同和のドン 上田藤兵衞 「人権」と「暴力」の戦後史 [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ヤクザと同和はもうダメなんですごめんねって話。この手のルポにありがちなエンタメ的な脚色を考慮するにしても、文化史として後世に語り継いで行きたい貴重な出版物だと思います。割と同和関係の本は読み漁ってきたつもりだけど、解同ではない人権団体から問題を捉えてるってのがなんとも食欲をそそりますね。同和問題なんてのはそもそも部落民の定義ってところからして専門家で意見が合ってないんだから、その時点で根本的な解決が不可能な問題だし、最も改善が必要であった生活レベルの差も今や完全に埋まってるんだから、センバツの21世紀枠みたいにお役御免で解消していく流れでいいじゃないか。別の問題にはなるけど、こどもの世話をしない親のせいでこどもが居場所求めてグレていくってのが不良少年の発生過程な訳ですが、大いに同和が関係してると思うんだよな。生活保護受給率の高いエリアは親が家にいて働かない家庭が均質的に多いだろうし、そこで生まれ育ったこどもたちの絆の強さとヤクザの身近さは想像もできんわ。ただこうした風景ももはや遺構で、まぁそりゃ供給元が断たれればおのずとヤクザも減るわな。シンプルな話。

    どうでもいいけどここ20年で中学からヤンキーがいなくなりましたよね。あと河原にいた野良犬もいなくなった。生活を脅かすような危険なものに対する日本人の対策意識というのは時代と共により強固になっておりまして、その背景には生活レベルの均質化(特に最下層の底上げ)があるのではないかと思っとります。その象徴であるかのごとく漸次解消に向かっているのがまさに同和問題ですわね。同和がなくなれば日本から貧困がなくなる、とは言い切りませんが重要なファクターの1つではあると思う次第。

    あと野中広務先生は神

  •  
    ── 伊藤 博敏《同和のドン 上田藤兵衞「人権」と「暴力」の戦後史
    20230210 講談社》 [Kindle]
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B0BTY9RXFV
     
    …… 自由同和会京都府本部会長・上田 藤兵衞を扇の要にしながら部落
    解放史の光と闇を描いたノンフィクション。
     
    ── 伊藤 博敏《「暴力」の戦後史》
    https://news.yahoo.co.jp/articles/98485f8e0601ca2455676914c22c22278843704d
     
    (20230408)
     

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著者プロフィール

1955年、福岡県に生まれる。東洋大学文学部哲学科卒業。編集プロダクションを経て、1984年よりフリーライター。政治経済とそれに絡む事件取材に定評がある。著書に『許永中「追跡15年」全データ』(小学館文庫)、『「欲望資本主義」に憑かれた男たち』(講談社)、『金融偽装』(講談社)、『トヨタショック』(共著・講談社)などがある。

「2010年 『鳩山一族 誰も書かなかったその内幕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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