息が詰まるようなこの場所で【電子特典付き】 [Kindle]

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  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (229ページ)

感想・レビュー・書評

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  • どのくらい実話が盛り込まれているのか分からないけど、こんな考え方の人たちがいるんだな〜、と驚きながら読み進めた。
    登場人物は皆キャラが立ち過ぎてはいないことで、リアルさが増していると思う。
    自分には一生理解できない価値観の人たちの生活をのぞけて楽しかった。

  • 最近世間に広まりつつある「タワマン文学」。あんまり共感をするつもりはなかったのですが…自分の周りに潜在する、あるいは顕在しているがやや見えにくい格差を書かれるとどうしても考え込んでしまいます。「自分らしさ」を見つけるのは人生における永遠のテーマですが、また自分も数日間想いに耽りそう。

    どちらかというと地方出身目線で読みましたが、タワマンに住みたいとは思いません。郊外の一軒家の方が(平凡に)幸せそうです。笑

  • ・タワーマンションを通して、現代社会の光と闇の一部(お受験、キャリア、ヒエラルキー、家族の在り方、その中でのそれぞれの立場や家族での葛藤や悩みなど)を表した物語
    ・特に都市部(東京など)の特徴が見える一冊
    ・普通に面白い

  • 共感出来る作品。

  • タワマンにはおよそ縁のない人生を歩んできたけど、中学受験の話や"上には上がいる"感は身に覚えがあり懐かしかった。人には人の地獄があるというけれども、読後感はさわやか。

  • 中学受験をしタワマンに住んでる医者の自分にピッタリの文学小説

  • 描写というか、本当にタワマンに暮らすある人物の生活を切り取ったレポのようなリアルさが胸に響く。東洋経済オンラインを読んでいるような気分になる。第三者目線での、羨ましいと思われる人が悩みを抱えていることに気付く描写が巧い。

    1章:平田さやかの憂鬱では、ないものねだりの虚しさを感じる。無理に背伸びして手に入れた生活は困窮と窮屈で自由が無い生活になってしまったが、それでもタワマン暮らしに息子はサピックス通い。親友のマミの、地方でも広い戸建てに犬を飼い、息子は自由にスポーツクラブで汗を流す、絵に描いたような平和な暮らしを見ると、やっぱり分不相応に暮らして、少し贅沢できる余裕があるくらいが程よいのだろうという感じが切ない。一度下した決断を引き返せる訳もなく、不安の中暮らすが周りも同じような不安やないものねだりがあることもまた現実的。

    1章を読んだ後で旦那の健太視点での2章が始まる。以降、周辺人物の当人にしか分からない葛藤や悩みが本人視点で描かれていくことでより一層その人物、またその他の人物像が解像度をあげて浮かび上がってくる。人には人の地獄があって、お互い隣の芝は青いと思っている感じ。すべて読み終えると伊地知家が羨ましく感じるし、凄さがわかる。

    ラストは少し報われたようなハッピーエンドで、こんな感じで一喜一憂して前途多難な人生を送っていくのだろう。番外編の平田充の就活生の葛藤もリアルで、同じような感じで後悔を抱えながらもふとした希望や気づきで自分の人生を切り開いていく。

  • 最近ジャンルとして確立しつつある「タワマン文学」
    タワマン文学としては麻布競馬場の「この部屋から東京タワーは永遠に見えない」の方が読みやすいが、読後感はこちらの方が良い。

    住んでいる階数、部屋の値段、夫の職業/年収、子供の成績など、社会的ヒエラルキーを常に意識しながら暮らすタワマン民の悲哀を描いています。
    「人間の数だけ地獄がある」と言うセリフが、この世界観を如実に表していてとても印象的でした。

    また「同窓会に参加できる資格を持っているのは「失敗」をしていない人間だけだ」は共感。
    成功した人間ではなく、失敗していない人間というのがポイント

  • 子を持つ親としては、構成やストーリーなどは別にして非常に考えさせられる内容だった。長い問題提起であり問いかけ。

  • タワマン住民の、他者と自分を比べて焦ったり、妬んだり、僻んだりする話かと読み始めたが、細部のリアリティと、ユーモアに包んだクリシェで、最後まで楽しみながら読めた。

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