- Amazon.co.jp ・電子書籍 (211ページ)
感想・レビュー・書評
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インドネシアがGojekなどのアプリの普及により、一足飛びにデジタル化が進むリープフロッグ現象に始まり、なぜ日本でデジタル化が思ったように進まないのか、という点に踏み込んでいく。
前提として、NFT/Web3など、従来の利便性から意味性を持つサービスが普及拡大していることも説明されている。
日本は業務のDXはそれなりに進んでいるものの、提供価値のDX化が進んでおらず、結果的にDX化が遅れているというのが筆者の主張。
提供価値のDXとは、顧客のペインポイントを見極め、そのソリューションを提供して、これまでにない成功体験を支援する部分を、新たな領域で行うこと。
こうした新たな世界での新たなサービスにより成功体験を生み出す、ということができておらず、こうした部分を業界の垣根を超えて取り組む必要があるというのが筆者の主張。
やや最後は自社のサービスであるUXに寄せに行った印象があるものの、思考法の切り替えは大切だと学びになった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「業務のDX」だけでなく「提供価値のDX」するために必要なことを説いた本。
「モノや情報の提供」から「行動支援」へと顧客提供価値のあり方が変化しており、その変化に対応することが求められます。 -
商品やサービスの売り切り型ではなく、顧客行動支援のサービスが求められているという話。
前半のインドネシアのgojek の話は面白かった。日本には適用できないけど。
自分のサービスを今後どのように展開するかを考える時に有用な一冊。 -
・判断の前提
“利便性は共有され、意味性は所有される”
spotify
-マイプレイリスト作成/保存は有料
意味性:らしさや好きなど共通にできない指標が対象、特別感を抱けるもの
(価値をわかる仲間は必要)
cf.山口周
補強例.高級車のカーシェアはどの世界でもうまくいっていない
(キャンプでいうと、ガレージブランドの流れ/希少性)
web3
「意味性から生まれる所有という共同幻想がより強化された世界観が生まれること」
「インセンティブ革命が社会共同資本をもたらし、人々の持続的な協力関係をつくること」
誰がいつ売ったかが記録され、公開される→転売のしにくさ
商用利用が可能なBAYCのNFT
“意味の増幅がもたらす「自分らしさの実現」”
“物質的な自分とは異なる自分の個性を表現できること”
web3の潮流は、人々の意味性への渇望の現れ
*自在金具やロープワークのビジュアルをNFTのビジュアルに。
行動支援、ジャーニーづくりが(顧客)価値に。
例.旅行
友人との楽しい思い出のための一連の行動フロー(情報計画、予約、交通、アクティビティ、撮影)を支援することを単一企業でできるようになること
例.萌え→推しに
(exの検討では)属性だけでなく状況までを理解するように
サブスクではユーザーと伴走する、使い続けてもらう必要ができたために、行動支援に目が向くようになった。ただし考え方は、サブスクありきでなく、行動支援からで。
→”10億人と共有できる意味性” -
ジャーニーシフトとは何かを一言で表すのは難しい。ジャーニーシフトとは、時代によって顧客提供価値が変質したことを表す言葉だと本書ではある。現在、顧客提供価値が、「モノや情報の提供」「瞬間的な道具」から、ありたい成功状態を実現させ、行動を可能にさせる「行動支援」に変わっている。この変わってきている。これこそが「ジャーニーシフト」である。
まだまだ抽象度が高いためもう少し深めると、ジャーニーシフトという言葉が意味しているのは「顧客提供価値の変化」である。UX(顧客体験)や体験価値は、世界や日本社会においても必要性を増しており、社会変化によって顧客が価値を感じる対象が「行動支援」に変わってきている。つまり「顧客提供価値=行動支援=ジャーニーづくり」という図式が成り立つ世の中になってきているのである。
行動の支援により顧客の行動を変化を起こす事を目的としているのがジャーニーシフトと捉えている。今後日本が注力していく事は、枠の中のプロセスを磨き上げていくことではなく、枠を外しアフターデジタルによって膨大に得られるようになったデータから、顧客の解像度をよりあげ顧客が求めている利便性と意味性の提供によって顧客の行動を変化していく必要がある。
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ジャンル
起業・イノベーション テクノロジー・IT
出版社
日経BP
定価
2,420円(税込)
出版日
2022年12月15日
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flier要約
https://www.flierinc.com/summary/3228