも最初から最後まで読んだことがないのに、それを25年も続けている方がいる。
今回取り上げる著者だ。冊数に換算すると100冊にもなる。
読み始めたきっかけは野村證券時代、上司から会社四季報を読めと言われたことだった。野村證券は体育会系で、逆らえないので読み始めたら、証券会社にいるのにも関わらず知らないことだらけだったと感想を述べている。
「でも四季報を捨てて街に出よう!」とあるのは何とも皮肉な感じがするが、当たっている面もある。
著者は、実際に投資している地方企業の株主総会に参加した体験から、これはダメだと思った企業といいと思った企業が分かったと述べている。
その一方で四季報を読み込むと見えてくる点がある。これからは感性の時代、別な言い方をすると「空気を読む時代」が来ると著者は述べている。
ソケッツという、データベースの開発・提供を行っている企業は、2009年4月に東証マザーズ(現、東証グロース市場)に株式上場した。
四季報には「感性データに基づくレコメンド等の機能を提供」と書いているのを著者は見つけた。
また、マクビープラネットという東証グロースに上場している会社について、四季報に「空気を読むウェブ接客ツールの自動対応チャットで感情推察し、対応シナリオを変える機能」と書かれているのを見つけた。
他の会社でも感性をテーマにしている企業があるとして、無印良品を展開する「良品計画」や、化粧品メーカーの資生堂やコーセーの名前を上げている。
感性の時代だからこそ「人的資本」が注目されると述べている。
この他、サイクルを読むなど、四季報をかじり尽くしているなあ。
そう言えば、味の素が半導体関連で収益を上げているのを知ったのは会社四季報だったからなあ。
置いておいてもせいぜい漬物石代わりにしかならないが、うまく活用すると少しぐらい美味しい思いができそうだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示